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2010年5月17日月曜日

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創世記50章

創世記 50章

創世記 50章


1 ヨセフは父の顔に取りすがって泣き、父に口づけした。

2 ヨセフは彼のしもべである医者たちに、父をミイラにするように命じたので、医者たちはイスラエルをミイラにした。

3 そのために四十日を要した。ミイラにするにはこれだけの日数が必要だった。エジプトは彼のために七十日間、泣き悲しんだ。

4 その喪の期間が明けたとき、ヨセフはパロの家の者に告げて言った。「もし私の願いを聞いてくれるのなら、どうかパロの耳に、こう言って伝えてほしい。

5 私の父は私に誓わせて、『私は死のうとしている。私がカナンの地に掘っておいた私の墓の中に、そこに、必ず私を葬らなければならない』と申しました。どうか今、私に父を葬りに上って行かせてください。私はまた帰って来ます、と。」

6 パロは言った。「あなたの父があなたに誓わせたように、上って行ってあなたの父を葬りなさい。」

7 そこで、ヨセフは父を葬るために上って行った。彼とともにパロのすべての家臣たち、パロの家の長老たち、エジプトの国のすべての長老たち、

8 ヨセフの全家族とその兄弟たちおよび父の家族たちも上って行った。ただ、彼らの子どもと羊と牛はゴシェンの地に残した。

9 また戦車と騎兵も、彼とともに上って行ったので、その一団は非常に大きなものであった。

10 彼らはヨルダンの向こうの地ゴレン・ハアタデに着いた。そこで彼らは非常に荘厳な、りっぱな哀悼の式を行い、ヨセフは父のために七日間、葬儀を行った。

11 その地の住民のカナン人は、ゴレン・ハアタデのこの葬儀を見て、「これはエジプトの荘厳な葬儀だ」と言った。それゆえ、そこの名はアベル・ミツライムと呼ばれた。これはヨルダンの向こうの地にある。

12 こうしてヤコブの子らは、命じられたとおりに父のために行った。

13 その子らは彼をカナンの地に運び、マクペラの畑地のほら穴に彼を葬った。そこはアブラハムがヘテ人エフロンから私有の墓地とするために、畑地とともに買ったもので、マムレに面している。

14 ヨセフは父を葬って後、その兄弟たちおよび、父を葬るために彼といっしょに上って行ったすべての者とともに、エジプトに帰った。

15 ヨセフの兄弟たちが、彼らの父が死んだのを見たとき、彼らは、「ヨセフはわれわれを恨んで、われわれが彼に犯したすべての悪の仕返しをするかもしれない」と言った。

16 そこで彼らはことづけしてヨセフに言った。「あなたの父は死ぬ前に命じて言われました。

17 『ヨセフにこうい言いなさい。あなたの兄弟たちは実に、あなたに悪いことをしたが、どうか、あなたの兄弟たちのそむきと彼らの罪を赦してやりなさい、と。』今、どうか、あなたの父の神のしもべたちのそむきを赦してください。」ヨセフは彼らのこのことばを聞いて泣いた。

18 彼の兄弟たちも来て、彼の前にひれ伏して言った。「私たちはあなたの奴隷です。」

19 ヨセフは彼に言った。「恐れることはありません。どうして、私が神の代わりでしょうか。

20 あなたがたは、私に悪を計りましたが、神はそれを、良いことのための計らいとなさいました。それはきょうのようにして、多くの人々を生かしておくためでした。

21 ですから、もう恐れることはありません。私は、あなたがたや、あなたがたの子どもたちを養いましょう。」こして彼は彼らを慰め、優しく語りかけた。

22 ヨセフとその父の家族とはエジプトに住み、ヨセフは百十歳まで生きた。

23 ヨセフはエフライムの三代の子孫を見た。マナセの子マキルの子らも生まれて、ヨセフのひざに抱かれた。

24 ヨセフは兄弟たちに言った。「私は死のうとしている。神は必ずあなたがたを顧みて、この地からアブラハム、イサク、ヤコブに誓われた地へ上らせてくださいます。」

25 そうして、ヨセフはイスラエルの子らに誓わせて、「神は必ずあなたがたを顧みてくださるから、そのとき、あなたがたは私の遺体をここから携え上ってください」と言った。

26 ヨセフは百十歳で死んだ。彼らはヨセフをエジプトでミイラにし、棺に納めた。

創世記 49章

創世記 49章


1 ヤコブはその子らを呼び寄せて言った。「集まりなさい。私は終わりの日に、あなたがたに起こることを告げよう。

2 ヤコブの子らよ。集まって聞け。あなたがたの父イスラエルに聞け。

3 ルベンよ。あなたはわが長子。わが力、わが力の初めの実。すぐれた威厳とすぐれた力のある者。

4 だが、水のように奔放なので、もはや、あなたは他をしのぐことがない。あなたは父の床に上り、そのとき、あなたは汚したのだ。―彼は私の寝床に上った―

5 シメオンとレビの兄弟、彼らの剣は暴虐の道具。

6 わがたましいよ。彼らの仲間に加わるな。わが心よ。彼らのつどいに連なるな。彼らは怒りにまかせて人を殺し、ほしいままに牛の足の筋を切ったから。

7 のろわれよ、彼らの激しい怒りと、彼らのはなはだしい憤りとは。私は彼らをヤコブの中で分け、イスラエルの中に散らそう。

8 ユダよ。兄弟たちはあなたをたたえ、あなたの手は敵のうなじの上にあり、あなたの父の子らはあなたを伏し拝む。

9 ユダは獅子の子。わが子よ。あなたは獲物によって成長する。雄獅子のように、また雌獅子のように、彼はうずくまり、身を伏せる。だれがこれを起こすことができようか。

10 王権はユダを離れず、統治者の杖はその足の間を離れることはない。ついにはシロが来て、国々の民は彼に従う。

11 彼はそのろばをぶどうの木につなぎ、その雌ろばの子を、良いぶどうの木につなぐ。彼はその着物を、ぶどう酒で洗い、その衣をぶどうの血で洗う。

12 その目はぶどう酒によって曇り、その歯は乳によって白い。

13 ゼブルンは海辺に住み、そこは船の着く岸辺。その背中はシドンにまで至る。

14 イッサカルはたくましいろばで、彼は二つの鞍袋の間に伏す。

15 彼は、休息がいかにも好ましく、その地が、いかにも麗しいのを見た。しかし、彼の肩は重荷を負ってたわみ、苦役を強いられる奴隷となった。

16 ダンはおのれの民をさばくであろう、イスラエルのほかの部族のように。

17 ダンは、道のかたわらの蛇、小道のほとりのまむしとなって、馬のかかとをかむ。それゆえ、乗る者はうしろに落ちる。

18 主よ。私はあなたの救いを待ち望む。

19 ガドについては、襲う者が彼を襲うが、彼はかえって彼らのかかとを襲う。

20 アシェルには、その食物が豊かになり、彼の王のごちそうを作り出す。

21 ナフタリは放たれた雌鹿で、美しい子鹿を産む。

22 ヨセフは実を結ぶ若枝、泉のほとりの実を結ぶ若枝、その枝は垣を越える。

23 弓を射る者は彼を激しく攻め、彼を射て、悩ました。

24 しかし、彼の弓はたるむことなく、彼の腕はすばやい。これはヤコブの全能者の手により、それはイスラエルの岩なる牧者による。

25 あなたを助けようとされるあなたの父の神により、また、あなたを祝福しようとされる全能者によって。その祝福は上よりの天の祝福、下に横たわる大いなる水の祝福、乳房と胎の祝福。

26 あなたの父の祝福は、私の親たちの祝福にまさり、永遠の丘のきわみにまで及ぶ。これらがヨセフのかしらの上にあり、その兄弟たちから選び出された者の頭上にあるように。

27 ベニヤミンはかみ裂く狼。朝には獲物に食らい、夕には略奪したものを分ける。」

28 これらすべてはイスラエルの部族で、十二であった。これは彼らの父が彼らに語ったことである。彼は彼らを祝福したとき、おのおのにふさわしい祝福を与えたのであった。

29 彼はまた彼らに命じて言った。「私は私の民に加えられようとしている。私をヘテ人エフロンの畑地にあるほら穴に、私の先祖たちといっしょに葬ってくれ。

30 そのほら穴は、カナンの地のマレムに面したマクベラの畑地にあり、アブラハムがヘテ人エフロンから買い取ったものだ。

31 そこには、アブラハムとその妻サラとが葬られ、そこに、イサクと妻リベカも葬られ、そこに私はレアを葬った。

32 その畑地とその中にあるほら穴は、ヘテ人たちから買ったものである。」

33 ヤコブは子らに命じ終わると、足を床の中に入れ、息絶えて、自分の民に加えられた。

創世記 48章

創世記 48章


1 これらのことの後、ヨセフに「あなたの父上は病気です」と告げる者があったので、彼はそのふたりの子、マナセとエフライムを連れて行った。

2 ある人がヤコブに告げて、「あなたの子ヨセフがあなたのもとにおいでです」と言ったので、イスラエルは力をふりしぼって床にすわった。

3 ヤコブはヨセフに言った。「全能の神がカナンの地ルズで私に現れ、私を祝福して、

4 私に仰せられた。『わたしはあなたに多くの子を与えよう。あなたをふやし、あなたを多くの民のつどいとし、またこの地をあなたの後の子孫を与え、永久の所有としよう。』

5 今、私がエジプトに来る前に、エジプトの地で生まれたあなたのふたりの子は、私の子となる。エフライムとマナセはルベンやシメオンと同じように私の子にする。

6 しかしあとからあなたに生まれる子どもたちはあなたのものになる。しかし、彼らが家を継ぐ場合、彼らは、彼らの兄たちの名を名のらなければならない。

7 私のことを言えば、私がパダンから帰って来たとき、その途上カナンの地で、悲しいことに、ラケルが死んだ。そこからエフラテに行くには、なお道のりがあったが、私はエフラテ、すなわちベツレヘムへの道のその場所に彼女を葬った。」

8 イスラエルはヨセフの子らに気づいて言った。「これはだれか。」

9 ヨセフは父に答えた。「神がここで私に授けてくださった子どもです。」すると父は、「彼らを私のところに連れて来なさい。私は彼を祝福しよう」と言った。

10 イスラエルの目は老齢のためにかすんでいて、見ることができなかった。それでヨセフが彼らを父のところに近寄らせると、父は彼らに口づけし、彼らを抱いた。

11 イスラエルはヨセフに言った。「私はあなたの顔が見られようとは思わなかったのに、今こうして、神はあなたの子どもをも私に見させてくださった。」

12 ヨセフはヤコブのひざから彼を引き寄せて、顔を地につけて、伏し拝んだ。

13 それからヨセフはふたりを、エフライムは自分の右手に取ってイスラエルの左手に向かわせ、マナセは自分の左手に取ってイスラエルの右手に向かわせて、彼に近寄らせた。

14 すると、イスラエルは、右手を伸ばして、弟であるエフライムの頭の上に置き、左手をマナセの頭の上に置いた。マナセが長子であるのに、彼を手を交差して置いたのである。

15 それから、ヨセフを祝福して言った。「私の先祖アブラハムとイサクが、その御前に歩んだ神。きょうのこの日まで、ずっと私の羊飼いであられた神。

16 すべてのわざわいから私を贖われた御使い。この子どもたちを祝福してください。私の名が先祖アブラハムとイサクの名とともに、彼らのうちにとなえ続けられますように。また彼らが地のまなかで、豊かにふえますように。」

