2010年5月16日日曜日

創世記 16章

創世記 16章


1 アブラムの妻さらいは、彼に子どもを産まなかった。彼女にはエジプト人の女奴隷がいて、その名をハガルといった。

2 サライはアブラムに言った。「ご存じのように、主は私が子どもを産めないようにしておられます。どうぞ、私の女奴隷のところにお入りください。たぶん彼女によって、私は子どもの母になれるでしょう。」アブラムはサライの言うことを聞き入れた。

3 アブラムの妻サライは、アブラムがカナンの土地に住んでから十年後に、彼女の女奴隷のエジプト人ハガルを連れて来て、夫アブラムに妻として与えた。

4 彼はハガルのところに入った。そして彼女はみごもった。彼女は自分がみごもったのを知って、自分の女主人を見下げるようになった。

5 そこでサライはアブラムに言った。「私に対するこの横柄さは、あなたのせいです。私自身が私の女奴隷をあなたのふところに与えたのですが、彼女は自分がみごもっているのを見て、私を見下げるようになりました。主が、私とあなたの間をおさばきになりますように。」

6 アブラムはサライに言った。「ご覧。あなたの女奴隷は、あなたの手の中にある。彼女をあなたの好きなようにしなさい。」それで、サライが彼女をいじめたので、彼女はサライのもとから逃げ去った。

7 主の使いは、荒野の泉のほとり、シュルへの道にある泉のほとりで、彼女を見つけ、

8 「サライの女奴隷ハガル。あなたはどこから来て、どこへ行くのか」と尋ねた。彼女は答えた。「私の女主人サライのところから逃げているところです。」

9 そこで、主の使いは彼女に言った。「あなたの女主人のもとに帰りなさい。そして、彼女のもとで身を低くしなさい。」

10 また、主の使いは彼女に言った。「あなたの子孫は、わたしが大いにふやすので、数えきれないほどになる。」

11 さらに、主の使いは彼女に言った。「見よ。あなたはみごもっている。男の子を産もうとしている。その子をイシュマエルと名づけなさい。主があなたの苦しみを聞き入れられたから。

12 彼は野生のろばのような人となり、その手は、すべての人に逆らい、すべての人の手も、彼に逆らう。彼はすべての兄弟に敵対して住もう。」

13 そこで、彼女は自分に語りかけられた主の名を「あなたはエル・ロイ」と呼んだ。それは、ご覧になる方のうしろを私が見て、なおもここにいるとは」と彼女が言ったからである。

14 それゆえ、その井戸は、ベエル・ラハイ・ロイと呼ばれた。それは、カデシュとベレデの間にある。

15 ハガルは、アブラムに男の子を産んだ。アブラムは、ハガルが産んだその男の子をイシュマエルと名づけた。

16 ハガルがアブラムにイシュマエルを産んだとき、アブラムは八十六歳であった。

創世記 15章

創世記 15章


1 これらの出来事の後、主のことばが幻のうちにアブラムに臨み、こう仰せられた。「アブラムよ。恐れるな。わたしはあなたの盾である。あなたの受ける報いは非常に大きい。

2 そこでアブラムは申し上げた。「神、主よ。私に何をお与えになるのですか。私には子がありません。私の家の相続人は、あのダマスコのエリエゼルになるのでしょうか。」

3 さらに、アブラムは、「ご覧ください。あなたが子孫を下さらないので、私の家の奴隷が、私の跡取りになるでしょう」と申し上げた。

4 すると、主のことばが彼に臨み、こう仰せられた。「その者があなたの跡を継いではならない。ただ、あなた自身から生まれ出て来る者が、あなたの跡を継がなければならない。」

5 そして、彼を外に連れ出して仰せられた。「さあ、天を見上げなさい。星を数えることができるなら、それを数えなさい。」さらに仰せられた。「あなたの子孫はこのようになる。」

6 彼は主を信じた。主はそれを彼の義と認められた。

7 また彼に仰せられた。「わたしは、この地をあなたの所有としてあなたに与えるために、カルデヤ人のウルからあなたを連れ出した主である。」

8 彼は申し上げた。「神、主よ。それが私の所有であることを、どのようにして知ることができましょうか。」

9 すると彼に仰せられた。「わたしのところに、三歳の雌牛と、三歳の雌やぎと、三歳の雄羊と、山鳩とそのひなを持って来なさい。」

10 彼はそれら全部を持って来て、それらを真っ二つに切り裂き、その半分を互いに向かい合わせにした。しかし鳥は切り裂かなかった。

11 猛禽がその死体の上に降りて来たので、アブラムはそれらを追い払った。

12 日が沈みかかったころ、深い眠りがアブラムを襲った。そして見よ。ひどい暗黒の恐怖が彼を襲った。

13 そこで、アブラムに仰せがあった「あなたはこの事をよく知っていなさい。あなたの子孫は、自分たちのものでない国で寄留者となり、彼らは奴隷とされ、四百年の間、苦しめられよう。

