2010年12月7日火曜日

伝道者の書 10章

伝道者の書 10章


1 死んだはえは、調合した香油を臭くし、発酵させる。少しの愚かさは、知恵や栄誉よりも重い。

2 知恵ある者の心は右に向き、愚かな者の心は左に向く。

3 愚かな者が道を行くとき、思慮に欠けている。自分が愚かであることを、みなに知らせる。

4 支配者があなたに向かって立腹しても、あなたはその場を離れてはならない。冷静は大きな罪を犯さないようにするから。

5 私は、日の下に一つの悪があるのを見た。それは権力者の犯す過失のようなものである。

6 愚か者が非常に高い位につけられ、富む者が低い席に着けられている。

7 私は奴隷たちが馬に乗り、君主たちが奴隷のように地を歩くのを見た。

8 穴を掘る者はそれに落ち込み、石垣をくずす者は蛇にかまれる。

9 石を切り出す者は石で傷つき、木を割る者は木で危険にさらされる。

10 もし斧が鈍くなったとき、その刃をとがないと、もっと力がいる。しかし知恵は人を成功させるのに益になる。

11 もし蛇がまじないにかからずにかみつくなら、それは蛇使いに何の益にもならない。

12 知恵ある者が口にすることばは優しく、愚かな者のくちびるはその身を滅ぼす。

13 彼が口にすることばの始まりは、愚かなこと、彼の口の終わりは、みじめな狂気。

14 愚か者はよくしゃべる。人はこれから起こることを知らない。これから後に起こることをだれが告げることができよう。

15 愚かな者の労苦は、おのれを疲れさせる。彼は町に行く道さえ知らない。

16 わざわいなことよ。あなたの王が子どもであって、あなたの首長たちが朝から食事をする国は。

17 幸いなことよ。あなたの王が貴族の出であって、あなたの首長たちが、酔うためでなく、力をつけるために、定まった時に、食事をする国は。

18 なまけていると天井が落ち、手をこまねいていると雨漏りがする。

19 食事をするのは笑うため。ぶどう酒は人生を楽しませる。金銭はすべての必要に応じる。

20 王をのろおうと、ひそかに思ってはならない。寝室でも富む者をのろってはならない。なぜなら、空の鳥がその声を持ち運び、翼のあるものがそのことを告げるからだ。

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