17 ヨセフは父が右手をエフライムの頭の上に置いたのを見て、それはまちがっていると思い、父の手をつかんで、それをエフライムの頭からマナセの頭へ移そうとした。

18 ヨセフは父に言った。「父上。そうではありません。こちらが長子なのですから、あなたの右の手を、こちらの頭に置いてください。」

19 しかし、父は拒んで言った。「わかっている。わが子よ。私にはわかっている。彼もまた一つの民となり、また大いなる者となるであろう。しかし弟は彼よりも大きくなり、その子孫は国々を満たすほど多くなるであろう。」

20 そして彼はその日、彼らを祝福して言った。「あなたがたによって、イスラエルは祝福のことばを述べる。『神があなたをエフライムやマナセのようになさるように。』」

21 イスラエルはヨセフに言った。「私は今、死のうとしている。しかし、神はあなたがたとともにおられ、あなたがたをあなたがたの先祖の地に帰してくださる。

22 私は、あなたの兄弟よりも、むしろあなたに、私が剣と弓とをもってエモリ人の手から取ったあのシェケムを与えよう。」

創世記 47章

創世記 47章


1 ヨセフはパロのところに行き、告げて言った。「私の父と兄弟たちと、羊の群れ、牛の群れ、そして彼らのものすべてがカナンの地からまいりました。そして今ゴシェンの地におります。」

2 彼は兄弟の中から五人を連れて、パロに引き合わせた。

3 パロはヨセフの兄弟たちに尋ねた。「あなたがたの職業は何か。」彼らはパロに答えた。「あなたのしもべどもは羊を飼う者で、私たちも、また私たちの先祖もそうでございます。

4 彼らはまたパロに言った。「この地に寄留しようとして私たちはまいりました。カナンの地はききんが激しくて、しもべどもの羊のための牧草がございませんので。それでどうか。あなたのしもべどもをゴシェンの地に住ませてください。」

5 その後、パロはヨセフに言った。「あなたの父と兄弟たちとがあなたのところに来た。

6 エジプトの地はあなたの前にある。最も良い地にあなたの父と兄弟たちとを住まわせなさい。彼らはゴシェンの地に住むようにしなさい。もし彼らの中に力のある者がいるのを知っていたら、その者を私の家畜の係長としないさい。」

7 それから、ヨセフは父ヤコブを連れて来て、パロの前に立たせた。ヤコブはパロにあいさつした。

8 パロはヤコブに尋ねた。「あなたの年は、幾つになりますか。」

9 ヤコブはパロに答えた。「私のたどった年月は百三十年です。私の齢の年月はわずかで、ふしあわせで、私の先祖のたどった齢の年月には及びません。」

10 ヤコブはパロにあいさつして、パロの前を立ち去った。

11 ヨセフは、パロの命じたとおりに、彼の父と兄弟たちを住まわせ、彼らにエジプトの地で最も良い地、ラメセスの地を所有として与えた。

12 また、ヨセフは父や兄弟たちや父の全家族、幼い子どもに至るまで、食物を与えて養った。

13 ききんが非常に激しかったので、全地に食物がなく、エジプトの地もカナンの地もききんのために衰え果てた。

14 それで、ヨセフはエジプトとカナンの地にあったすべての銀を集めた。それは人々が買った穀物の代金であるが、ヨセフはその銀をパロの家に納めた。

15 エジプトの地とカナンの地に銀が尽きたとき、エジプト人がみなヨセフのところに来て言った。「私たちに食物を下さい。銀が尽きたからといって、どうして私たちがあなたさまの前に死んでよいでしょう。」

16 ヨセフは言った。「あなたがたの家畜をよこしなさい。銀が尽きたなら、家畜と引き替えに与えよう。」

17 彼らがヨセフのところに家畜を引いて来たので、ヨセフは馬、羊の群れ、牛の群れ、およびろばと引き替えに、食物を彼らに与えた。こうして彼はその年、すべての家畜と引き替えた食物で彼らを切り抜けさせた。

18 やがてその年も終わり、次の年、人々はまたヨセフのところに来て言った。「私たちはあなたさまに何も隠しません。私たちの銀も尽き、家畜の群れもあなたさまのものになったので、私たちのからだと農地のほかには、あなたさまの前に何も残っていません。

19 私たちはどうして農地といっしょにあなたさまの前で死んでよいでしょう。食物と引き替えに私たちの農地とを買い取ってください。私たちは農地といっしょにパロの奴隷となりましょう。どうか種を下さい。そうすれば私たちは生きて、死なないでしょう。そして、土地も荒れないでしょう。」

20 それでヨセフはエジプトの全農地を、パロのために買い取った。ききんがエジプト人にきびしかったので、彼らがみな、その畑地を売ったからである。こうしてその土地はパロのものとなった。

21 彼は民を、エジプトの領土の端から端まで町々に移動させた。

22 ただ祭司たちの土地は買い取らなかった。祭司たちにはパロからの給与があって、彼らはパロが与える給与によって生活していたので、その土地を売らなかったからである。

23 ヨセフは民に言った。「私は、今、あなたがたとあなたがたの土地を買い取って、パロのものとしたのだから。さあ、ここにあなたがたへの種である。これを地に蒔かなければならない。

24 収穫の時になったら、その五分の一はパロに納め、五分の四はあなたがたのものとし、畑の種のため、またあなたがたの食糧のため、またあなたがたの家族の者のため、またあなたがたの幼い子どもたちの食糧としなければならない。」

25 すると彼らは言った。「あなたさまは私たちを生かしてくださいました。私たちは、あなたのお恵みをいただいてパロの奴隷となりましょう。」

26 ヨセフはエジプトの土地について、五分の一はパロのものとしなくてはならないとの一つのおきてを定めた。これは今日に及んでいる。ただし祭司の土地だけはパロのものとならなかった。

27 さて、イスラエルはエジプトの国でゴシェンの地に住んだ。彼らはそこに所有地を得、多くの子を生み、非常にふえた。

28 ヤコブはエジプトの地で十七年生きながらえたので、ヤコブの一生の年は百十七年であった。

29 イスラエルに死ぬべき日が近づいたとき、その子ヨセフを呼び寄せて言った。「もしあなたがたの心にかなうなら、どうかあなたの手を私のももの下に入れ、私に愛と真実を尽くしてくれ。どうか私をエジプトの地に葬らないでくれ。

30 私が先祖たちとともに眠りについたなら、私をエジプトから運び出して、先祖たちの墓に葬ってくれ。」するとヨセフは言った。「私はきっと、あなたの言われたとおりにいたします。」

31 それでイスラエルは言った。「私に誓ってくれ。」そこでヨセフは彼に誓った。イスラエルは床に寝たまま、おじぎをした。

創世記 46章

創世記 46章


1 イスラエルは、彼に属するすべてのものといっしょに出発し、ベエル・シェバに来たとき、父イサクとの神にいけにえをささげた。

2 神は、夜の幻の中でイスラエルに、「ヤコブよ、ヤコブよ」と言って呼ばれた。彼は答えた。「はい。ここにいます。」

3 すると仰せられた。「わたしは神、あなたの父の神である。エジプトに下ることを恐れるな。わたしはそこで、あなたを大いなる国民にするから。

4 わたし自身があなたといっしょにエジプトに下り、また、わたし自身が必ずあなたを再び導き上る。ヨセフの手はあなたの目を閉じてくれるであろう。」

5 それから、ヤコブはベエル・シェバを立った。イスラエルの子らは、ヤコブを乗せるためにパロが送った車に、父ヤコブと自分たちの子や妻を乗せ、

6 また彼らは家畜とカナンの地で得た財産を持って行った。こうしてヤコブはそのすべての子孫といっしょにエジプトに来た。

7 すなわち、彼は、自分の息子たちと孫たち、自分の娘たちと孫娘たち、こうしてすべての子孫を連れてエジプトに来た。

8 エジプトに来たイスラエルの子―ヤコブとその子―の名は次のとおりである。ヤコブの長子ルベン。

9 ルベンの子はエノク、パル、ヘツロン、カルミ。

10 シメオンの子はエムエル、ヤミン、オハデ、ヤキン、ツォハル、カナンの女の生んだ子サウル。

11 レビの子はゲルション、ケハテ、メラリ。

12 ユダの子はエル、オナン、シェラ、ペレツ、ゼラフ。エルとオナンはカナンの地で死んだ。ペレツの子はヘツロンとハムルであった。

13 イッサカルの子はセレデ、エロン、ヤフレエル。

14 ゼブルンの子はセレデ、エロン、ヤフレエル。

15 これらはレアがパダン・アラムでヤコブに産んだ子で、それにその娘ディナあり、彼の息子、娘たちの総勢は三十三人。

16 ガドの子ツィフヨン、ハギ、シュニ、エツボン、エリ、アロディ、アルエリ。

17 アシャルの子はイムナ、イシュワ、イシュビ、ベリアとその妹セラフ。ベリアの子はヘベル、マルキエル。

18 これらは、ラバンが娘レアに与えたジルパの子である。彼女がヤコブに産んだのは十六人であった。

19 ヤコブの妻ラケルの子はヨセフとベニヤミンである。

20 ヨセフにはエジプトの地で子どもが生まれた。それはオンの祭司ポティ・フェラの娘アセナテが彼に産んだマナセとエフライムである。

21 ベニヤミンの子はベラ、ベケル、アシュベル、ゲラ、ナアマン、エヒ、ロシュ、ムピム、フピム、アルデ。

22 これらはラケルがヤコブに産んだ子で、みなで十四人である。

23 ダンの子はフシム。

24 ナフタリの子はヤフツェエル、グニ、エツェル、シレム。

25 これらはラバンが娘ラケルに与えたビルハの子である。彼女がヤコブに産んだのはみなで七人であった。

26 ヤコブに属する者、すなわち、ヤコブから生まれた子でエジプトへ行った者は、ヤコブの息子たちの妻は別として、みなで六十六人であった。

27 エジプトでヨセフに生まれた子らはふたりで、エジプトに行ったヤコブの家族はみなで七十人であった。

28 さて、ヤコブはユダを先にヨセフのところに遣わしてゴシェンへの道を示させた。それから彼らはゴシェンの地に行った。

29 ヨセフは車を整え、父イスラエルを迎えるためにゴシェンへ上った。そして父に会うなり、父の首に抱きつき、その首にすがって泣き続けた。

30 イスラエルはヨセフに言った。「もう今、私は死んでもよい。この目であなたが生きているのを見たからには。」

31 ヨセフは兄弟たちや父の家族の者たちに言った。「私はパロのところに知らせに行き、申しましょう。『カナンの地にいた私の兄弟と父の家族の者たちが私のところに来ました。

32 この人たちは羊を飼う者です。家畜を飼っていた者です。彼らは、自分たちの羊と牛と彼らのすべてを連れて来ました。』

33 パロがあなたがたを呼び寄せて、『あなたがたの職業は何か』と聞くようなときには、

34 あなたがたは答えなさい。『あなたのしもべどもは若い時から今まで、私たちも、また私たちの先祖も家畜を飼う者でございます』と。そうすれば、あなたがたはゴシェンの地に住むことができるでしょう。羊を飼う者はすべて、エジプト人に忌みきらわれているからです。」