14 しかし、彼らの仕えるその国民を、わたしがさばき、その後、彼らは多くの財産を持って、そこから出て来るようになる。

15 あなた自身は、平安のうちに、あなたの先祖のもとに行き、長寿を全うして葬られよう。

16 そして、四代目の者たちが、ここに戻って来る。それはエモリ人の咎が、そのときまでに満ちることはないからである。」

17 さて、日は沈み、暗闇になったとき、そのとき、煙の立つかまどと、燃えているたいまつが、あの切り裂かれたものの間を通り過ぎた。

18 その日、主はアブラムと契約を結んで仰せられた。「わたしはあなたの子孫に、この地を与える。エジプトの川から、あの大川、ユーフラテス川まで。

19 ケニ人、ケナズ人、カデモニ人、

20 ヘテ人、ペリジ人、レファイム人、

21 エモリ人、カナン人、ギルガシ人、エブス人を。」

創世記 14章

創世記 14章


1 さて、シヌアルの王アムラフェル、エラサルの王アルヨク、エラムの王ケドルラオメル、ゴイムの王ティデアルの時代に、

2 これらの王たちは、ソドムの王ベラ、ゴモラの王ビルシャ、アデマの王シヌアブ、ツェボイムの王シェムエベル、ベラの王、すなわちツォアルの王と戦った。

3 このすべての王たちは連合して、シディムの谷、すなわち、今の塩の海に進んだ。

4 彼らは十二年間ケドルラオメルに仕えていたが、十三年目にそむいた。

5 十四年目に、ケドルラオメルと彼にくみする王たちがやって来て、アシュテロテ・カルナイムでレファイム人を、シャべ・キルヤタイムでエミム人を、

6 セイルの山地でホリ人を打ち破り、砂漠の近くのエル・パランまで進んだ。

7 彼らは引き返して、エン・ミシュパテ、今のカデシュに至り、アマレク人のすべての村落と、ハツァツォン・タマルに住んでいるエモリ人さえも打ち破った。

8 そこで、ソドムの王、ゴモラの王、アデマの王、ツェボイムの王、ベラの王、すなわちツォアルの王が出て行き、シディムの谷で彼らと戦う備えをした。

9 エラムの王ケドルラオメル、ゴイムの王ティデアル、シヌアルの王アムラフェル、エラサルの王アルヨク、この四人の王と、先の五人の王とである。

10 シディムの谷には多くの瀝青の穴が散在していたので、ソドムの王とゴモラの王は逃げたとき、その穴に落ち込み、残りの者たちは山のほうに逃げた。

11 そこで、彼らはソドムとゴモラの全財産と食糧全部を奪って行った。

12 彼らはまた、アブラムのおいのロトとその財産をも奪い去った。ロトはソドムに住んでいた。

13 ひとりの逃亡者が、ヘブル人アブラムのところに来て、そのことを告げた。アブラムはエモリ人マムレの樫の木のところに住んでいた。マムレはエシュコルとアネルの兄弟で、彼らはアブラムと盟約を結んでいた。

14 アブラムは自分の親類の者がとりこになったことを聞き、彼の家で生まれたしもべども三百十八人を召集して、ダンまで追跡した。

15 夜になって、彼と奴隷たちは、彼らに向かって展開し、彼らを打ち破り、ダマスコの北にあるホバまで彼らを追跡した。

16 そして、彼はすべての財産を取り戻し、また親類の者ロトとその財産、それにまた、女たちや人々をも取り戻した。

17 こうして、アブラムがケドルラオメルと、彼といっしょにいた王たちとを打ち破って帰って後、ソドムの王は、王の谷と言われるシャベの谷まで、彼らを迎えに出て来た。

18 さて、シャレムの王メルキゼデクはパンとぶどう酒を持って来た。彼はいと高き神の祭司であった。

19 彼はアブラムを祝福して言った。「祝福を受けよ。アブラム。天と地を造られた方、いと高き神より。あなたの手に、あなたの敵を渡された。いと高き神に、誉れあれ。」

20 あなたの手に、あなたの敵を渡されたいと高き神に、誉れあれ。」アブラムはすべての物の十分の一を彼に与えた。

21 ソドムの王はアブラムに言った。「人々は私に返し、財産はあなたが取ってください。」

22 しかし、アブラムはソドムの王に言った。「私は天と地を造られた方、いと高き神、主に誓う。

23 糸一本でも、くつひも一本でも、あなたの所有物から私は何一つ取らない。それは、あなたが、『アブラムを富ませたのは私だ』と言わないためだ。

24 ただ若者たちが食べてしまった物と、私といっしょに行った人々の分け前とは別だ。アネルとエシュコルとマムレには、彼らの分け前を取らせるように。」

創世記 13章

創世記 13章


1 それで、アブラムは、エジプトを出て、ネゲブに上った。彼と、妻のサライと、すべての所有物と、ロトもいっしょであった。

2 アブラムは家畜と銀と金とに非常に富んでいた。

3 彼はネゲブから旅を続けて、ベテルまで、すなわち、ベテルとアイの間で、初めに天幕を張った所まで来た。

4 そこは彼が以前に築いた祭壇の場所である。その所でアブラムは、主の御名によって祈った。

5 アブラムといっしょに行ったロトもまた、羊の群れや牛の群れ、天幕を所有していた。

6 その地は彼らがいっしょに住むのに十分ではなかった。彼らの持ち物が多すぎたので、彼らがいっしょに住むことができなかったのである。

7 そのうえ、アブラムの家畜の牧者たちとロトの家畜の牧者たちとの間に、争いが起こった。またそのころ、その地にはカナン人とペリジ人が住んでいた。

8 そこで、アブラムはロトに言った。「どうか私とあなたとの間、また私の牧者たちとあなたの牧者たちとの間に、争いがないようにしてくれ。私たちは、親類同士なのだから。

9 全地はあなたの前にあるではないか。私から別れてくれないか。もしあなたが左に行けば、私は右に行こう。もしあなたが右に行けば、私は左に行こう。」

10 ロトが目を上げてヨルダンの低地全体を見渡すと、主がソドムとゴモラを滅ぼす以前であったので、その地はツォアルのほうに至るまで、主の園のように、またエジプトの地のように、どこもよく潤っていた。

11 それで、ロトはそのヨルダンの低地全体を選び取り、その後、東のほうに移動した。こうして彼らは互いに別れた。

12 アブラムはカナンの地に住んだが、ロトは低地の町々に住んで、ソドムの近くまで天幕を張った。

13 ところが、ソドムの人々はよこしまな者で、主に対しては非常な罪人であった。

14 ロトがアブラムと別れて後、主はアブラムに仰せられた。「さあ、目を上げて、あなたがいる所から北と南、東と西を見渡しなさい。

15 わたしは、あなたが見渡しているこの地全部を永久にあなたとあなたの子孫とに与えよう。

16 わたしは、あなたの子孫を地のちりのようにならせる。もし人が地のちりを数えることができれば、あなたの子孫をも数えることができよう。

17 立って、その地を縦と横に歩き回りなさい。わたしがあなたに、その地を与えるのだから。」

18 そこで、アブラムは天幕を移して、ヘブロンにあるマムレの樫の木のそばに来て住んだ。そして、そこに主のための祭壇を築いた。

創世記 12章

創世記 12章


1 主はアブラムに仰せられた。「あなたは、あなたの生まれ故郷、あなたの父の家を出て、わたしが示す地へ行きなさい。

2 そうすれば、わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大いなるものとしよう。あなたの名は祝福となる。

3 あなたを祝福する者をわたしは祝福し、あなたをのろう者をわたしはのろう。地上のすべての民族は、あなたによって祝福されます。

4 アブラムは主がお告げになったとおりに出かけた。ロトも彼といっしょに出かけた。アブラムがハランを出たときは、七十五歳であった。

5 アブラムは妻のサライと、おいのロトと、彼らが得たすべての財産と、ハランで加えられた人々を伴い、カナンの地に行こうとして出発した。こうして彼らはカナンの地に入った。

