2010年12月17日金曜日

マタイの福音書 4章

マタイの福音書 4章


1 さて、イエスは、悪魔の試みを受けるため、御霊に導かれて荒野に上って行かれた。

2 そして、四十日四十夜断食したあとで、空腹を覚えられた。

3 すると、試みる者が近づいて来て言った。「あなたが神の子なら、この石がパンになるように、命じなさい。」

4 イエスは答えて言われた。「『人はパンだけで生きるのではなく、神の口から出る一つ一つのことばによる』と書いてある。」

5 すると、悪魔はイエスを聖なる都に連れて行き、神殿の頂に立たせて、

6 言った。「あなたが神の子なら、下に身を投げてみなさい。『神は御使いたちに命じて、その手にあなたをささえさせ、あなたの足が石に打ち当たることのないようにされる』と書いてありますから。」

7 イエスは言われた。「『あなたの神である主を試みてはならない』とも書いてある。」

8 今度は悪魔は、イエスを非常に高い山に連れて行き、この世のすべての国々と栄華を見せて、

9 言った。「もしひれ伏して私を拝むなら、これを全部あなたに差し上げましょう。」

10 イエスは言われた。「引き下がれ、サタン。『あなたの神である主を拝み、主にだけ仕えよ』と書いてある。」

11 すると悪魔はイエスを離れて行き、見よ、御使いたちが近づいて来て仕えた。

12 ヨハネが捕えられたと聞いてイエスは、ガリラヤへ立ちのかれた。

13 そしてナザレを去って、カペナウムに来て住まわれた。ゼブルンとナフタリとの境にある、湖のほとりの町である。

14 これは、預言者イザヤを通して言われた事が、成就するためであった。すなわち、

15 「ゼブルンの地とナフタリの地、湖に向かう道、ヨルダンの向こう岸、異邦人のガリラヤ。

16 暗やみの中に座っていた民は偉大な光を見、死の地と死の陰にすわっていた人々に、光が上った。」

17 この時から、イエスは宣教を開始して、言われた。「悔い改めなさい。天の御国が近づいたから。」

18 イエスがガリラヤ湖のほとりを歩いておられたとき、ふたりの兄弟、ペテロと呼ばれるシモンとその兄弟アンデレをご覧になった。彼らは湖で網を打っていた。漁師だったからである。

19 イエスは彼らに言われた。「わたしについて来なさい。あなたがたを、人間をとる漁師にしてあげよう。」

20 彼らはすぐに網を捨てて従った。

21 そこからなお行かれると、イエスは、別のふたりの兄弟、ゼベダイの子ヤコブとその兄弟ヨハネが、父ゼベダイといっしょに舟の中で網を繕っているのをご覧になり、ふたりをお呼びになった。

22 彼らはすぐに舟も父も残してイエスに従った。

23 イエスはガリラヤ全土を巡って、会堂で教え、御国の福音を宣べ伝え、民の中のあらゆる病気、あらゆるわずらいを直された。

24 イエスのうわさはシリヤ全体に広まった。それで人々は、さまざまな病気や痛みに苦しむ病人、悪霊につかれた人、てんかんの人、中風の人などをみな、みもとに連れて来た。イエスは彼らをいやされた。

25 こうしてガリラヤ、デカポリス、エルサレム、ユダヤおよびヨルダンの向こう岸から大ぜいの群集がイエスにつき従った。

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