創世記 45章

創世記 45章


1 ヨセフは、そばに立っているすべての人の前で、自分を制することができなくなって、「みなを、私のところから出しなさい」と叫んだ。ヨセフが兄弟たちに自分のことを明かしたとき、彼のそばに立っている者はだれもいなかった。

2 しかし、ヨセフが声をあげて泣いたので、エジプト人はそれを聞き、パロの家の者もそれを聞いた。

3 ヨセフは兄弟たちに言った。「私はヨセフです。父上はお元気ですか。」兄弟たちはヨセフを前にして驚きのあまり、答えることができなかった。

4 ヨセフは兄弟たちに言った。「どうか私に近寄ってください。」彼らが近寄ると、ヨセフは言った。「私はあなたがたがエジプトに売った弟のヨセフです。

5 今、私をここに売ったことで心を痛めたり、怒ったりしてはなりません。神はいのちを救うために、あなたがたより先に、私を遣わしてくださったのです。

6 この二年の間、国中にききんがあったが、まだあと五年は耕すことも借り入れることもないでしょう。

7 それで神は私をあなたがたより先にお遣わしになりました。それは、あなたがたのために残りの者をこの地に残し、また、大いなる救いによってあなたがたを生きながらえさせるためだったのです。

8 だから、今、私をここに遣わしたのは、あなたがたではなく、実に、神なのです。神は私をパロには父とし、その全家と主とし、またエジプト全土の統治者とされたのです。

9 それで、あなたがたは急いで父上のところに上って行き、言ってください。『あなたの子ヨセフがこう言いました。神は私をエジプト全土の主とされました。ためらわずに私のところに下って来てください。

10 あなたはゴシェンの地に住み、私の近くにいることになります。あなたも、あなたの子と孫、羊と牛、またあなたのものすべて。

11 ききんはあと五年続きますから、あなたも家族も、また、すべてあなたのものが、困ることのないように、私はあなたをそこで養いましょう』と。

12 さあ、あなたがたも、私の弟ベニヤミンも自分の目でしかと見てください。あなたがたに話しているのは、この私の口です。

13 あなたがたは、エジプトでの私のすべての栄誉とあなたがたが見たいっさいのこととを私の父上に告げ、急いで私の父上をここにお連れしてください。」

14 それから、彼は弟ベニヤミンの首を抱いて泣いた。ベニヤミンも彼の首を抱いて泣いた。

15 彼はまた、すべての兄弟に口づけし、彼らを抱いて泣いた。そのあとで、兄弟たちは彼と語りあった。

16 ヨセフの兄弟たちが来たという知らせが、パロの家に伝えられると、パロもその家臣たちも喜んだ。

17 パロはヨセフに言った。「あなたの兄弟たちに言いなさい。『こうしなさい。あなたがたの家畜に荷を積んで、すぐカナンの地へ行き、

18 あなたがたの父と家族とを連れて、私のもとへ来なさい。私はあなたがたにエジプトの最良の地を与え、地の最も良い物を食べさせる。』

19 あなたは命じなさい。『こうしなさい。子どもたちと妻たちのために、エジプトの地から車を持って行き、あなたがたの父を乗せて来なさい。

20 家財に未練を残してはならない。エジプト全土の最良の物は、あなたがたのものだから』と。」

21 イスラエルの子らは、そのようにした。ヨセフはパロの命により、彼らに車を与え、また道中のための食糧をも与えた。

22 彼らすべてにめいめい晴れ着を与えたが、ベニヤミンには銀三百枚と晴れ着五枚とを与えた。

23 父には次のような物を贈った。エジプトの最良の物を積んだ十頭のろば、それと穀物とパンと父の道中の食糧とを積んだ十頭の雌ろばであった。

24 こうしてヨセフは兄弟たちを送り出し、彼らが出発するとき、彼らに言った。「途中で言い争わないでください。」

25 彼らはこうしてエジプトから上って、カナンの地に入り、彼らの父ヤコブのもとへ行った。

26 彼らは父に告げて言った。「ヨセフはまだ生きています。しかもエジプト全土を支配しているのは彼です。」しかし父はぼんやりしていた。彼らを信じることができなかったからである。

27 彼らはヨセフが話したことを残らず話して聞かせ、彼はヨセフが自分を乗せるために送ってくれた車を見た。すると彼らの父ヤコブは元気づいた。

28 イスラエルは言った。「それで十分だ。私の子ヨセフがまだ生きているとは。私は死なないうちに彼に会いに行こう。」

創世記 44章

創世記 44章


1 さて、ヨセフは家の管理者に命じて言った。「あの人々の袋を彼らに運べるだけの食糧で満たし、おのおのの銀を彼らの袋の口に入れておけ。

2 また、私の杯、あの銀の杯を一番年下の者の袋の口に、穀物の代金といっしょに入れておけ。」彼はヨセフの言いつけどおりにした。

3 明け方、人々はろばといっしょに送り出された。

4 彼らが町を出てまだ遠くへ行かないうちに、ヨセフは家の管理者に言った。「さあ、あの人々のあとを追え。追いついたら彼らに、『なぜ、あなたがたは悪をもって善に報いるのか。

5 これは、私の主人が、これで飲み、また、これでいつもまじないをしておられるのではないか。あなたがたのしたことは悪らつだ』と言うのだ。」

6 彼は彼らに追いついて、このことばを彼らに告げた。

7 すると、彼らは言った。「あなたさまは、なぜそのようなことをおっしゃるのですか。しもべどもがそんなことをするなどとは、とんでもないことです。

8 私たちが、袋の口から見つけた銀でさえ、カナンの地からあなたのもとへ返しに来たではありませんか。どうしてあなたのご主人の家から銀や金を盗んだりいたしましょう。

9 しもべどものうちのだれからでも、それが見つかった者は殺してください。そして私たちもまた、ご主人の奴隷となりましょう。」

10 彼は言った。「今度も、あなたがたの言うことはもっともだが、それが見つかった者は、私の奴隷となり、他の者は無罪としよう。」

11 そこで、彼らは急いで自分の袋を地に降ろし、おのおのその袋を開いた。

12 彼は年長の者から調べ始めて年下の者で終わった。ところがその杯はベニヤミンの袋から見つかった。

13 そこで彼らは着物を引き裂き、おのおのろばに荷を負わせて町に引き返した。

14 ユダとその兄弟たちがヨセフの家に入って行ったとき、ヨセフはまだそこにいた。彼らはヨセフの前で顔を地に伏せた。

15 ヨセフは彼らの言った。「あなたがたのしたこのしわざは、何だ。私のような者はまじないをするということを知らなかったのか。」

16 ユダが答えた。「私たちはあなたさまに何を申せましょう。何の申し開きができましょう。また何と言って弁解することができましょう。神がしもべどもの咎をあばかれたのです。今このとおり、私たちも、そして杯を持っているのを見つかった者も、あなたさまの奴隷となりましょう。」

17 しかし、ヨセフは言った。「そんなことはとんでもないことだ。杯を持っているのを見つかった者だけが、私の奴隷となればよい。ほかのあなたがたは安心して父のもとへ帰るがよい。」

18 すると、ユダが彼に近づいて言った。「あなたさま。どうかあなたのしもべの申し上げることに耳を貸してください。そして、どうかしもべを激しくお怒りにならないでください。あなたはパロのようなお方なのですから。

19 あなたさまは、しもべどもに、あなたがたに父や弟があるかとお尋ねになりました。

20 それで、私たちはあなたさまに、『私たちには年老いた父と、年寄り子の末の弟がおります。そしてその兄は死にました。彼だけがその母に残されましたので、父は彼を愛しています』と申し上げました。

21 するとあなたは、しもべどもに、『彼を私のところに連れて来い。私はこの目で彼を見たい』と言われました。

22 それで、私たちはあなたさまに、『その子は父親と離れることはできません。父親と離れたら、父親は死ぬでしょう』と申し上げました。

23 しかし、あなたはしもべどもに言われました。『末の弟といっしょに下って来なければ、二度とあなたがたは私の顔を見ることはできない。』

24 それで、私たちは、あなたのしもべである私の父のもとに帰ったとき、父にあなたさまのおことばを伝えました。

25 それから私たちの父が、『また行って、われわれのために少し食糧を買って来てくれ』と言ったので、

26 私たちは、『私たちは下って行くことはできません。もし、末の弟が私たちといっしょなら、私たちは下って行きます。というのは、末の弟といっしょでなければあの方のお顔を見ることはできないのです』と答えました。

27 すると、あなたのしもべである私の父が言いました。『あなたがたも知っているように、私の妻はふたりの子を産んだ。

28 そしてひとりは私のところから出て行ったきりだ。確かに裂き殺されてしまったのだ、と私は言った。そして、それ以来、今まで私は彼を見ない。

29 あなたがたがこの子を私から取ってしまって、この子にわざわいが起こるなら、あなたがたは、しらが頭の私を、苦しみながらよみに下らせることになるのだ。』

30 私が今、あなたのしもべである私の父のもとへ帰ったとき、あの子が私たちといっしょにいなかったら、父のいのちは彼のいのちにかかっているのですから、

31 あの子がいないのを見たら、父は死んでしまうでしょう。そして、しもべどもが、あなたのしもべであるしらが頭の私たちの父を、悲しみながら、よみに下らせることになります。

32 というのは、このしもべは私の父に、『もし私があの子をあなたのところに連れ戻さなかったら、私は永久にあなたに対して罪ある者となります』と言って、あの子を保証しているのです。

33 ですから、どうか今、このしもべを、あの子の代わりに、あなたさまの奴隷としてとどめ、あの子を兄弟たちと帰らせてください。

34 あの子が私といっしょでなくて、どうして私は父のところへ帰れましょう。私の父に起こるわざわいを見たくありません。」

創世記 43章

創世記 43章


1 さて、その地でのききんは、ひどかった。

2 彼らがエジプトから持って来た穀物を食べ尽くしたとき、父は彼らに言った。「また行って、私たちのために少しの食糧を買って来ておくれ。」

3 しかしユダが父に言った。「あの方は私たちをきつく戒めて、『あなたがたの弟といっしょでなければ、私の顔を見てはならない』と告げました。

4 もし、あなたが弟を私たちといっしょに行かせてくださるなら、私たちは下って行って、あなたのために食糧を買って来ましょう。

5 しかし、もしあなたが彼を行かせないなら、私たちは下って行きません。あの方が私たちに、『あなたがたの弟といっしょでなければ、私の顔を見てはならない』と言ったからです。」

6 そこで、イスラエルが言った。「なぜ、あなたがたにもうひとりの弟がいるとあの方に言って、私をひどいめに会わせるのか。」

7 彼らは言った。「あの方が、私たちと私たちの家族のことをしつこく尋ねて、『あなたがたの父はまだ生きているのか。あなたがたに弟がいるのか』と言うので、問われるままに言ってしまったのです。あなたがたの弟を連れて来いと言われるとは、どうして私たちにわかりましょう。」

8 ユダは父イスラエルに言った。「あの子を私といっしょにやらせてください。私たちは出かけて行きます。そうすれば、あなたも私たちも、そして私たちの子どもたちも生きながらえて死なないでしょう。

9 私自身が彼の保証人となります。私に責任を負わせてください。万一、彼をあなたのもとに連れ戻さず、あなたの前に彼を立たせなかったら、私は一生あなたに対して罪ある者となります。