6 アブラムはその地を通って行き、シェケムの場、モレの樫の木のところまで来た。当時、その地にはカナン人がいた。

7 そのころ、主がアブラムに現れ、そして、「あなたの子孫に、わたしはこの地を与える」と仰せられた。アブラムは自分に現れてくださった主のために、そこに祭壇を築いた。

8 彼はそこからベテルの東にある山の方に移動して天幕を張った。西にはベテル、東にはアイがあった。彼は主のために、そこに祭壇を築き、主の御名によって祈った。

9 それから、アブラムはなおも進んで、ネゲブのほうへと旅を続けた。

10 さて、この地にはききんがあったので、アブラムはエジプトのほうにしばらく滞在するために、下って行った。この地のききんは激しかったからである。

11 彼はエジプトに近づき、そこに入ろうとするとき、妻のサライに言った。「聞いておくれ。あなたが見目麗しい女だということを私は知っている。

12 エジプト人は、あなたを見るようになると、この女は彼の妻だと言って、私を殺すが、あなたは生かしておくだろう。

13 どうか、私の妹だと言ってくれ。そうすれば、あなたのおかげで私にも良くしてくれ、あなたのおかげで私は生きのびるだろう。」

14 アブラムがエジプトに入って行くと、エジプト人は、その女が非常に美しいのを見た。

15 パロの高官たちが彼女を見て、パロに彼女を推賞したので、彼女はパロの宮廷に召し入れられた。

16 パロは彼女のために、アブラムによくしてやり、それでアブラムは羊の群れ、牛の群れ、ろば、それに男女の奴隷、雌ろば、らくだを所有するようになった。

17 しかし、主はアブラムの妻サライのことで、パロとその家をひどい災害で痛めつけた。

18 そこでパロはアブラムを呼び寄せて言った。「あなたは私にいったい何ということをしたのか。なぜ彼女があなたの妻であることを告げなかったのか。

19 なぜ彼女があなたの妹だと言ったのか。だから、私は彼女を私の妻として召し入れていた。しかし、さあ今、あなたの妻を連れて行きなさい。」

20 パロはアブラムについて部下に命じた。彼らは彼を、彼の妻と、彼のすべての所有物とともに送り出した。

創世記 11章

創世記 11章


1 さて、全地は一つのことば、一つの話しことばであった。

2 そのころ、人々は東のほうから移動して来て、シヌアルの地に平地を見つけ、そこに定住した。

3 彼らは互いに言った。「さあ、れんがを作ってよく焼こう。」彼らは石の代わりにレンガを用い、粘土の代わりに瀝青を用いた。

4 そのうちに彼らはこう言うようになった。「さあ、われわれは町を建て、頂が天に届く塔を建て、名をあげよう。われわれが全地に散らされるといけないから。」

5 そのとき主は人間の建てた町と塔をご覧になるために降りて来られた。

6 主は仰せになった。「彼らがみな、一つの民、一つのことばで、このようなことをし始めたのなら、今や彼らがしようと思うことで、とどめられることはない。

7 さあ、降りて行って、そこでの彼らのことばを混乱させ、彼らが互いにことばが通じないようにしよう。」

8 こうして主は人々を、そこから地の全面に散らされたので、彼らはその町を建てるのをやめた。

9 それゆえ、その町の名はバベルと呼ばれた。主が全地のことばをそこで混乱させたから、すなわち、主が人々をそこから地の全面に散らしたからであす。

10 これはセムの歴史である。セムは百歳のとき、すなわち大洪水の二年後にアルパクシャデを生んだ。

11 セムはアルパクシャデを生んで後、五百年生き、息子、娘たちを生んだ。

12 アルパクシャデは三十五年生きて、シェラフを生んだ。

13 アルパクシャデはシェラフを生んで後、四百三年生き、息子、娘たちを生んだ。

14 シェラフは三十年生きて、エベルを生んだ。

15 シェラフはエベルを生んで後、四百三年生き、息子、娘たちを生んだ。

16 エベルは、三十四年生きて、ペレグを生んだ。

17 エベルはペレグを生んで後、四百三十年生き、息子、娘たちを生んだ。

18 ペレグは三十年生きて、レウを生んだ。

19 ペレグはレウを生んで後、二百九年生き、息子、娘たちを生んだ。

20 レウは三十二年生きて、セレグを生んだ。

21 レウはセレグを生んで後、二百七年生き、息子、娘たちを生んだ。

22 セレグは三十年生きて、ナホルを生んだ。

23 セレグはナホルを生んで後、二百年生き、息子、娘たちを生んだ。

24 ナホルは二十九年生きて、テラを生んだ。

25 ナホルはテルを生んでのち、百十九年生き、息子、娘たちを生んだ。

26 テラは七十年生きて、アブラムとナホルとハランを生んだ。

27 これはテラの歴史である。テラはアブラム、ナホル、ハランを生み、ハランはロトを生んだ。

28 ハランはその父テラの存命中、彼の生まれ故郷であるカルデヤ人のウルで死んだ。

29 アブラムとナホルは妻をめとった。アブラムの妻の名はサライであった。ハランはミルカの父で、またイスカの父であった。

30 サライは不妊の女で、子どもがなかった。

31 テラは、その息子アブラムと、ハランの子で自分の孫のロトと、息子のアブラムの妻である嫁のサライとを伴い、彼らはカナンの地に行くために、カルデヤ人のウルからいっしょに出かけた。しかし、彼らはハランまで来て、そこに住みついた。

