2010年12月17日金曜日

ルカの福音書 24章

ルカの福音書 24章


1 週の初めの日の明け方早く、女たちは、準備しておいた香料を持って墓に着いた。

2 見ると、石が墓からわきにころがしてあった。

3 入って見ると、主イエスのからだはなかった。

4 そのため女たちが途方にくれていると、見よ、まばゆいばかりの衣を着たふたりの人が、女たちの近くに来た。

5 恐ろしくなって、地面に顔を伏せていると、その人たちはこう言った。「あなたがたは、なぜ生きている方を死人の中で捜すのですか。

6 ここにはおられません。よみがえられたのです。まだガリラヤにおられたころ、お話になったことを思い出しなさい。

7 人の子は必ず罪人らの手に引き渡され、十字架につけられ、三日目によみがえらなければならない、と言われたでしょう。」

8 女たちはイエスのみことばを思い出した。

9 そして、墓から戻って、十一弟子とそのほかの人たち全部に、一部始終を報告した。

10 この女たちは、マグダラのマリヤとヨハンナとヤコブの母マリヤとであった。彼女たちといっしょにいたほかの女たちも、このことを使徒たちに話した。

11 ところが使徒たちにはこの話はたわごとと思われたので、彼らは女たちを信用しなかった。

12 〔しかしペテロは、立ち上がると走って墓へ行き、かがんでのぞき込んだところ、亜麻布だけがあった。それで、この出来事に驚いて家に帰った。〕

13 ちょうどこの日、ふたりの弟子が、エルサレムから十一キロメートル余り離れたエオマという村に行く途中であった。

14 そして、ふたりでこのいっさいの出来事について話し合っていた。

15 話し合ったり、論じ合ったりしているうちに、イエスご自身が近づいて、彼らとともに道を歩いておられた。

16 しかしふたりの目はさえぎられていて、イエスだとはわからなかった。

17 イエスは彼らに言われた。「歩きながらふたりで話し合っているその話は、何のことですか。」すると、ふたりは暗い顔つきになって、立ち止まった。

18 クレオパというほうが答えて言った。「エルサレムにいながら、近ごろそこで起こった事を、あなただけがしらなかったのですか。」

19 イエスが、「どんな事ですか」と聞かれると、ふたりは答えた。「ナザレ人イエスのことです。この方は、神とすべての民の前で、行いにもことばにも力のある預言者でした。

20 それなのに、私たちの祭司長や指導者たちは、この方を引き渡して、死刑に定め、十字架につけたのです。

21 しかし私たちは、この方こそイスラエルを贖ってくださるはずだ、と望みをかけていました。事実、そればかりでなく、その事があってから三日目になりますが、

22 また仲間の女たちが私たちを驚かせました。その女たちは朝早く墓に行ってみましたが、

23 イエスのからだが見当たらないので、戻って来ました。そして御使いたちの幻を見たが、御使いたちがイエスは生きておられると告げた、と言うのです。

24 それで、仲間の何人かが墓に行ってみたのですが、はたして女たちの言ったとおりで、イエスさまは見当たらなかった、というのです。

25 するとイエスは言われた。「ああ、愚かな人たち。預言者たちの言ったすべてを信じない、心の鈍い人たち。

26 キリストは、必ず、そのような苦しみを受けて、それから、彼の栄光に入るはずではなかったのですか。」

27 それから、イエスは、モーセおよびすべての預言者から始めて、聖書全体の中で、ご自分について書いてある事がらを彼らに解き明かされた。

28 彼らは目的の村に近づいたが、イエスはまだ先へ行きそうなご様子であった。

29 それで、彼らが、「いっしょにお泊りください。そろそろ夕刻になりますし、日もおおかた傾きましたから」と言って無理に願ったので、イエスは彼らといっしょに泊まるために中に入られた。

30 彼らとともに食卓に着かれると、イエスはパンを取って祝福し、裂いて彼らに渡された。

31 それで、彼らの目が開かれ、イエスだとわかった。するとイエスは、彼らには見えなくなった。

32 そこでふたりは話し合った。「道々お話しになっている間も、聖書を説明してくださった間も、私たちの心はうちに燃えていたではないか。」

33 すぐさまふたりは立って、エルサレムに戻ってみると、十一使徒とその仲間が集まって、

34 「ほんとうに主はよみがえって、シモンにお姿を現された」と言っていた。

35 彼らも、道であったいろいろなことや、パンを裂かれたときにイエスだとわかった次第を話した。

36 これらのことを話している間に、イエスご自身が彼らの真ん中に立たれた。

37 彼らは驚き恐れて、霊を見ているのだと思った。

38 すると、イエスは言われた。「なぜ取り乱しているのですか。どうして心に疑いを起こすのですか。

39 わたしの手やわたしの足を見なさい。まさしくわたしです。わたしにさわって、よく見なさい。霊ならこんな肉や骨はありません。わたしは持っています。」

40 (異本)イエスはこう言われて、その手と足を彼らにお示しになった。

41 それでも、彼らは、うれしさのあまりまだ信じられず、不思議がっているので、イエスは、「ここに何か食べ物がありますか」と言われた。

42 それで、焼いた魚を一切れ差し上げると、

43 イエスは、彼らの前で、それを取って召し上がった。

44 さて、そこでイエスは言われた。「わたしがまだあなたがたといっしょにいたころ、あなたがたに話したことばはこうです。わたしについてモーセの律法と預言者と詩篇とに書いてあることは、必ず全部成就するということでした。」

45 そこで、イエスは、聖書を悟らせるために彼らの心を開いて、

46 こう言われた。「次のように買いてあります。キリストは苦しみを受け、三日目に死人の中からよみがえり、

47 その名によって、罪の赦しを得させる悔い改めが、エルサレムから始まってあらゆる国の人々に宣べ伝えられる。

48 あなたがたは、これらのことの証人です。

49 さあ、わたしは、わたしの父の約束してくださったものをあなたがたに送ります。あなたがたは、いと高き所から力を着せられるまでは、都にとどまっていなさい。」

50 それから、イエスは、彼らをベタニヤまで連れて行き、手を上げて祝福された。

51 そして祝福しながら、彼らから離れて行かれた。

52 彼らは、非常な喜びを抱いてエルサレムに帰り、

53 いつも宮にいて神をほめたたえていた。

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