10 もし私たちがためらっていなかったなら、今までに二度は行って帰って来られたことでしょう。」

11 父イスラエルは彼らに言った。「もしそうなら、こうしなさい。この地の名産を入れ物に入れ、それを贈り物として、あの方のところへ下って行きなさい。乳香と蜜を少々、樹膠と没薬、くるみとアーモンド、

12 そして、二倍の銀を持って行きなさい。あなたがたの袋の口に返されていた銀を持って行って返しなさい。それはまちがいだったのだろう。

13 そして、弟を連れてあの方のところへ出かけて行きなさい。

14 全能の神がその方に、あなたがたをあわれませてくださるように。そしてもうひとりの兄弟とベニヤミンとをあなたがたに返してくださるように。私も、失うときには、失うのだ。」

15 そこで、この人たちは贈り物を携え、それに二倍の銀を持ち、ベニヤミンを伴ってエジプトへ下り、ヨセフの前に立った。

16 ヨセフはベニヤミンが彼らといっしょにいるのを見るや、彼の家の管理者に言った。「この人たちを家へ連れて行き、獣をほふり、料理をしなさい。この人たちが昼に、私といっしょに食事をするから。」

17 その人はヨセフが言ったとおりにして、その人々をヨセフの家に連れて行った。

18 ところが、この人たちはヨセフの家に連れて行かれたので恐れた。「われわれが連れ込まれたのは、この前のとき、われわれの袋に返されていたあの銀のためだ。われわれを陥れ、われわれを襲い、われわれを奴隷として、われわれのろばもいっしょに捕らえるためなのだ」と彼らは言った。

19 それで、彼らはヨセフの家の管理者に近づいて、家の入口のところで彼に話しかけて、

20 言った。「失礼ですが、あなたさま。この前のときには、私たちは食糧を買うために下って来ただけです。

21 ところが、宿泊所に着いて、袋をあけました。すると、私たちの銀がそのままそれぞれの袋の口にありました。それで、私たちはそれを返しに持って来ました。

22 また、食糧を買うためには、ほかに銀を私たちは持って来ました。袋の中にだれが私たちの銀を入れたのか、私たちにはわかりません。」

23 彼は答えた。「安心しなさい。恐れることはありません。あなたがたの神、あなたがたの父の神が、あなたがたのために袋の中に宝を入れてくださったのに違いありません。あなたがたの銀は私が受け取りました。」それから彼はシメオンを彼らのところに連れて来た。

24 その人は人々をヨセフの家に連れて行き、水を与えた。彼らは足を洗い、ろばに飼料を与えた。

25 彼らはヨセフが昼に帰って来るまでに、贈り物を用意しておいた。それは自分たちがそこで食事することになっているのを聞いたからである。

26 ヨセフが家に帰って来たとき、彼らは持って来た贈り物を家に持ち込み、地に伏して彼を拝んだ。

27 ヨセフは彼らの安否を問うて言った。「あなたがたが先に話していた、あなたがたの年老いた父親は元気か。まだ生きているのか。」

28 彼らは答えた。「あなたのしもべ、私たちの父は元気で、まだ生きております。」そして、彼らはひざまずいて伏し拝んだ。

29 ヨセフは目を上げ、同じ母の子である弟のベニヤミンを見て言った。「これがあなたがたが私に話した末の弟か。」そして言った。「わが子よ。神があなたを恵まれるように。」

30 ヨセフは弟なつかしさに胸が熱くなり、泣きたくなって、急いで奥の部屋に入って行って、そこで泣いた。

31 やがて、彼は顔を洗って出て来た。そして自分を制して、「食事を出せ」と言いつけた。

32 それでヨセフにはヨセフにだけ、彼らには彼らにだけ、ヨセフと食事を共にするエジプト人にはその者にだけ、それぞれ別の食事を出した。エジプト人はヘブル人とはいっしょに食事ができなかったからである。それはエジプト人の忌みきらうところであった。

33 彼らはヨセフの指図によって、年長者は年長の座に、年下の者は年下の座にすわらされたので、この人たちは互いに驚き合った。

34 また、ヨセフの食卓から、彼らに分け前が分けられたが、ベニヤミンの分け前はほかのだれの分け前よりも五倍も多かった。彼らはヨセフとともに酒を飲み、酔いごこちになった。

創世記 42章

創世記 42章


1 ヤコブはエジプトに穀物があることを知って、息子たちに言った。「あなたがたは、なぜ互いに顔を見合っているのか。」

2 そして言った。「今、私はエジプトに穀物があるということを聞いた。あなたがたは、そこへ下って行き、そこから私たちのために穀物を買って来なさい。そうすれば、私たちは生きながらえ、死なないだろう。」

3 そこで、ヨセフの十人の兄弟はエジプトで穀物を買うために、下って行った。

4 しかし、ヤコブはヨセフの弟ベニヤミンを兄弟たちといっしょにやらなかった。わざわいが彼にふりかかるといけないと思ったからである。

5 こうして、イスラエルの息子たちは、穀物を買いに行く人々に交じって出かけた。カナンの地にききんがあったからである。

6 ときに、ヨセフはこの国の権力者であり、この国のすべての人々に穀物を売る者であった。ヨセフの兄弟たちは来て、顔を地につけて彼を伏し拝んだ。

7 ヨセフは兄弟たちを見て、それとわかったが、彼らに対して見知らぬ者のようにふるまい、荒々しいことばで彼らに言った。「あなたがたは、どこから来たのか。」すると彼らは答えた。「カナンの地から食糧を買いにまいりました。」

8 ヨセフには、兄弟たちだとわかったが、彼らにはヨセフだとはわからなかった。

9 ヨセフはかつて彼らについて見た夢を思い出して、彼らに言った。「あなたがたは間者だ。この国のすきをうかがいに来たのだろう。」

10 彼らは言った。「いいえ。あなたさま。しもべどもは食糧を買いにまいったのでございます。

11 私たちはみな、同じひとりの人の子で、私たちは正直者でございます。しもべどもは間者ではございません。」

12 ヨセフは彼らに言った。「いや。あなたがたは、この国のすきをうかがいにやって来たのだ。」

13 彼らは言った。「しもべどもは十二人の兄弟で、カナンの地にいるひとりの人の子でございます。末の弟は今、父といっしょにいますが、もうひとりはいなくなりました。」

14 ヨセフは彼らに言った。「私が言ったとおりだ。あなたがたは間者だ。

15 このことで、あなたがたをためそう。パロのいのちにかけて言うが、あなたがたの末の弟がここに来ないかぎり、決してここから出ることはできない。

16 あなたがたのうちのひとりをやって、弟を連れて来なさい。それまであなたがたを監禁しておく。あなたがたに誠実があるかどうか、あなたがたの言ったことをためすためだ。もしそうでなかったら、パロのいのちにかけて言うが、あなたがたはやっぱり間者だ。」

17 こうしてヨセフは彼らを三日間、監禁所にいっしょに入れておいた。

18 ヨセフは三日目に彼らに言った。「次のようにして、生きよ。私も神を恐れる者だから。

19 もし、あなたがたが正直者なら、あなたがたの兄弟のひとりを監禁所に監禁しておいて、あなたがたは飢えている家族に穀物を持って行くがよい。

20 そして、あなたがたの末の弟を私のところに連れて来なさい。そうすれば、あなたがたのことばがほんとうだということになり、あなたがたは死ぬことはない。」そこで彼らはそのようにした。

21 彼らは互いに言った。「ああ、われわれは弟のことで罰を受けているのだなあ。あれがわれわれにあわれみを請うたとき、彼の心の苦しみを見ながら、われわれは聞き入れなかった。それでわれわれはこんなに苦しみに会っているのだ。」

22 ルベンが彼らに答えて言った。「私はあの子に罪を犯すなと言ったではないか。それなのにあなたがたは聞き入れなかった。だから今、彼の血の報いを受けるのだ。」

23 彼らは、ヨセフが聞いていたとは知らなかった。彼と彼らの間には通訳者がいたからである。

24 ヨセフは彼らから離れて、泣いた。それから彼らのところに帰って来て、彼らに語った。そして彼らの中からシメオンをとって、彼らの目の前で彼を縛った。

25 ヨセフは、彼らの袋に穀物を満たし、彼らの銀をめいめいの袋に返し、また道中の食糧を彼らに与えるように命じた。それで、人々はそのとおりにした。

26 彼らは穀物を自分たちのろばに背負わせて、そこを去った。

27 さて、宿泊所で、そのうちのひとりが、自分のろばに飼料をやるために袋をあけると、自分の銀を見つけた。しかも、見よ。それは自分の袋の口にあった。

28 彼は兄弟たちに言った。「私の銀が返されている。しかもこのとおり、私の袋の中に。」彼らは心配し、身を震わせて互いに言った。「神は、私たちにいったい何ということをなさったのだろう。」

29 こうして、彼らはカナンの地にいる父ヤコブのもとに帰って、その身に起こったことをすべて彼に告げて言った。

30 「あの国の支配者である人が、私たちに荒々しく語り、私たちを、あの国をうかがう間者にしました。

31 私たちはその人に、『私たちは正直者で、間者ではない。

32 私たちは十二人兄弟で同じひとりの父の子で、ひとりはいなくなったが、末の弟は今、カナンの地に父といっしょにいる』と申しました。

33 すると、その国の支配者である人が、私たちに言いました。『こうすれば、あなたがたが正直者かどうか、わかる。あなたがたの兄弟のひとりを私のところに残し、飢えているあなたがたの家族に穀物を持って行け。

34 そしてあなたがたの末の弟を私のところに連れて来い。そうすれば、あなたがたが間者ではなく、正直者だということが私にわかる。そのうえで、私はあなたがたの兄弟を返そう。そうしてあなたがたはこの地に出はいりができる。』」

35 それから、彼らが自分たちの袋をからにすると、見よ、めいめいの銀の包みがそれぞれの袋の中にあるではないか。彼らも父もこの銀の包みを見て、恐れた。

36 父ヤコブは彼らに言った。「あなたがたはもう、私に子を失わせている。ヨセフはいなくなった。シメオンもいなくなった。そして今、ベニヤミンをも取ろうとしている。こんなことがみな、私にふりかかって来るのだ。」

37 ルベンは父にこう言った。「もし私が彼をあなたのもとに連れて帰らなかったら、私のふたりの子を殺してもかまいません。彼を私の手に任せてください。私はきっと彼をあなたのもとに連れ戻します。」

38 しかしヤコブは言った。「私の子は、あなたがたといっしょには行かせない。彼の兄は死に、彼だけが残っているのだから。あなたがたの行く道中で、もし彼にわざわいがふりかかれば、あなたがたは、このしらが頭の私を、悲しみながらよみに下らせることになるのだ。」

創世記 41章

創世記 41章


1 それから二年の後、パロは夢を見た。見ると、彼はナイルのほとりに立っていた。

2 ナイルから、つやつやした、肉づきの良い七頭の雌牛が上がって来て、葦の中で草をはんでいた。

3 するとまた、そのあとを追ってほかの醜いやせ細った七頭の雌牛がナイルから上がって来て、その川岸にいる雌牛のそばに立った。

4 そして醜いやせ細った雌牛が、つやつやした、よく肥えた七頭の雌牛を食い尽くした。そのとき、パロは目が覚めた。

5 それから、彼はまた眠って、再び夢を見た。見ると、肥えた良い七つの穂が、一本の茎に出て来た。

6 すると、すぐそのあとから、東風に焼けた、しなびた七つの穂が出て来た。

7 そして、しなびた穂が、あの肥えて豊かな七つの穂をのみこんでしまった。そのとき、パロは目がさめた。それは夢だった。

8 朝になって、パロは心が騒ぐので、人をやってエジプトのすべて呪法師とすべての知恵のある者たちを呼び寄せた。パロは彼らに夢のことを話したが、それをパロに解き明かすことのできる者はいなかった。