32 テラの一生はニ百ご念であった。テラはハランで死んだ。

創世記 10章

創世記 10章


1 これはノアの息子、セム、ハム、ヤペテの歴史である。大洪水の後に、彼らに子どもが生まれた。

2 ヤペテの子孫は、ゴメル、マゴグ、マダイ、ヤワン、トバル、メシェク、ティラス。

3 ゴメルの子孫はアシュケナズ、リファテ、トガルマ。

4 ヤワンの子孫はエリシャ、タルシシュ、キティム人、ドダニム人。

5 これらから海沿いの国々が分かれ出て、その地方により、氏族ごとに、それぞれ国々の国語があった。

6 ハムの子孫はクシュ、ミツライム、プテ、カナン。

7 クシュの子孫はセバ、ハビラ、サブタ、ラマ、サブテカ、。ラマの子孫はシェバ、デダン。

8 クシュはニムロデを生んだ。ニムロデは地上で最初の権力者となった。

9 彼は主のおかげで、力ある猟師になったので、「主のおかげで、力ある猟師ニムロデのようだ」と言われるようになった。

10 彼の王国の初めは、バベル、エレク、アカデであって、みな、シヌアルの地にあった。

11 その地から彼は、アシュルに進出し、ニネベ、レホボテ・イル、ケラフ、

12 およびニネベとケラフとの間のレセンを建てた。それは大きな町であった。

13 ミツライムはルデ人、アナミム人、レハビム人、ナフトヒム人、

14 パテロス人、カスルヒム人—これからペリシテ人が出た—カフトル人を生んだ。

15 カナンは長子シドン、ヘテ、

16 エブス人、エモリ人、ギルガシ人、

17 ヒビ人、アルキ人、シニ人、

18 アルワデ人、ツェマリ人、ハマテ人を生んだ。その後、カナン人の諸氏族が分かれ出た。

19 それでカナン人の領土は、シドンからゲラルに向かってガザに至り、ソドム、ゴモラ、アデマ、ツェボイムに向かってレシャにまで及んだ。

20 以上が、その氏族、その国語ごとに、その地方、その国により示したハムの子孫である。

21 セムにも子が生まれた。セムはエベルのすべての子孫の先祖であって、ヤペテの兄であった。

22 セムの子孫はエラム、アシュル、アルパクシャデ、ルデ、アラム。

23 アラムの子孫はウツ、フル、ゲテル、マシュ。

24 アルパクシャデはシェラフを生み、シェラフはエベルを生んだ。

25 エベルにはふたりの男の子が生まれ、ひとりの名はペレグであった。彼の時代に地が分けられたからである。もうひとりの兄弟の名はヨクタンであった。

26 ヨクタンは、アルモダデ、シェレフ、ハツァルマベテ、エラフ、

27 ハドラム、ウザル、ディクラ、

28 オバル、アビマエル、シェバ、

29 オフィル、ハビラ、ヨバブを生んだ。これらはみな、ヨクタンの子孫であった。

30 彼らの定住地は、メシャからセファルに及ぶ東の高原地帯であった。

31 以上は、それぞれ氏族、国語、地方、国ごとに示したセムの子孫である。

32 以上が、その国々にいる、ノアの子孫の諸氏族の家系である。大洪水の後にこれらから、諸国の民が地上に分かれ出たのであった。
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創世記 9章

創世記 9章


1 それで、神はノアと、その息子たちを祝福して、彼らに仰せられた。「生めよ。ふえよ。地に満ちよ。

2 野の獣、空の鳥、—地の上を動くすべてのもの—それに海の魚、これらすべてはあなたがたを恐れておののこう。わたしはこれらをあなたがたにゆだねている。

3 生きて動いているものはみな、あなたがたの食物である。緑の草と同じように、すべてのものをあなたがたに与えた。

4 しかし、肉は、そのいのちである血のあるままで食べてはならない。

5 わたしはあなたGたのいのちのためには、あなたがたの血の値を要求する。わたしはどんな獣にでも、それを要求する。また人にも、兄弟である者にも、人のいのちを要求する。

6 人の血を流す者は、人によって、血を流される。神は人を神のかたちにお造りになったから。

7 あなたがたは生めよ。ふえよ。地に群がり、地にふえよ。」

8 神はノアと、彼といっしょにいる息子たちに告げて仰せられた。

9 「さあ、わたしはわたしの契約を立てよう。あなたがたと、そしてあなたがたの後の子孫と。

10 また、あなたがたといっしょにいるすべての生き物と。鳥、家畜、それにあなたがたといっしょにいるすべての野の獣、箱舟から出て来たすべてのもの、地のすべての生き物と。

11 わたしはあなたがたと契約を立てる。すべて肉なるものは、もはや大洪水の水では断ち切られない。もはや大洪水が地を滅ぼすようなことはない。」

12 さらに神は仰せられた。「わたしとあなたがた、およびあなたがたといっしょにいるすべての生き物との間に、わたしが代々永遠にわたって結ぶ契約のしるしは、これである。

13 わたしは雲の中に、わたしの虹を立てる。それはわたしと地との間の契約のしるしとなる。

14 わたしが地の上に雲を起こすとき。虹が雲の中に現れる。

15 わたしは、わたしとあなたがたとの間、およびすべて肉なる生き物との間の、わたしの契約を思い出すから、大水は、すべての肉なるものを滅ぼす大洪水とは決してならない。

16 虹が雲の中にあるとき、わたしはそれを見て、神と、すべての生き物、地上のすべての肉なるものとの間の永遠の契約を思い出そう。」

17 こうして神はノアに仰せられた。「これが、わたしと、地上のすべての肉なるものとの間に立てた契約のしるしである。」

18 箱舟から出て来たノアの息子たちは、セム、ハム、ヤペテであった。ハムはカナンの父である。

19 この三人がノアの息子で、彼らから全世界の民は分かれ出た。

20 さて、ノアは、ぶどう畑を作り始めた農夫であった。

21 ノアはぶどう酒を飲んで酔い、天幕の中で裸になっていた。

22 カナンの父ハムは、父の裸を見て、外にいるふたりの兄弟に告げた。

23 それでセムとヤペテは着物を取って、自分たちふたりの肩に掛け、うしろ向きに歩いて行って、父の裸をおおった。彼らは顔をそむけて、父の裸を見なかった。

24 ノアが酔いからさめ、末の息子が自分にしたことを知って、

25 言った。「のろわれよ。カナン。兄弟たちのしもべらのしもべとなれ。」

26 また言った。「ほめたたえよ。セムの神、主を。カナンは彼らのしもべとなれ。

27 神がヤペテを広げ、セムの天幕に住まわせるように。カナンは彼らのしもべとなれ。」

28 ノアは大洪水の後、三百五十年生きた。

29 ノアの一生は九百五十年であった。こうして彼は死んだ。

創世記 8章

創世記 8章


1 神は、ノアと、箱舟の中に彼といっしょにいたすべての獣や、すべての家畜とを心に留めておられた。それで、神が地の上に風を吹き過ぎさせると、水は引き始めた。

2 また、大いなる水の源と天の水門が閉ざされ、天からの大雨が、とどめられた。

3 そして、水は、しだいに地から引いていった。水は百五十日の終わりに減り始め、

4 箱舟は、第七の月の十七日に、アララテの山の上にとどまった。

5 水は第十の月まで、ますます減り続け、第十の月の一日に、山々の頂が現れた。

6 四十日の終わりになって、ノアは、自分の造った箱舟の窓を開き、

7 烏を放った。するとそれは、水が地からかわききるまで、出たり、戻ったりしていた。

8 また、彼は水が地の面から引いたかどうかを見るために、鳩を彼のもとから放った。

9 鳩は、その足を休める場所が見あたらなかったので、箱舟の彼のもとに帰ってきた。彼は手を差し伸べて鳩を捕らえ、箱舟の自分のところに入れた。

10 それからなお七日待って、再び鳩を箱舟から放った。

11 鳩は夕方になって、彼のもとに帰ってきた。すると見よ。むしり取ったばかりのオリーブの若葉がそのくちばしにあるではないか。それで、ノアは水が地から引いたのを知った。

