2010年12月7日火曜日

伝道者の書 4章

伝道者の書 4章


1 私は再び、日の下で行われるいっさいのしいたげを見た。見よ、しいたげられている者の涙を。彼らには慰める者がいない。しいたげる者が権力をふるう。しかし、彼らには慰める者がいない。

2 私は、まだいのちがあって生きながらえている人よりは、死んだ死人のほうに祝いを申し述べる。

3 また、この両者よりもっと良いのは、今までに存在しなかった者、日の下で行われる悪いわざを見なかった者だ。

4 私はまた、あらゆる労苦とあらゆる仕事の成功を見た。それは人間同士のねたみにすぎない。これもまた、むなしく、風を追うようなものだ。

5 愚かな者は、手をこまねいて、自分の肉を食べる。

6 片手に安楽を満たすことは、両手に労苦を満たして風を追うのにまさる。

7 私は再び、日の下にむなしさのあるのを見た。

8 ひとりぼっちで、仲間もなく、子も兄弟もない人がいる。それでも彼のいっさいの労苦には終わりがなく、彼の目は富を求めて飽き足りることがない。そして、「私はだれのために労苦し、楽しみもなくて自分を犠牲にしているのか」とも言わない。これもまた、むなしく、つらい仕事だ。

9 ふたりはひとりよりもまさっている。ふたりが労苦すれば、良い報いがあるからだ。

10 どちらかが倒れるとき、ひとりがその仲間を起こす。倒れても起こす者のいないひとりぼっちの人はかわいそうだ。

11 また、ふたりがいっしょに寝ると暖かいが、ひとりでは、どうして暖かくなろう。

12 もしひとりなら、打ち負かされても、ふたりなら立ち向かえる。三つ撚りの糸は簡単には切れない。

13 貧しくても知恵のある若者は、もう忠言を受けつけない年とった愚かな王にまさる。

14 たとい、彼が牢獄から出て来て王になったとしても、たとい、彼が王国で貧しく生まれた者であったにしても。

15 私は、日の下に生息するすべての生きものが、王に代わって立つ後継の若者の側につくのを見た。

16 すべての民には果てしがない。彼が今あるすべての民の先頭に立っても、これから後の者たちは、彼を喜ばないであろう。これもまた、むなしく、風を追うようなものだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。

Sponserd links