9 そのとき、献酌官長がパロに告げて言った。「私はきょう、私のあやまちを申し上げなければなりません。

10 かつて、パロがしもべらを怒って、私と調理官長とを侍従長の家に拘留なさいました。

11 そのとき、私と彼は同じ夜に夢を見ましたが、その夢はおのおの意味のある夢でした。

12 そこには、私たちといっしょに、侍従長のしもべでヘブル人の若者がいました。それで彼に話しましたところで、彼は私たちの夢を解き明かし、それぞれの夢にしたがって、解き明かしてくれました。

13 そして、彼が私たちに解き明かしたとおりになり、パロは私をもとの地位に戻され、彼を木につるされました。」

14 そこで、パロは使いをやってヨセフを呼び寄せたので、人々は急いで彼を地下牢から連れ出した。彼はひげをそり、着物を着替えてから、パロの前に出た。

15 パロはヨセフに言った。「私は夢を見たが、それを解き明かす者がいない。あなたについて言われていることを聞いた。あなたは夢を聞いて、それを解き明かすということだが。」

16 ヨセフはパロに答えて言った。「私ではありません。神がパロの繁栄を知らせてくださるのです。」

17 それでパロはヨセフに話した。「夢の中で、私はナイルの岸に立っていた。

18 見ると、ナイルから、肉づきが良くて、つやつやした七頭の雌牛が上がって来て、葦の中で草をはんでいた。

19 すると、そのあとから、弱々しい、非常に醜い、やせ細ったほかの七頭の雌牛が上がって来た。私はこのように醜いのをエジプト全土でまだ見たことがない。

20 そして、このやせた醜い雌牛が、先の肥えた七頭の雌牛を食い尽くした。

21 ところが、彼らを腹に入れても、腹に入ったのがわからないほどその姿は初めと同じように醜かった。そのとき、私は目がさめた。

22 ついで、夢の中で私は見た。見ると、一本の茎によく実った七つの穂が出て来た。

23 すると、そのあとから東風に焼けた、しなびた貧弱な七つの穂が出て来た。

24 そのしなびた穂が、あの七つの良い穂をのみこんでしまった。そこで私は呪法師に話したが、だれも私に説明できる者はいなかった。」

25 ヨセフはパロに言った。「パロの夢は一つです。神がなさろうとすることをパロに示されたのです。

26 七頭のりっぱな雌牛は七年のことで、七つのりっぱな穂も七年のことです。それは一つの夢なのです。

27 そのあとから上がって来た七頭のやせた醜い雌牛は七年のことで、東風に焼けたしなびた七つの穂もそうです。それはききんの七年です。

28 これは、私がパロに申し上げたとおり、神がなさろうとすることをパロに示されたのです。

29 今すぐ、エジプト全土に七年間の大豊作が訪れます。

30 それから、そのあと、七年間のききんが起こり、エジプトの地の豊作はみな忘れられます。ききんが地を荒れ果てさせ、

31 この地の豊作は後に来るききんのため、跡もわからなくなります。そのききんは、非常にきびしいからです。

32 夢が二度パロにくり返されたのは、このことが神によって定められ、神がすみやかにこれをなさるからです。

33 それゆえ、今、パロは、さとくて知恵のある人を見つけ、その者をエジプトの国の上に置かれますように。

34 パロは、国中の監督官を任命するよう行動を起こされ、豊作の七年間に、エジプトの地に、備えをなさいますように。

35 彼らにこれからの豊作の年のすべての食糧を集めさせ、パロの権威のもとに、町々に穀物をたくわえ、保管させるためです。

36 その食糧は、エジプトの国に起こる七年のききんのための、国のたくわえとなさいますように。この地がききんで滅びないためです。

37 このことは、パロとすべての家臣たちの心にかなった。

38 そこでパロは家臣たちに言った。「神の霊の宿っているこのような人を、ほかに見つけることができようか。」

39 パロはヨセフに言った。「神がこれらすべてのことをあなたに知らされたのであれば、あなたのように、さとくて知恵のある者はほかにはいない。

40 あなたは私の家を治めておくれ。私の民はみな、あなたの命令に従おう。私があなたにまさっているのは王位だけだ。」

41 パロはなおヨセフに言った。「さあ、私はあなたにエジプト全土を支配させよう。」

42 そこで、パロは自分の指輪を手から外して、それをヨセフの手にはめ、亜麻布の衣服を着せ、その首に金の首飾りを掛けた。

43 そして、自分の第二の車に彼を乗せた。そこで人々は彼の前で「ひざまずけ」と叫んだ。こうして彼にエジプト全土を支配させた。

44 パロはヨセフに言った。「私はパロだ。しかし、あなたの許しなくしては、エジプト中で、だれも手足を上げることもできない。」

45 パロはヨセフにツァフェナテ・パネアハという名を与え、オンの祭司ポティ・フェラの娘アセナテを彼の妻にした。こうしてヨセフはエジプトの地に知れ渡った。

46 ―ヨセフがエジプトのパロに仕えるようになったときは三十歳であった―ヨセフはパロの前を去ってエジプト全土を巡り歩いた。

47 さて、豊作の七年間に地は豊かに生産した。

48 そこで、ヨセフはエジプトの地に産した七年間の食糧をことごとく集め、あの食糧を町々にたくわえた。すなわち、町の周囲にある畑の食糧をおのおのその町の中にたくわえた。

49 ヨセフは穀物を海の砂のように非常に多くたくわえ、量りきれなくなったので、ついに量ることをやめた。

50 ききんの年の来る前に、ヨセフにふたりの子どもが生まれた。これらはオンの祭司ポティ・フェラの娘アセナテが産んだのである。

51 ヨセフは長子をマナセと名づけた。「神が私のすべての労苦と私の父の全家とを忘れさせた」からである。

52 また、二番目の子をエフライムと名づけた。「神が私の苦しみの地で私を実り多い者とされた」からである。

53 エジプトの地にあった豊作の七年が終わると、

54 ヨセフの言ったとおり、七年のききんが来始めた。そのききんはすべての国に臨んだが、エジプト全土には食物があった。

55 やがて、エジプト全土が飢えると、その民はパロに食物を求めて叫んだ。そこでパロは全エジプトに言った。「ヨセフのもとに行き、彼の言うとおりにせよ。」

56 ききんは全世界に及んだ。ききんがエジプトの国でひどくなったとき、ヨセフはすべての穀物倉をあけて、エジプトに売った。

57 また、ききんが全世界にひどくなったので、世界中が穀物を買うために、エジプトのヨセフのところに来た。

創世記 40章

創世記 40章


1 これらのことの後、エジプト王の献酌官と調理官とが、その主君、エジプト王に罪を犯した。

2 それでパロは、この献酌官長と調理官長のふたりの廷臣を怒り、

3 彼らを侍従長の家に拘留した。すなわちヨセフが監禁されている同じ監獄に入れた。

4 侍従長はヨセフを彼らの付き人にしたので、彼はその世話をした。こうして彼らは、しばらく拘留されていた。

5 さて、監獄に監禁されているエジプト王の献酌官と調理官とは、ふたりとも同じ夜にそれぞれ夢を見た。

6 朝、ヨセフが彼らのところに行って、よく見ると、彼らはいらいらしていた。

7 それで彼は、自分の主人の家にいっしょに拘留されているこのパロの廷臣たちに尋ねて、「なぜ、きょうはあなたがたの顔色が悪いのですか」と言った。

8 ふたりは彼に答えた。「私たちは夢を見たが、それを解き明かす人がいない。」ヨセフは彼らに言った。「それを解き明かすことは、神のなさることではありませんか。さあ、それを私に話してください。」

9 それで献酌官長はヨセフに自分の夢を話して言った。「夢の中で、見ると、私の前に一本のぶどうの木があった。

10 そのぶどうの木には三本のつるがあった。それが芽を出すと、すぐ花が咲き、ぶどうのふさが熟して、ぶどうになった。

11 私の手にはパロの杯があったから、私はそのぶどうを摘んで、それをパロの杯の中にしぼって入れ、その杯をパロの手にささげた。」

12 ヨセフは彼に言った。「その解き明かしはこうです。三本のつるは三日のことです。

13 三日のうちに、パロはあなたを呼び出し、あなたをもとの地位に戻すでしょう。あなたは、パロの献酌官であったときの以前の規定に従って、パロの杯をその手にささげましょう。

14 あなたがしあわせになったときには、きっと私を思い出してください。私に恵みを施してください。私のことをパロに話してください。この家から私が出られるようにしてください。

15 実は私は、ヘブル人の国から、さらわれて来たのです。ここでも私は投獄されるようなことは何もしていないのです。」

16 調理官長は、解き明かしが良かったのを見て、ヨセフに言った。「私も夢の中で、見ると、私の頭の上に枝編みのかごが三つあった。

17 一番上のかごには、パロのために調理官が作ったあらゆる食べ物が入っていたが、鳥が私の頭の上のかごの中から、それを食べてしまった。」

18 ヨセフは答えて言った。「その解き明かしはこうです。三つのかごは三日のことです。

19 三日のうちに、パロはあなたを呼び出し、あなたを木につるし、鳥があなたの肉をむしり取って食うでしょう。」

20 三日目はパロの誕生日であった。それで彼は、自分のすべての家臣たちのために祝宴を張り、献酌官長と調理官長とをその家臣たちの中に呼び戻した。

21 そうして、献酌官長をその献酌の役に戻したので、彼はその杯をパロの手にささげた。

22 しかしパロは、ヨセフが解き明かしたように、調理官長を木につるした。

23 ところが献酌官長はヨセフのことを思い出さず、彼のことを忘れてしまった。

創世記 39章

創世記 39章


1 ヨセフがエジプトへ連れて行かれたとき、パロの廷臣で侍従長のポティファルというひとりのエジプト人が、ヨセフをそこに連れて下って来たイシュマエル人の手からヨセフを買い取った。

2 主がヨセフとともにおられたので、彼は幸運な人となり、そのエジプト人の主人の家にいた。

3 彼の主人は、主が彼とともにおられ、主が彼のすることすべてを成功させてくださるのを見た。

4 それでヨセフは主人にことのほか愛され、主人は彼を側近の者とし、その家を管理させ、彼の全財産をヨセフの手にゆだねた。

5 主人が彼に、その家と全財産とを管理させた時から、主はヨセフのゆえに、このエジプト人の家を祝福された。それで主の祝福が、家や野にある、全財産の上にあった。

6 彼はヨセフの手に全財産をゆだね、自分の食べる食物以外には、何も気を使わなかった。しかもヨセフは体格も良く、美男子であった。

7 これらのことの後、主人の妻はヨセフに目をつけて、「私と寝ておくれ」と言った。

8 しかし、彼は拒んで主人の妻に言った。「ご覧ください。私の主人は、家の中のことは何でも私に任せ、気を使わず、全財産を私の手にゆだねられました。

9 ご主人は、この家の中では私より大きな権威をふるおうとはされず、あなた以外には、何も私に差し止めてはおられません。あなたがご主人の奥さまだからです。どうして、そのような大きな悪事をして、私は神に罪を犯すことができましょうか。」

