2010年12月7日火曜日

伝道者の書 8章

伝道者の書 8章


1 だれが知恵ある者にふさわしいだろう。だれが事物の意義を知りえよう。人の知恵は、その人の顔を輝かし、その顔の固さを和らげる。

2 私は言う。王の命令を守れ。神の誓約があるから。

3 王の前からあわてて退出するな。悪事に荷担するな。王は自分の望むままを何でもするから。

4 王のことばには権威がある。だれが彼に、「あなたは何をするのですか」と言えようか。

5 命令を守る者はわざわいを知らない。知恵ある者の心は時とさばきを知っている。

6 すべての営みには時とさばきがある。人に降りかかるわざわいが多いからだ。

7 何が起こるかを知っている者はいない。いつ起こるかをだれも告げることはできない。

8 風を支配し、風を止めることのできる人はいない。死の日も支配することはできない。この戦いから放免される者はいない。悪は悪の所有者を救いえない。

9 私はこのすべてを見て、日の下で行われるいっさいのわざ、人が人を支配して、わざわいを与える時について、私の心を用いた。

10 そこで、私は見た。悪者どもが葬られて、行くのを。しかし、正しい行いの者が、聖なる方の所を去り、そうして、町で忘れられるのを。これもまた、むなしい。

11 悪い行いに対する宣告がすぐ下されないので、人の子らの心は悪を行う思いで満ちている。

12 罪人が、百度悪事を犯しても、長生きしている。しかし私は、神を恐れる者も、神を敬って、しあわせであることを知っている。

13 悪者にはしあわせがない。その生涯を影のように長くすることはできない。彼らは神を敬わないからだ。

14 しかし、むなしいことが地上で行われている。悪者に対する報いを正しい人がその身に受け、正しい人の行いに対する報いを悪者がその身に受けることがある。これもまた、むなしい、と私は言いたい。

15 私は快楽を賛美する。日の下では、食べて、飲んで、楽しむよりほかに、人にとって良いことはない。これは、日の下で、神が人に与える一生の間に、その労苦に添えてくださるものだ。

16 私は一心に知恵を知り、昼も夜も眠らずに、地上で行われる人の仕事を見ようとしたとき、

17 すべては神のみわざであることがわかった。人は日の下で行われるみわざを見きわめることはできない。人は労苦して捜し求めても、見いだすことはない。知恵ある者が知っていると思っても、見きわめることはできない。

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