12 それからなお、七日待って、彼は鳩を放った。鳩はもう彼のところに戻って来なかった。

13 ノアの生涯の第六百一年の第一の月の一日になって、水は地上からかわき始めた。ノアが、箱舟のおおいを取り去って、ながめると、見よ、地の面は、かわいていた。

14 第二の月の二十七日、地はかわききった。

15 そこで、神はノアに告げて仰せられた。

16 「あなたは、あなたの妻と、あなたの息子たちと、息子たちの妻といっしょに箱舟から出なさい。

17 あなたといっしょにいるすべての肉なるものの生き物、すなわち鳥や家畜や地をはうすべてのものを、あなたといっしょに連れ出しなさい。それらが地に群がり、地の上で生み、そしてふえるようにしなさい。」

18 そこで、ノアは、息子たちや彼の妻や、息子たちの妻といっしょに外に出た。

19 すべての獣、すべてのはうもの、すべての鳥、すべての地の上を動くものは、おのおのその種類にしたがって、箱舟から出て来た。

20 ノアは、主のために祭壇を築き、すべてのきよい家畜と、すべてのきよい鳥のうちから幾つかを選び取って、祭壇の上で全焼のいけにえをささげた。

21 主は、そのなだめのかおりをかがれ、主は心の中でこう仰せられた。「わたしは、決して再び人のゆえに、この地をのろうことはすまい。人の心の思い計ることは、初めから悪であるからだ。わたしは、決して再び、、わたしがしたように、すべての生き物を打ち滅ぼすことはすまい。

22 地の続くかぎり、種蒔きと刈り入れ、寒さと暑さ、夏と冬、昼と夜とは、やむことはない。」

創世記 7章

創世記 7章


1 主はノアに仰せられた。「あなたとあなたの全家族とは、箱舟に入りなさい。あなたがこの時代にあって、わたしの前に正しいのを、わたしが見たからである。

2 あなたは、すべてのきよい動物の中から雄と雌、七つがいずつ、きよくない動物の中から雄と雌、一つがいづつ、

3 また空の鳥の中からも雄と雌、七つがいずつを取りなさい。それはその種類が全地の面で生き残るためである。

4 それは、あと七日たつと、わたしは、地の上に四十日四十夜、雨を降らせ、わたしが造ったすべての生き物を地の面から消し去るからである。」

5 ノアは、すべて主が命じられたとおりにした。

6 大洪水が起こり、大水が地の上にあったとき、ノアは六百歳であった。

7 ノアは、自分の息子たちや自分の妻、それえに息子たちの妻といっしょに、大洪水の大水を避けるために箱舟に入った。

8 きよい動物、きよくない動物、鳥、地をはうすべてのものの中から、

9 神がノアに命じられたとおり、雄と雌二匹ずつが箱舟の中のノアのところに入って来た。

10 それから七日たって大洪水の大水が地の上に起こった。

11 ノアの生涯の六百年目の第二の月の十七日、その日に、巨大な大いなる水の源が、ことごとく張り裂け、天の水門が開かれた。

12 そして、大雨は、四十日四十夜、地の上に降った。

13 ちょうどその同じ日に、ノアは、ノアの息子たちセム、ハム、ヤペテ、またノアの妻と息子たちの三人の妻といっしょに箱舟に入った。

14 彼らといっしょにあらゆる種類の獣、あらゆる種類の家畜、あらゆる種類の地をはうもの、あらゆる種類の鳥、翼のあるすべてのものがみな、入った。

15 こうして、いのちの息のあるすべての肉なるものが、二匹ずつ箱舟の中のノアのところに入った。

16 入ったものは、すべての肉なるものの雄と雌であって、神がノアに命じられたとおりであった。それから、主は、彼のうしろの戸を閉ざされた。

17 それから、大洪水が、四十日間、地の上にあった。水かさが増していき。箱舟を押し上げたので、それは地から浮かび上がった。

18 水はみなぎり、地の上に大いに増し、箱舟は水面を漂った。

19 水は、いよいよ地の上に増し加わり、天の下にあるどの高い山々も、すべておおわれた。

20 水は、その上さらに十五キュビト増し加わったので、山々はおおわれてしまった。

21 こうして地の上を動いていたすべての肉なるものは、鳥も家畜も獣も地に群生するすべてのものも、またすべての人も死に絶えた。

22 いのちの息を吹き込まれたもので、かわいた地の上にいたものはみな死んだ。

23 こうして、主は地上のすべての生き物を、人をはじめ、動物、はうもの、空の鳥に至るまで消し去った。それらは、地から消し去られた。ただノアと、彼といっしょに箱舟にいたものたちだけが残った。

24 水は、百五十日間、地の上にふえ続けた。

創世記 6章

創世記 6章


1 さて、人が地上にふえ始め、彼らに娘たちが生まれたとき、

2 神の子らは、人の娘たちが、いかにも美しいのを見て、その中から好きな者を選んで、自分たちの妻とした。

3 そこで、主は、「わたしの霊は、永久には人のうちにとどまらないであろう。それは人が肉にすぎないからだ。それで人の齢は、百二十年にしよう」と仰せられた。

4 神の子らが、人の娘たちのところに入り、彼らに子どもができたころ、またその後にも、ネフィリムが地上にいた。これらは、昔の勇士であり、名のある者たちであった。

5 主は、地上に人の悪が増大し、その心に計ることがみな、いつも悪いことだけに傾くのをご覧になった。

6 それで主は、地上に人を造ったことを悔やみ、心を痛められた。

7 そして主は仰せられた。「わたしが創造した人を地の面から消し去ろう。人をはじめ、家畜やはうもの、空の鳥に至るまで。わたしは、これらを造ったことを残念に思うからだ。」