10 それでも彼女は毎日、ヨセフに言い寄ったが、彼は、聞き入れず、彼女のそばに寝ることも、彼女といっしょにいることもしなかった。

11 ある日のこと、彼が仕事をしようとして家に入ると、家の中には、家の者どもがひとりもそこにいなかった。

12 それで彼女はヨセフの上着をつかんで、「私と寝ておくれ」と言った。しかしヨセフはその上着を彼女の手に残し、逃げて外へ出た。

13 彼が上着を彼女の手に残して外へ逃げたのを見ると、

14 彼女は、その家の者どもを呼び寄せ、彼らにこう言った。「ご覧。主人は私たちをもてあそぶためにヘブル人を私たちのところに連れ込んだのです。あの男が私と寝ようとして入って来たので、私は大声をあげたのです。

15 私が声をあげて叫んだのを聞いて、あの男は私のそばに自分の上着を残し、逃げて外へ出て行きました。」

16 彼女は、主人が家に帰って来るまで、その上着を自分のそばに置いていた。

17 こうして彼女は主人に、このように告げて言った。「あなたが私たちのところに連れて来られたヘブル人の奴隷は、私にいたずらをしようとして私のところに入って来ました。

18 私が声をあげて叫んだので、私のそばに上着を残して外へ逃げました。」

19 主人は妻が、「あなたの奴隷は私にこのようなことをしたのです」と言って、告げたことばを聞いて、怒りに燃えた。

20 ヨセフの主人は彼を捕らえ、王の囚人が監禁されている監獄に彼を入れた。こうして彼は監獄にいた。

21 しかし、主はヨセフとともにおられ、彼に恵みを施し、監獄の長の心にかなうようにされた。

22 それで監獄の長は、その監獄にいるすべての囚人をヨセフの手にゆだねた。ヨセフはそこでなされるすべてのことを管理するようになった。

23 監獄の長は、ヨセフの手に任せたことについては何も干渉しなかった。それは主が彼とともにおられ、彼が何をしても、主がそれを成功させてくださったからである。

創世記 38章

創世記 38章


1 そのころのことであった。ユダは兄弟たちから離れて下って行き、その名をヒラというアドラム人の近くで天幕を張った。

2 そこでユダは、あるカナン人で、その名をシュアという人の娘を見そめ、彼女をめとって彼女のところに入った。

3 彼女はみごもり、男の子を産んだ。彼はその子をエルと名づけた。

4 彼女はまたみごもって、男の子を産み、その子をオナンと名づけた。

5 彼女はさらにまた男の子を産み、その子をシェラと名づけた。彼女がシェラを産んだとき、彼はケジブにいた。

6 ユダは、その長子エルにタマルという妻を迎えた。

7 しかしユダの長子エルは主を怒らせていたので、主は彼を殺した。

8 それでユダはオナンに言った。「あなたは兄嫁のところに入り、義弟としての務めを果たしなさい。そしてあなたの兄のために子孫を起こすようにしなさい。」

9 しかしオナンは、その生まれる子が自分のものとならないのを知っていたので、兄に子孫を与えないために、兄嫁のところに入ると、地に流していた。

10 彼のしたことは主を怒らせたので、主は彼をも殺した。

11 そこでユダは、嫁のタマルに、「わが子シェラが成人するまで、あなたの父の家でやもめのままでいなさい」と言った。

12 かなり日がたって、シュアの娘であったユダの妻が死んだ。その喪が明けたとき、ユダは、羊の群れの毛を切るために、その友人でアドラム人のヒラといっしょに、ティムナへ上って行った。

13 そのとき、タマルに、「ご覧。あなたのしゅうとが羊の毛を切るためにティムナに上って来ていますよ」と告げる者があった。

14 それでタマルは、やもめの服を脱ぎ、ベールをかぶり、着替えをして、ティムナへの道にあるエナイムの入口にすわっていた。それはシェラが成人したのに、自分がその妻にされないのを知っていたからである。

15 ユダは彼女を見たとき、彼女が顔をおおっていたので遊女だと思い、

16 道ばたの彼女のところに行き、「さあ、あなたのところに入ろう」と言った。彼はその女が自分の嫁だとは知らなかったからである。彼女は、「私のところにお入りになれば、何を私に下さいますか」と言った。

17 彼が、「群れの中から子やぎを送ろう」と言うと、彼女は、「それを送ってくださるまで、何かおしるしを下されば」と言った。

18 それで彼が、「しるしとして何をあげようか」と言うと、「あなたの印形とひもと、あなたが手にしている杖」と答えた。そこで彼はそれを与えて、彼女のところに入った。こうしてタマルは彼によってみごもった。

19 彼女は立ち去って、そのベールをはずし、またやもめの服を着た。

20 ユダは、彼女の手からしるしを取り戻そうと、アドラム人の友人に託して、子やぎを送ったが、彼はその女を見つけることができなかった。

21 その友人は、そこの人々に尋ねて、「エナイムの道ばたにいた遊女はどこにいますか」と言うと、彼らは、「ここには遊女はいたことがない」と答えた。

22 それで彼はユダのところに帰って来て言った。「あの女は見つかりませんでした。あそこの人たちも、ここには遊女はいたことがない、と言いました。」

23 ユダは言った。「われわれが笑いぐさにならないために、あの女にそのまま取らせておこう。私はこのとおり、この子やぎを送ったのに、あなたがあの女を見つけなかったのだから。」

24 約三か月して、ユダに、「あなたの嫁のタマルが売春をし、そのうえ、お聞きください、その売春によってみごもっているのです」と告げる者があった。そこでユダは言った。「あの女を引き出して、焼き殺せ。」

25 彼女が引き出されたとき、彼女はしゅうとのところに使いをやり、「これらの品々の持ち主によって、私はみごもったのです」と言わせた。そしてまた彼女は言った。「これらの印形とひもと杖とが、だれのものかをお調べください。」

26 ユダはこれを見定めて言った。「あの女は私よりも正しい。私が彼女にわが子シェラを与えなかったことによるものだ。」それで彼は再び彼女を知ろうとはしなかった。

27 彼女の出産の時になると、なんと、ふたごがその胎内にいた。

28 出産のとき、一つの手が出て来たので、助産婦はそれをつかみ、その手に真っ赤な糸を結びつけて言った。「この子が最初に出て来たのです。」

29 しかし、その子が手を引っ込めたとき、もうひとりの兄弟のほうが出て来た。それで彼女は、「あなたは何であなたのために割り込むのです」と言った。それでその名はペレツと呼ばれた。

30 そのあとで、真っ赤な糸をつけたもうひとりの兄弟が出て来た。それでその名はゼラフと呼ばれた。

創世記 37章

創世記 37章


1 ヤコブは、父が一時滞在していた地、カナンの地に住んでいた。

2 これはヤコブの歴史である。ヨセフは十七歳のとき、彼の兄たちと羊の群れを飼っていた。彼はまだ手伝いで、父の妻ビルハの子らやジルパの子らといっしょにいた。ヨセフは彼らの悪いうわさを父に告げた。

3 イスラエルは、彼の息子たちのだれよりもヨセフを愛していた。それはヨセフが彼の年寄り子であったからである。それで彼はヨセフに、そでつきの長服を作ってやっていた。

4 彼の兄たちは、父が兄弟たちのだれよりも彼を愛しているのを見て、彼を憎み、彼と穏やかに話すことができなかった。

5 あるとき、ヨセフは夢を見て、それを兄たちに告げた。すると彼らは、ますます彼を憎むようになった。

6 ヨセフは彼らに言った。「どうか私の見たこの夢を聞いてください。

7 見ると、私たちは畑で束をたばねていました。すると突然、私の束が立ち上がり、しかもまっすぐに立っているのです。見ると、あなたがたの束が回りに来て、私の束におじぎをしました。」

8 兄たちは彼に言った。「おまえは私たちを治める王になろうとするのか。私たちを支配しようとでも言うのか。」こうして彼らは、夢のことや、ことばのことで、彼をますます憎むようになった。

9 ヨセフはまた、ほかの夢を見て、それを兄たちに話した。彼は、「また、私は夢を見ましたよ。見ると、太陽と月と十一の星が私を伏し拝んでいるのです」と言った。

10 ヨセフが父や兄たちに話したとき、父は彼をしかって言った。「おまえの見た夢は、いったい何なのだ。私やおまえの母上、兄さんたちが、おまえのところに進み出て、地に伏しておまえを拝むとでも言うのか。」

11 兄たちは彼をねたんだが、父はこのことを心に留めていた。

12 その後、兄たちはシュケムで父の羊の群れを飼うために出かけて行った。

13 それで、イスラエルはヨセフに言った。「おまえの兄さんたちはシェケムで群れを飼っている。さあ、あの人たちのところに使いに行ってもらいたい。」すると答えた。「はい。まいります。」

14 また言った。「さあ、行って兄さんたちや、羊の群れが無事であるかを見て、そのことを私に知らせに帰って来ておくれ。」こうして彼をヘブロンの谷から使いにやった。それで彼はシェケムに行った。

15 彼が野をさまよっていると、ひとりの人が彼に出会った。その人は尋ねて言った。「何を捜しているのですか。」

16 ヨセフは言った。「私は兄たちを捜しているところです。どこで群れを飼っているか教えてください。」

17 するとその人は言った。「ここから、もう立って行ったはずです。あの人たちが、『ドタンのほうに行こうではないか』と言っているのを私が聞いたからです。」そこでヨセフは兄たちのあとを追って行き、ドタンで彼らを見つけた。

18 彼らは、ヨセフが彼らの近くに来ないうちに、はるかかなたに、彼を見て、彼を殺そうとたくらんだ。

19 彼らは互いに言った。「見ろ。あの夢見る者がやって来る。

20 さあ、今こそ彼を殺し、どこかの穴に投げ込んで、悪い獣が食い殺したと言おう。そして、あれの夢がどうなるかを見ようではないか。」

21 しかし、ルベンはこれを聞き、彼らの手から彼を救い出そうとして、「あの子のいのちを打ってはならない」と言った。

22 ルベンはさらに言った。「血を流してはならない。彼を荒野のこの穴に投げ込みなさい。彼に手を下してはならない。」ヨセフを彼らの手から救い出し、父のところに返すためであった。

23 ヨセフが兄たちのところに来たとき、彼らはヨセフの長服、彼が着ていたそでつきの長服をはぎ取り、

24 彼を捕らえて、穴の中に投げ込んだ。その穴はからで、その中には水がなかった。

25 それから彼らはすわって食事をした。彼らが目を上げて見ると、そこに、イシュマエル人の隊商がギルアデから来ていた。らくだには樹膠と乳香と没薬を背負わせ、彼らはエジプトへ下って行くところであった。

26 すると、ユダが兄弟たちに言った。「弟を殺し、その血を隠したとて、何の益になろう。

27 さあ、ヨセフをイシュマエル人に売ろう。われわれが彼に手をかけてはならない。彼はわれわれの肉親の弟だから。」兄弟たちは彼の言うことを聞き入れた。

28 そのとき、ミデヤン人の商人が通りかかった。それで彼らはヨセフを穴から引き上げ、ヨセフを銀二十枚でイシュマエル人に売った。イシュマエル人はヨセフをエジプトへ連れて行った。