8 しかし、ノアは、主の心にかなっていた。

9 これはノアの歴史である。ノアは、正しい人であって、その時代にあっても、全き人であった。ノアは神とともに歩んだ。

10 ノアは三人の息子、セム、ハム、ヤペテを生んだ。

11 地は、神の前に堕落し、地は、暴虐で満ちていた。

12 神が地をご覧になると、実に、それは、堕落していた。すべての肉なるものが、地上でその道を乱していたからである。

13 そこで、神はノアに仰せられた。「すべての肉なるものの終わりが、わたしの前に来ている。地は、彼らのゆえに、暴虐で満ちているからだ。それで今わたしは、彼らと地とともに滅ぼそうとしている。

14 あなたは自分のために、ゴフェルの木の箱舟を造りなさい。箱舟に部屋を作り、内と外とを木のやにで塗りなさい。

15 それを次のようにして造りなさい。箱舟の長さは三百キュビト。その幅は五十キュビト。その高さは三十キュビト。

16 箱舟に天窓を作り、上部から一キュビト以内にそれを仕上げなさい。また、箱舟の戸口をその側面に設け、一階と二階と三階にそれを作りなさい。

17 わたしは今、いのちの息あるすべての肉なるものを、天の下から滅ぼすために、地上の大水、大洪水を起こそうとしている。地上のすべてのものは死に絶えなければならない。

18 しかし、わたしは、あなたと契約を結ぼう。あなたは、あなたの息子たち、あなたの妻、それにあなたの息子たちの妻といっしょに箱舟に入りなさい。

19 またすべての生き物、すべての肉なるものの中から、それぞれ二匹ずつ箱舟に連れて入り、あなたといっしょに生き残るようにしなさい。それらは、雄と雌でなければならない。

20 また、各種類の鳥、各種類の動物、各種類の地をはうものすべてのうち、それぞれ二匹ずつが、生き残るために、あなたのところに来なければならない。

21 あなたは、食べられるあらゆる食糧を取って、自分のところに集め、あなたとそれらの動物との食物としなさい。」

22 ノアは、すべて神が命じられたとおりにし、そのように行った。

創世記 4章

創世記 4章


1 人は、その妻エバを知った。彼女はみごもってカインを産み、「私は、主によってひとりの男子を得た」と言った。

2 彼女は、それからまた、弟アベルを産んだ。アベルは羊を飼う者となり、カインは土を耕す者となった。

3 ある時期になって、カインは、地の作物から主へのささげ物を持って来たが、

4 アベルもまた彼の羊の初子の中から、それも最上のものを持って来た、主はアベルとそのささげ物とに目を留められた。

5 だが、カインとそのささげ物には目を留められなかった。それで、カインはひどく怒り、顔を伏せた。

6 そこで、主は、カインに仰せられた。「なぜ、あなたは憤っているのか。なぜ、顔を伏せているのか。

7 あなたは正しく行ったのであれば、受け入れられる。ただし、あなたが正しく行っていないのなら、罪は戸口で待ち伏せして、あなたを恋い慕っている。だが、あなたは、それを治めるべきである。」

8 しかし、カインはアベルに話しかけた、「野に行こうではないか。」そして、ふたりが野にいたとき、カインは弟アベルに襲いかかり、彼を殺した。

9 主はカインに、「あなたの弟アベルは、どこにいるのか」と問われた。カインは答えた。「知りません。私は、自分の弟の番人なのでしょうか。」

10 そこで、仰せられた。「あなたは、いったいなんということをしたのか。聞け。あなたの弟の血が、その土地からわたしに叫んでいる。

11 今や、あなたはその土地にのろわれてりう。その土地は口を開いてあなたの手から、あなたの弟の血を受けた。

12 それで、あなたがその土地を耕しても、土地はもはや、あなたのためにその力を生じない。あなたは地上をさまよい歩くさすらい人となるのだ。」

13 カインは主に申し上げた。「私の咎は、大きすぎて、にないきれません。

14 ああ、あなたはきょう私をこの土地から追い出されたので、私はあなたの御顔から隠れ、地上をさまよい歩くさすらい人とならなければなりません。それで、私に出会う者はだれでも、私を殺すでしょう。」

15 主は彼に仰せられた。「それだから、だれでもカインを殺す者は、七倍の復讐を受ける。」そこで主は、彼に出会う者が、だれも彼を殺すことのないように、カインに一つのしるしを下さった。

16 それで、カインは、主の前から去って、エデンの東、ノデの地に住みついた。

17 カインはその妻を知った。彼女はみごもり、エノクを産んだ。カインは町を建てていたので、自分の子の名にちなんで、その町にエノクという名をつけた。

18 エノクにはイラデが生まれた。イラデにはメフヤエルが生まれ、メフヤエルにはメトシャエルが生まれ、メトシャエルにはレメクが生まれた。

19 レメクはふたりの妻をめとった。ひとりの名はアダ、他のひとりの名はツィラであった。

20 アダはヤバルを産んだ。ヤバルは天幕に住む者、家畜を飼う者の先祖となった。

21 その弟の名はユバルであった。彼は立琴と笛を巧みに奏するすべての者の先祖となった。

22 ツィラもまた、トバル・カインを産んだ。彼は青銅と鉄のあらゆる用具の鍛冶屋であった。トバル・カインの妹は、ナアマであった。

23 さて、レメクはその妻たちに言った。「アダとツィラよ。私の声を聞け。レメクの妻たちよ。私の言うことに耳を傾けよ。私の受けた傷のためには、ひとりの人を、私の受けた打ち傷のためには、ひとりの若者を殺した。

24 カインに七倍の復讐があれば、レメクには七十七倍。」

25 アダムは、さらに、その妻を知った。彼女は男の子を産み、その子をセツと名づけて言った。「カインがアベルを殺したので、彼の代わりに、神は私にもうひとりの子を授けられたから。」