29 さて、ルベンが穴のところに帰って来ると、なんと、ヨセフは穴の中にいなかった。彼は自分の着物を引き裂き、

30 兄弟たちのところに戻って、言った。「あの子がいない。ああ、私はどこへ行ったらよいのか。」

31 彼らはヨセフの長服を取り、雄やぎをほふって、その血に、その長服を浸した。

32 彼らはヨセフの長服を父のところに持って行き、彼らは、「これを私たちが見つけました。どうか、あなたの子の長服であるかどうか、お調べになってください」と言った。

33 父は、それを調べて、言った。「これはわが子の長服だ。悪い獣にやられたのだ。ヨセフはかみ裂かれたのだ。」

34 ヤコブは自分の着物を引き裂き、荒布を腰にまとい、幾日もの間、その子のために泣き悲しんだ。

35 彼の息子、娘たちがみな、来て、父を慰めたが、彼は慰められることを拒み、「私は、泣き悲しみながら、よみにいるわが子のところに下って行きたい」と言った。こうして父は、その子のために泣いた。

36 あのミデヤン人はエジプトで、パロの廷臣、その侍従長ポティファルにヨセフを売った。

創世記 36章

創世記 36章


1 これはエサウ、すなわちエドムの歴史である。

2 エサウはカナンの女の中から妻をめとった。すなわちヘテ人エロンの娘アダと、ヒビ人ツィブオンの子アナの娘オホリバマ。

3 それにイシュマエルの娘でネバヨテの妹バセマテである。

4 アダがエサウにエリファズを産み、バセマテはレウエルを産み、

5 オホリバマはエウシュ、ヤラム、コラを産んだ。これらはカナンの地で生まれたエサウの子である。

6 エサウは、その妻たち、息子、娘たち、その家のすべての者、その群れとすべての家畜、カナンの地で得た全財産を携え、弟ヤコブから離れてほかの地へ行った。

7 それは、ふたりが共に住むには彼らの持ち物が多すぎて、彼らが滞在していた地は、彼らの群れのために、彼らをささえることができなかったからである。

8 それでエサウはセイルの山地に住みついたのである。エサウとはすなわちエドムである。

9 これがセイルの山地にいたエドム人の先祖エサウの系図である。

10 エサウの子の名は次のとおり。エサウの妻アダの子エファズ、エサウの妻バセマテの子レウエル。

11 エリファズの子はテマン、オマル、ツェフォ、ダカム、ケナズである。

12 ティムナはエサウの子エリファズのそばめで、エリファズにアマレクを産んだ。これらはエサウの妻アダの子である。

13 レウエルの子は次のとおり。ナハテ、ゼラフ、シャマ、ミザ。これらはエサウの妻バセマテの子であった。

14 ツィブオンの子アナの娘でエサウの妻のオホリバマの子は次のとおり。彼女はエサウにエウシャとヤラムとコラを産んだ。

15 エサウの子で首長は次のとおり。エサウの長子エリファズの子であh、首長テマン、首長オマル、首長ツェフォ、首長ケナズ、

16 首長コラ、首長ガタム、首長アマレクである。これらはエドムの地にいるエリファズから出た首長で、アダの子である。

17 エサウの子レウエルの子では、次のとおり。首長ナハテ、首長ゼラフ、首長シャマ、首長ミザ。これらはエドムの地でレウエルから出た首長で、エサウの妻パセマテの子である。

18 エサウの妻オホリバマの子では、次のとおり。首長エウシュ、首長ヤラム、首長コラである。これらはエサウの妻でアナの娘であるオホリバマから出た首長である。

19 これらはエサウ、すなわちエドムの子で、彼らの首長である。

20 この地の住民ホリ人セイルの子は次のとおり。ロタン、ショバル、ツィブオン、アナ、

21 ディション、エツェル、ディシャンで、これらはエドムの地にいるセイルの子ホリ人の首長である。

22 ロタンの子はホリ、ヘマム。ロタンの妹はティムナであった。

23 ショバルの子は次のとおり。アルワン、マナハテ、エバル、シェフォ、オナム。

24 ツィブオンの子は次のとおり。アヤ、アナ。このアナは父ツィブオンのろばを飼っていたとき荒野で温泉を発見したアナである。

25 アナの子は次のとおり、ディションと、アナの娘オホリバマ。

26 ディションの子は次のとおり。ヘムダン、エシュバン、イテラン、ケラン。

27 エツェルの子は次のとおり。ビルハン、ザアワン、アカン。

28 ディシャンの子は次のとおり。ウツ、アラン。

29 ホリ人の首長は次のとおり。首長ロタン、首長ショバル、首長ツィブオン、首長アナ、

30 首長ディション、首長エツェル、首長ディシャン。これらはホリ人の首長で、セイルの地の首長である。

31 イスラエル人の王が治める以前、エドムの地で治めた王は次のとおり。

32 ベオルの子ベラがエドムで治め、その町の名はディヌハバであった。

33 ベラが死ぬと、代わりにボツラから出たゼラフの子ヨバブが王となった。

34 ヨバブが死ぬと、代わりにテマン人の地から出たフシャムが王となった。

35 フシャムが死ぬと、代わりに、モアブの野でミデヤン人を打ち破ったベダデの子ハダデが王となった。その町の名はアビテであった。

36 ハダデが死ぬと、代わりにマスレカから出たサムラが王となった。

37 サムラが死ぬと、代わりにレホボテ・ハナハルから出たサウルが王となった。

38 サウルが死ぬと、代わりにアクボルの子バアル・ハナンが王となった。

39 アクボルの子バアル・ハナンが死ぬと、代わりにハダルが王となった。その町の名はパウであった。彼の妻の名はメヘタブエルで、メ・ザハブの娘マテレデの娘であった。

40 エサウから出た首長の名は、その氏族とその場所によって、その名をあげると次のとおり。首長ティムナ、首長アルワ、首長エテテ、

41 首長オホリバマ、首長エラ、首長ピノン、

42 首長ケナズ、首長テマン、首長ミブツァル、

43 首長マグディエル、首長イラム。これらの者は、彼らの所有地での部落ごとにあげた。エドムの首長たちである。エドム人の先祖はエサウである。

創世記 35章

創世記 35章


1 神はヤコブに仰せられた。「立ってベテルに上り、そこに住みなさい。そしてそこに、あなたの兄エサウからのがれていたとき、あなたに現れた神のために祭壇を築きなさい。」

2 それでヤコブは自分の家族と、自分といっしょにいるすべての者とに言った。「あなたがたの中にある異国の神々を取り除き、身をきよめ、着物を着替えなさい。

3 そうして私たちは立って、ベテルに上って行こう。私はそこで、私の苦難の日に私に答え、私の歩いた道に、いつも私とともにおられた神に祭壇を築こう。」

4 彼らは手にしていたすべての異国の神々と、耳につけていた耳輪とをヤコブに渡した。それでヤコブはそれらをシェケムの近くにある樫の木の下に隠した。

5 彼らが旅立つと、神からの恐怖が回りの町々に下ったので、彼らはヤコブの子らのあとを追わなかった。

6 ヤコブは、自分とともにいたすべての人々といっしょに、カナンの地にあるルズ、すなわち、ベテルに来た。

7 ヤコブはそこに祭壇を築き、その場所をエル・ベテルと呼んだ。それはヤコブが兄からのがれていたとき、神がそこで彼に現れたからである。

8 リベカのうばデボラは死に、ベテルの下手にある樫の木に葬られた。それでその木の名はアロン・バクテと呼ばれた。

9 こうしてヤコブがパダン・アラムから帰って来たとき、神は再び彼に現れ、彼を祝福された。

10 神は彼に仰せられた。「あなたの名はヤコブであるが、あなたの名は、もう、ヤコブと呼んではならない。あなたの名はイスラエルでなければならない。」それで彼は自分の名をイスラエルと呼んだ。

11 神はまた彼に仰せられた。「わたしは全能の神である。生めよ。ふえよ。一つの国民、諸国の民のつどいが、あなたから出て、王たちがあなたの腰から出る。

12 わたしはアブラハムとイサクに与えた地を、あなたに与え、あなたの後の子孫にもその地を与えよう。」

13 神は彼に語られたその所で、彼を離れて上られた。

14 ヤコブは、神が彼に語られたその場所に柱、すなわち、石の柱を立て、その上に注ぎのぶどう酒を注ぎ、またその上に油をそそいだ。

15 ヤコブは、神が自分と語られたその所をベテルと名づけた。

16 彼らがベテルを旅立って、エフラテまで行くにはまだかなりの道のりがあるとき、ラケルは産気づいて、ひどい陣痛で苦しんだ。

17 彼女がひどい陣痛で苦しんでいるとき、助産婦は彼女に、「心配なさるな。今度も男のお子さんです」と告げた。

18 彼女が死に臨み、そのたましいが離れ去ろうとするとき、彼女はその子の名をベン・オニと呼んだ。しかし、その子の父はベニヤミンと名づけた。

19 こうしてラケルは死んだ。彼女はエフラテ、今日のベツレヘムへの道に葬られた。

20 ヤコブは彼女の墓の上に石の柱を立てた。それはラケルの墓の石の柱として今日に至っている。

21 イスラエルは旅を続け、ミグダル・エデルのかなたに天幕を張った。

22 イスラエルがその地に住んでいたころ、ルベンは父のそばめビルハのところに行って、これと寝た。イスラエルはこのことを聞いた。さて、ヤコブの子は十二人であった。

23 レアの子はヤコブの長子ルベン、シメオン、レビ、ユダ、イッサカル、ゼブルン。

24 ラケルの子はヨセフとベニヤミン。

25 ラケルの女奴隷ビルハの子はダンとナフタリ。

26 レアの女奴隷ジルパの子はガドとアシェル。これらはパダン・アラムでヤコブに生まれた彼の子たちである。

27 ヤコブはキルヤテ・アルバ、すなわちヘブロンのマムレにいた父イサクのところに行った。そこはアブラハムとイサクが一時、滞在した所である。

28 イサクの一生は百八十年であった。

29 イサクは息が絶えて死んだ。彼は年老いて長寿を全うして自分の民に加えられた。彼の子エサウとヤコブが彼を葬った。

創世記 34章

創世記 34章


1 レアがヤコブに産んだ娘ディナがその土地の娘たちを訪ねようとして出かけた。

2 すると、その土地の族長のヒビ人ハモルの子シェケムは彼女を見て、これを捕らえ、これと寝てはずかしめた。

3 彼はヤコブの娘ディナに心をひかれ、この娘を愛し、ねんごろにこの娘に語った。

4 シェケムは父のハモルに願って言った。「この女の人を私の妻にもらってください。」

5 ヤコブも、彼が自分の娘ディナを汚したことを聞いた。息子たちはそのとき、家畜といっしょに野にいた。ヤコブは彼らが帰って来るまで黙っていた。

6 シェケムの父ハモルは、ヤコブと話し合うために出て来た。

7 ヤコブの息子たちが、野から帰って来て、これを聞いた。人々は心を痛め、ひどく怒った。シェケムがヤコブの娘と寝て、イスラエルの中で恥ずべきことを行ったからである。このようなことは許されないことである。