26 セツにもまた男の子が生まれた。彼は、その子をエノシュと名づけた。人々は主の御名によって祈ることを始めた。

創世記 5章

創世記 5章


1 これはアダムの歴史の記録である。神は人を創造されたとき、神に似せて彼を造られ、

2 男と女とに彼らを創造された。彼らが創造された日に、神は彼らを祝福して、その名を人と呼ばれた。

3 アダムは、百三十年生きて、彼に似た、彼のかたちどおりの子を生んだ。彼はその子をセツと名づけた。

4 アダムはセツを生んで後、八百年生き、息子、娘たちを生んだ。

5 アダムは全部で九百三十年生きた。こうして彼は死んだ。

6 セツは百五年生きて、エノシュを生んだ。

7 セツはエノシュを生んで後、八百七年生き、息子、娘たちを生んだ。

8 セツの一生は九百十二年であった。こうして彼は死んだ。

9 エノシュは九十年生きて、ケナンを生んだ。

10 エノシュはケナンを生んで後、八百十五年生き、息子、娘たちを生んだ。

11 エノシュの一生は九百五年であった。こうして彼は死んだ。

12 ケナンは七十年生きて、マハラルエルを生んだ。

13 ケナンはマハラルエルを生んで後、八百四十年生き、息子、娘たちを生んだ。

14 ケナンの一生は九百十年であった。こうして彼は死んだ。

15 マハラルエルは六十五年生きて、エレデを生んだ。

16 マハラルエルはエレデを生んで後、八百三十年生き、息子、娘たちを生んだ。

17 マハラルエルの一生は八百九十五年であった。こうして彼は死んだ。

18 エレデは百六十二年生きて、エノクを生んだ。

19 エレデはエノクを生んで後、八百年生き、息子、娘たちを生んだ。

20 エレデの一生は九百六十二年であった。こうして彼は死んだ。

21 エノクは六十五年生きて、メトシェラを生んだ。

22 エノクはメトシェラを生んで後、三百年、神とともに歩んだ。そして、息子、娘たちを生んだ。

23 エノクの一生は三百六十五年であった。

24 エノクは神とともに歩んだ。神が彼を取られたので、彼はいなくなった。

25 メトシェラは百八十七年生きて、レメクを生んだ。

26 メトシェラはレメクを生んで後、七百八十二年生き、息子、娘たちを生んだ。

27 メトシェラの一生は九百六十九年であった。こうして彼は死んだ。

28 レメクは百八十二年生きて、ひとりの男の子を生んだ。

29 彼はその子をノアと名づけて言った。「主がこの地をのろわれたゆえに、私たちは働き、この手で苦労しているが、この私たちに、この子は慰めを与えてくれるであろう。」

30 レメクはノアを生んで後、五百九十五年生き、息子、娘たちを生んだ。

31 レメクの一生は七百七十七年であった。こうして彼は死んだ。

32 ノアが五百歳になったとき、ノアはセム、ハム、ヤペテを生んだ。

創世記 3章

創世記 3章


1 さて、神である主が造られたあらゆる野の獣のうちで、蛇が一番狡猾であった。蛇は女に言った。「あなたがたは、園のどんな木からも食べてはならない、と神は、ほんとうに言われたのですか。」

2 女は蛇に言った。「私たちは、園にある木の実を食べてよいのです。

3 しかし、園の中央にある木の実について、神は、『あなたがたは、それを食べてはならない。それに触れてもいけない。あなたがたが死ぬといけないからだ』と仰せになりました。」

4 そこで、蛇は女に言った。「あなたがたは決して死にません。

5 あなたがたがそれを食べるその時、あなたがたの目が開け、あなたがたが神のようになり、善悪を知るようになることを神は知っているのです。」

6 そこで女が見ると、その木は、まことに食べるのに良く、目に慕わしく、賢くするというその木はいかにも好ましかった。それで女はその実を取って食べ、いっしょにいた夫にも与えたので、夫も食べた。

7 このようにして、ふたりの目は開かれ、それで彼らは自分たちが裸であることを知った。そこで、彼らは、いちじくの葉をつづり合わせて、自分たちの腰のおおいを作った。

8 そよ風の吹くころ、彼らは園を歩き回られる神である主の声を聞いた、それで人とその妻は、神である主の御顔を避けて園の木の間に身を隠した。

9 神である主は、人に呼びかけ、彼に仰せられた。「あなたは、どこにいるのか。」

10 彼は答えた。「私は園で、あなたの声を聞きました。それで私は裸なので、恐れて、隠れました。」

11 すると、仰せになった。「あなたが裸であるのを、だれがあなたに教えたのか。あなたは、食べてはならない、と命じておいた木から食べたのか。」

12 人は言った。「あなたが私のそばに置かれたこの女が、あの木から取って私にくれたので、私は食べたのです。」

13 そこで、神である主は女に仰せられた。「あなたは、いったいなんということをしたのか。」女は答えた。「蛇が私を惑わしたのです。それで私は食べたのです。」

14 神である主は蛇に仰せられた。「おまえが、こんな事をしたので、おまえは、あらゆる家畜、あらゆる野の獣よりものろわれる。おまえは、一生、腹ばいで歩き、ちりを食べなければならない。

15 わたしは、おまえと女との間に、また、お前の子孫と女の子孫との間に、敵意を置く。彼は、お前の頭を砕き、おまえは、彼のかかとにかみつく。」

16 女にはこう仰せられた。「わたしは、あなたのうめきと苦しみを大いに増す。あなたは、苦しんで子を産まなければならない。しかも、あなたは夫を恋い慕うが、彼は、あなたを支配することになる。」

17 また、人に仰せられた。「あなたが、妻の声に聞き従い、食べてはならないとわたしが命じておいた木から食べたので、土地は、あなたのゆえにのろわれてしまった。あなたは、一生、苦しんで食を得なければならない。

18 土地は、あなたのために、いばらとあざみを生えさせ、あなたは、野の草を食べなければならない。

19 あなたは、顔に汗を流して糧を得、ついに、あなたは土に帰る。あなたはそこから取られたのだから。あなたはちりだから、ちりに帰らなければならない。」

20 さて、人は、その妻の名をエバと呼んだ。それは、彼女がすべて生きているものの母であったからである。

21 神である主は、アダムとその妻のために、皮の衣を作り、彼らに着せてくださった。

22 神である主は仰せられた。「見よ。人はわれわれのひとりのようになり、善悪を知るようになった。今、彼が、手を伸ばし、いのちの木からも取って食べ、永遠に生きないように。」