8 ハモルは彼らに話して言った。「私の息子シェケムは心からあなたがたの娘を恋い慕っております。どうか彼女を息子の嫁にしてください。

9 私たちは互いに縁を結びましょう。あなたがたの娘を私たちのところにとつがせ、私たちの娘をあなたがたがめとってください。

10 そうすれば、あなたがたは私たちとともに住み、この土地はあなたがたの前に開放されているのです。ここに住み、自由に行き来し、ここに土地を得てください。」

11 シェケムも彼女の父や兄弟たちに言った。「私はあなたがたのご好意にあずかりたいのです。あなたがたが私におっしゃる物を何でも差し上げます。

12 どんなに高い花嫁料と贈り物を私に求められても、あなたがたがおっしゃるとおり差し上げますから、どうか、あの人を私の妻に下さい。」

13 ヤコブの息子たちは、シェケムとその父ハモルに答えるとき、シェケムが自分たちの妹ディナを汚したので、悪巧みをたくらんで、

14 彼らに言った。「割礼を受けていない者に、私たちの妹をやるような、そのようなことは、私たちにはできません。それは、私たちにとっては非難の的ですから。

15 ただ次の条件であなたがたに同意しましょう。それは、あなたがたの男子がみな、割礼を受けて、私たちと同じようになることです。

16 そうすれば、私たちの娘たちをあなたがたに与え、あなたがたの娘たちを私たちがめとります。そうして私たちはあなたがたとともに住み、私たちは一つの民となりましょう。

17 もし、私たちの言うことを聞かず、割礼を受けないならば、私たちは娘を連れて、ここを去ります。」

18 彼らの言ったことは、ハモルとハモルの子シェケムの心にかなった。

19 この若者は、ためらわずにこのことを実行した。彼はヤコブの娘を愛しており、また父の家のだれよりも彼は敬われていたからである。

20 ハモルとその子シェケムは、自分たちの町の門に行き、町の人々に告げて言った。

21 「あの人たちは私たちと友だちである。だから、あの人たちをこの地に住まわせ、この地を自由に行き来させよう。この地は彼らが来ても十分広いから。私たちは彼らの娘たちをめとり、私たちの娘たちを彼らにとつがせよう。

22 ただ次の条件で、あの人たちは私たちとともに住み、一つの民となることに同意した。それは彼らが割礼を受けているように、私たちのすべての男子が割礼を受けることである。

23 そうすれば、彼らの群れや財産、それにすべての彼らの家畜も、私たちのものになるではないか。さあ、彼らに同意しよう。そうすれば彼らは私たちとともに住まおう。」

24 その町の門に出入りする者はみな、ハモルとその子シェケムの言うことを聞き入れ、その町の門に出入りする者のすべての男子は割礼を受けた。

25 三日目になって、ちょうど彼らの傷が痛んでいるとき、ヤコブのふたりの息子、ディナの兄シメオンとレビとが、それぞれ剣を取って、難なくその町を襲い、すべての男子を殺した。

26 こうして彼らは、ハモルとその子シェケムとを剣の刃で殺し、シェケムの家からディナを連れ出して行った。

27 ヤコブの子らは、刺し殺された者を襲い、その町を略奪した。それは自分たちの妹が汚されたからである。

28 彼らは、その人たちの羊や、牛や、ろば、それに町にあるもの、野にあるものを奪い、

29 その人たちの全財産、幼子、妻たち、それに家にあるすべてのものを、とりこにし、略奪した。

30 それでヤコブはシメオンとレビに言った。「あなたがたは、私に困ったことをしてくれて、私をこの地の住民カナン人とペリジ人の憎まれ者にしてしまった。私には少人数しかいない。彼らがいっしょに集まって私を攻め、私を打つならば、私もw足しの家の者も根絶やしにされるであろう。」

31 彼らは言った。「私たちの妹が遊女のように取り扱われてもいいのですか。」

創世記 33章

創世記 33章


1 ヤコブが目を上げて見ると、見よ、エサウが四百人の者を引き連れてやって来ていた。ヤコブは子どもたちをそれぞれレアとラケルとふたりの女奴隷とに分け、

2 女奴隷たちとその子どもたちを先頭に、レアとその子どもたちをそのあとに、ラケルとヨセフを最後に置いた。

3 ヤコブ自身は、彼らの先に立って進んだ。彼は、兄に近づくまで、七回も地に伏しておじぎをした。

4 エサウは彼を迎えに走って来て、彼をいだき、首に抱きついて口づけし、ふたりは泣いた。

5 エサウは目を上げ、女たちや子どもたちを見て、「この人たちは、あなたの何なのか」と尋ねた。ヤコブは、「神があなたのしもべに恵んでくださった子どもたちです」と答えた。

6 それから女奴隷とその子どもたちは進み出て、おじぎをした。

7 次にレアもその子どもたちと進み出て、おじぎをした。ヨセフとラケルが進み出て、ていねいにおじぎをした。

8 それからエサウは、「私が出会ったこの一団はみな、いったい、どういうものなのか」と尋ねた。するとヤコブは、「あなたのご好意を得るためです」と答えた。

9 エサウは、「弟よ。私はたくさん持っている。あなたのものは、あなたのものにしておきなさい」と言った。

10 ヤコブは答えた。「いいえ。もしお気に召したら、どうか私の手から私の贈り物を受け取ってください。私はあなたの顔を、神の御顔を見るように見ています。あなたが私を快く受け入れてくださいましたから。

11 どうか、私が持って来たこの祝いの品を受け取ってください。神が私を恵んでくださったので、私はたくさん持っていますから。」ヤコブがしきりに勧めたので、エサウは受け取った。

12 エサウが、「さあ、旅を続けて行こう。私はあなたのすぐ前に立って行こう」と言うと、

13 ヤコブは彼に言った。「あなたもご存じのように、子どもたちは弱く、乳を飲ませている羊や牛は私が世話をします。一日でも、ひどく追い立てると、この群れは全部、死んでしまいます。

14 あなたは、しもべよりずっと先に進んで行ってください。私は、私の前に行く家畜や子どもたちの歩みに合わせて、ゆっくり旅を続け、あなたのところ、セイルへまいります。」

15 それでエサウは言った。「では、私が連れている者の幾人かを、あなたに使ってもらうことにしよう。」ヤコブは言った。「どうしてそんなことまで。私はあなたのご好意に十分あずかっております。」

16 エサウは、その日、セイルへ帰って行った。

17 ヤコブはスコテへ移って行き、そこで自分のために家を建て、家畜のためには小屋を作った。それゆえ、その所の名はスコテと呼ばれた。

18 こうしてヤコブは、パダン・アラムからの帰途、カナンの地にあるシェケムの町に無事に着き、その町の手前で宿営した。

19 そして彼が天幕を張った野の一部を、シェケムの父ハモルの子らの手から百ケシタで買い取った。

20 彼はそこに祭壇を築き、それをエル・エロヘ・イスラエルと名づけた。

創世記 32章

創世記 32章


1 さてヤコブが旅を続けていると、神の使いたちが彼に現れた。

2 ヤコブは彼らを見たとき、「ここは神の陣営だ」と言って、その所の名をマハナイムと呼んだ。

3 ヤコブはセイルの地、エドムの野にいる兄のエサウに、前もって使者を送った。

4 そして彼らに命じてこう言った。「あなたがたは私の主人エサウにこう伝えなさい。『あなたのしもべヤコブはこう申しました。私はラバンのもとに寄留し、今までとどまっていました。

5 私は牛、ろば、羊、男女の奴隷を持っています。それでご主人にお知らせして、あなたのご好意を得ようと使いを送ったのです。』」

6 使者はヤコブのもとに帰って言った。「私たちはあなたの兄上エサウのもとに行って来ました。あの方も、あなたを迎えに四百人を引き連れてやって来られます。」

7 そこでヤコブは非常に恐れ、心配した。それで彼はいっしょにいる人々や、羊や牛やらくだを二つの宿営に分けて、

8 「たといエサウが来て、一つの宿営を打っても、残りの一つの宿営はのがれられよう」と言った。

9 そうしてヤコブは言った。「私の父アブラハムの神、私の父イサクの神よ。かつて私に『あなたの生まれ故郷に帰れ。わたしはあなたをしあわせにする』と仰せられた主よ。

10 私はあなたがしもべに賜ったすべての恵みとまことを受けるに足りない者です。私は自分の杖一本だけを持って、このヨルダンを渡りましたが、今は、二つの宿営を持つようになったのです。

11 どうか私の兄、エサウの手から私を救い出してください。彼が来て、私をはじめ母や子どもたちまで打ちはしないかと、私は彼を恐れているのです。

12 あなたはかつて『わたしは必ずあなたをしあわせにし、あなたの子孫を多くて数えきれない海の砂のようにする』と仰せられました。」

13 その夜をそこで過ごしてから、彼は手もとの物から兄エサウへの贈り物を選んだ。

14 すなわち雌やぎ二百頭、雄やぎ二十頭、雌羊二百頭、雄羊二十頭、

15 乳らくだ三十頭とその子、雌牛四十頭、雄牛十頭、雌ろば二十頭、雄ろば十頭。

16 彼は、一群れずつをそれぞれしもべたちの手に渡し、しもべたちに言った。「私の先に進め。群れと群れとの間には距離をおけ。」

17 また先頭の者には次のように命じた。「もし私の兄エサウがあなたに会い、『あなたはだれのものか。どこへ行くのか。あなたの前のこれらのものはだれのものか』と言って尋ねたら、

18 『あなたのしもべヤコブのものです。私のご主人エサウに贈る贈り物です。彼もまた、私たちのうしろにおります』と答えなければならない。」

19 彼は第二の者にも、第三の者にも、また群れ群れについて行くすべての者にも命じて言った。「あなたがたがエサウに出会ったときには、これと同じことを告げ、

20 そしてまた、『あなたのしもべヤコブは、私たちのうしろにおります』と言え。」ヤコブは、私より先に行く贈り物によって彼をなだめ、そうして後、彼の顔を見よう。もしや、彼は私を快く受け入れてくれるかもわからない、と思ったからである。

21 それで贈り物は彼より先を通って行き、彼は宿営地でその夜を過ごした。

22 しかし、彼はその夜のうちに起きて、ふたりの妻と、ふたりの女奴隷と、十一人の子どもたちを連れて、ヤボクの渡しを渡った。

23 彼らを連れて流れを渡らせ、自分の持ち物も渡らせた。

24 ヤコブはひとりだけ、あとに残った。すると、ある人が夜明けまで彼と格闘した。

25 ところが、その人は、ヤコブに勝てないのを見てとって、ヤコブのもものつがいを打ったので、その人と格闘しているうちに、ヤコブのもものつがいがはずれた。

26 するとその人は言った。「わたしを去らせよ。夜が明けるから。」しかし、ヤコブは答えた。「私はあなたを去らせません。私を祝福してくださらなければ。」

27 その人は言った。「あなたの名は何というのか。」彼は答えた。「ヤコブです。」

28 その人は言った。「あなたの名は、もうヤコブとは呼ばれない。イスラエルだ。あなたは神と戦い、人と戦って、勝ったからだ。」

29 ヤコブが、「どうかあなたの名を教えてください」と尋ねると、その人は、「いったい、なぜ、あなたはわたしの名を尋ねるのか」と言って、その場で彼を祝福した。

30 そこでヤコブは、この名をベヌエルと呼んだ。「私は顔と顔を合わせて神を見たのに、私のいのちは救われた」という意味である。

31 彼がペヌエルを通り過ぎたころ、太陽は彼の上に上ったが、彼はそのもものために足を引きずっていた。

32 それゆえ、イスラエル人は、今日まで、もものつがいの上の腰の筋肉を食べない。あの人がヤコブのもものつがい、腰の筋肉を打ったからである。

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