23 そこで神である主は、人をエデンの園から追い出されたので、人は自分がそこから取り出された土を耕すようになった。

24 こうして、神は人を追放して、いのちの木への道を守るために、エデンの園の東に、ケルビムと輪を描いて回る炎の剣を置かれた。

創世記 2章

創世記 2章


1 こうして、天と地とそのすべての万象が完成された。

2 神は第七日目に、なさっていたわざの完成を告げられた。すなわち第七日目に、なさっていたすべてのわざを休まれた。

3 神は第七日目を祝福し、この日を聖であるとされた。それは、その日に、神がなさっていたすべての創造のわざを休まれたからである。

4 これは天と地が創造されたときの経緯である。神である主が地と天を造られたとき、

5 地には、まだ一本の野の潅木もなく、まだ一本の野の草も芽を出していなかった。それは、神である主が地上に雨を降らせず、土地を耕す人もいなかったからである。

6 ただ、水が地から湧き出て、土地の全面を潤していた。

7 神である主は土地のちりで人を形造り、その鼻にいのちの息を吹き込まれた。そこで人は生きものとなった。

8 神である主は東の方エデンに園を設け、そこに主の形造った人を置かれた。

9 神である主は、その土地から、見るからに好ましく食べるのに良いすべての木を生えさせた。園の中央には、いのちの木、それから善悪の知識の木を生えさせた。

10 一つの川が、この園を潤すため、エデンから出ており、そこから分かれて、四つの源となっていた。

11 第一のものの名はピション。それはハビラの全土を巡って流れる。そこには金があった。

12 その地の金は、良質で、また、そこにはベドラハとしまめのうもあった。

13 第二の川の名はギホン。それはクシュの全土を巡って流れる。

14 第三の川の名はティグリス。それはアシュルの東を流れる。第四の川、それはユーフラテスである。

15 神である主は人を取り、エデンの園に置き、そこを耕させ、またそこを守らせた。

16 神である主は人に命じて仰せられた。「あなたは、園のどの木からでも思いのまま食べてよい。

17 しかし、善悪の知識の木からは取って食べてはならない。それを取って食べるとき、あなたは必ず死ぬ。」

18 神である主は仰せられた。「人が、ひとりでいるのは良くない。わたしは彼のために、彼にふさわしい助け手を造ろう。」

19 神である主は土からあらゆる野の獣と、あらゆる空の鳥を形造り、それにどんな名を彼がつけるか見るために、人のところに連れて来られた。人が生き物につける名はみな、それがその名となった。

20 人はすべての家畜、空の鳥、野のあらゆる獣に名をつけた。しかし人には、ふさわしい助け手が見つからなかった。

21 神である主は深い眠りをその人に下されたので、彼は眠った。そして、彼のあばら骨を一つ取り、そのところの肉をふさがれた。

22 神である主は、人から取ったあばら骨をひとりの女を造り上げ、その女を人のところに連れて来られた。

23 人は言った。「これこそ、今や、私の骨からの骨、私の肉からの肉。これを女と名づけよう。これは男から取られたのだから。」

24 それゆえ男はその父母を離れ、妻と結び合い、ふたりは一体となるのである。

25 人とその妻は、ふたりとも裸であったが、互いに恥ずかしいとは思わなかった。

創世記 1章

創世記 1章


1 初めに、神が天と地を創造した。

2 地は茫漠として何もなかった。やみが大水の上にあり、神の霊が水の上を動いていた。

3 神は仰せられた。「光あれ。」すると光があった。

4 神は光を見て良しとされた。神は光とやみを区別された。

5 神は光を昼と名づけ、やみを夜と名づけられた。夕があり、朝があった。第一日。

6 神は仰せられた。「大空の水の真っただ中にあれ。水と水との間に区別があれ。」

7 神は大空を造り、大空の下の水と、大空の上の水とを区別された。そのようになった。

8 神は大空を天と名づけられた。夕があり、朝があった。第二日。

9 神は仰せられた。「天の下の水が一所に集まれ。かわいた所が現れよ。」そのようになった。

10 神はかわいた所を地と名づけ、水の集まった所を海と名づけられた。神はそれを見て良しとされた。

11 神は仰せられた。「地が植物、すなわち種を生じる草やその中に種がある身を結ぶ果樹を、種類にしたがって、地の上に芽ばえさせよ。」そのようになった。

12 地は植物、すなわち種を生じる草を、種類にしたがって、またその中に種がある実を結ぶ木を、種類にしたがって生じさせた。神はそれを見て良しとされた。

13 夕があり、朝があった。第三日。

14 神は仰せられた。「光る物が天の大空にあって、昼と夜とを区別せよ。しるしのため、季節のため、日のため、年のためにあれ。

15 また天の大空で光る物となり、地上を照らせ。」そのようになった。

16 神は二つの大きな光る物を造られた。大きいほうの光る物には昼をつかさどらせ、小さいほうの光る物には夜をつかさどらせた。また星を造られた。

17 神はそれらを天の大空に置き、地上を照らさせ、

18 また昼と夜とをつかさどり、光とやみとを区別するようにされた。神はそれを見て良しとされた。

19 夕があり、朝があった。第四日。

20 神は仰せられた。「水には生き物が群がれ。鳥が地の上、天の大空を飛べ。」

21 神は、海の巨獣と、種類にしたがって、水に群がりうごめくすべての生き物と、種類にしたがって、翼のあるすべての鳥を創造された。神はそれを見て良しとされた。

22 神はそれらを祝福して仰せられた。「生めよ。ふえよ。海の水に満ちよ。また鳥は地にふえよ。」

23 夕があり、朝があった。第五日。

24 神は仰せられた。「地が、種類にしたがって、生き物を生ぜよ。家畜や、はうもの、野の獣を、種類にしたがって。」そのようになった。

25 神は、種類にしたがって野の獣を、種類にしたがって家畜を、種類にしたがって地のすべてのはうものを造られた。神はそれを見て良しとされた。

26 神は仰せられた。「さあ人を造ろう。われわれのかたちとして、われわれに似せて。彼らが、海の魚、空の鳥、家畜、地のすべてのもの、地をはうすべてのものを支配するように。」

27 神は人をご自身のかたちとして創造された。神のかたちとして彼を創造し、男と女とに彼らを創造された。

28 神は彼らを祝福された。神は彼らに仰せられた。「生めよ。ふえよ。地を満たせ。地を従えよ。海の魚、空の鳥、地をはうすべての生き物を支配せよ。」

29 神は仰せられた。「見よ。わたしは、全治の上にあって、種を持つすべての草と、種を持って実を結ぶすべての木をあなたがたに与える。それがあなたがたの食物となる。

30 また、地のすべての獣、空のすべての鳥、地をはうすべてのもので、いのちの息のあるもののために、食物として、すべての緑の草を与える。」

31 神はお造りになったすべてのものを見られた。見よ。それは非常に良かった。夕があり、朝があった。第六日。

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