2010年7月28日水曜日

申命記 12章

申命記 12章


1 これは、あなたがの父祖の神、主があなたに与えて所有させようとしておられる地で、あなたがたが生きるかぎり、守り行わなければないおきてと定めである。

2 あなたがたが所有する異邦の民が、その神々に仕えた場所は、高い山の上であっても、丘の上であっても、また青々と茂ったどの木の下であっても、それをことごとく必ず破壊しなければならない。

3 彼らの祭壇をこわし、石の柱を打ち砕き、アシェラ像を火で焼き、彼らの神々の彫像を粉砕して、それらの名をその場所から消し去りなさい。

4 ああなたがたの神、主に対して、このようにしてはならない。

5 ただあなたがたの神、主がご自分の住まいとして御名を置くために、あなたがたの全部族のうちから選ぶ場所を尋ねて、そこへ行かなければならない。

6 あなたがたは全焼のいけにえや、ほかのいけにえ、十分の一と、あなたがたの奉納物、誓願のささげ物、進んでささげるささげ物、あなたがたの牛や羊の初子を、そこに携えて行きなさい。

7 その所であなたがたは家族の者とともに、あなたがたの神、主の前で祝宴を張り、あなたの神、主が祝福してくださったあなたがたのすべての手のわざを喜び楽しみなさい。

8 あなたがたは、私たちがきょう、ここでしているようにしてはならない。おのおのが自分の正しいと見ることを何でもしている。

9 あなたがたがまだ、あなたの神、主のあなたに与えようとしておられる相続の安住地に行っていないからである。

10 あなたがたは、ヨルダンを渡り、あなたがたの神、主があなたがたに受け継がせようとしておられう地に住み、主があなたがたの回りの敵をことごとく取り除いてあなたがたを休ませ、あなたがたが安らかに住むようになるなら、

11 あなたがたの神、主が、御名を住まわせるために選ぶ場所へ、私があなたがたに命じるすべての物を持って行かなければならない。あなたがたの全焼のいけにえとそのほかのいけにえ、十分の一と、あなたがたの奉納物、それにあなたがたが主に誓う最良の誓願のささげ物とである。

12 あなたがたは、息子、娘、男奴隷、女奴隷とともに、あなたがたの神、主の前で喜び楽しみなさい。また、あなたがたの町囲みのうちにいるレビ人とも、そうしなさい。レビ人にはあなたがたにあるような相続地の割り当てがないからである。

13 全焼のいけにえを、かって気ままな場所でささげないように気をつけなさい。

14 ただ主があなたの部族の一つのうちに選ぶその場所で、あなたの全焼のいけにえをささげ、その所で私が命じるすべてのことをしなければならない。

15 しかしあなたの神、主があなたに賜った祝福にしたがって、いつでも自分の欲するとき、あなたのどの町囲みのうちでも、獣をほふってその肉を食べることができる。汚れた人も、きよい人も、かもしかや、鹿と同じように、それを食べることができる。

16 ただし、血は食べてはならない。それを地面の水のように注ぎ出さなければならない。

17 あなたの穀物や新しいぶどう酒や油の十分の一、あるいは牛や羊の初子、または、あなたが誓うすべての誓願のささげ物や進んでささげるささげ物、あるいは、あなたの奉納物を、あなたの町囲みのうちで食べることはできない。

18 ただ、あなたの神、主が選ぶ場所で、あなたの息子、娘、男奴隷、女奴隷、およびあなたの町囲みのうちにいるレビ人とともに、あなたの神、主の前でそれらを食べなければならない。あなたの神、主の前で、あなたの手のすべてのわざを喜び楽しみなさい。

19 あなたは一生、あなたの地で、レビ人をないがしろにしないように気をつけなさい。

20 あなたの神、主が、あなたに告げたように、あなたの領土を広くされるなら、あなたが肉を食べたくなったとき、「肉を食べたい」と言ってよい。あなたは食べたいだけ、肉を食べることができる。

21 もし、あなたの神、主が御名を置くために選ぶ場所が遠く離れているなら、私があなたに命じたように、あなたは主が与えられた牛と羊をほふり、あなたの町囲みのうちで、食べたいだけ食べてよい。

22 かもしかや、鹿を食べれるように、それを食べてよい。汚れた人もきよい人もいっしょにそれを食べることができる。

23 ただ、血は絶対に食べてはならない。

24 血を食べてはならない。それを水のように地面に注ぎ出さなければならない。

25 血を食べてはならない。あなたも、後の子孫もしあわせになるためである。あなたは主が正しいと見られることを行わなければならない。

26 ただし、あなたがささげようとする聖なるものと誓願のささげ物とは、主の選ぶ場所へ携えて行かなければならない。

27 あなたの全焼のいけにえはその肉と血とを、あなたの神、主の祭壇の上にささげなさい。あなたの、ほかのいけにえの地は、あなたの神、主の祭壇の上に注ぎ出さなければならない。その肉は食べてよい。

28 気をつけて、私が命じるこれらのすべてのことばに聞き従いなさい。それは、あなたの神、主がよいと見、正しいと見られることをあなたが行い、あなたも後の子孫も永久にしあわせになるためである。

29 あなたが、入って行って、所有しようとしている国々を、あなたの神、主が、あなたの前から絶ち滅ぼし、あなたがそれらを所有して、その地に住むようになったら、

30 よく気をつけ、彼らがあなたの前から根絶やしにされて後に、彼らにならって、わなにかけられないようにしなさい。彼らの神々を求めて、「これらの異邦の民は、どのように神々に仕えたのだろう。私もそうしてみよう」と言わないようにしなさい。

31 あなたの神、主に対して、このようにしてはならない。彼らは、主が憎むあらゆる忌みきらうべきことを、その神々に行い、自分たちの息子、娘を自分たちの神々のために、火で焼くことさえしたのである。

32 あなたがたは、私があなたがたに命じるすべてのことを守り行わなければならない。これにつけ加えてはならない。減らしてはならない。

申命記 11章

申命記 11章


1 あなたはあなたの神、主を愛し、いつも、主の戒めと、おきてと、定めと、命令を守りなさい。

2 きょう、知りなさい。私が語るのは、あなたがたの子どもたちにではない。彼らはあなたがたの神、主の訓練、主の偉大さ、その力強い御手、伸べられた腕、そのしるしとみわざを経験も、目撃もしなかった。

3 これらはエジプトで、エジプトの王パロとその全土に対してなさったこと、

4 また、エジプトの軍勢とその馬と戦車とに対してなさったことである。—彼らがあなたがたのあとを追って来たとき、葦の海の水を彼らの上にあふれさせ、主はこれを滅ぼして、今日に至っている—

5 また、あなたがたがこの所に来るまで、荒野であなたがたのためになさったこと、

6 また、ルベンの子エリアブの子であるダタンとアビラムに対してなさったことである。イスラエルのすべての人々のただ中で、地はその口をあけ、彼らとその家族、その天幕、また彼らにつくすべての生き物をのみこんだ。

7 これら主がなされた偉大なみわざのすべてをその目で見たのは、あなたがたである。

8 あなたがたは、私が、きょう、あなたに命じるすべての命令を守りなさい。そうすれば、あなたがたは、強くなり、あなたがたが、渡って行って、所有しようとしている地を所有することができ、

9 また、主があなたがたの先祖たちに誓って、彼らとその子孫に与えると言われた地、乳と蜜の流れる国で、長生きすることができる。

10 なぜなら、あなたが、入って行って、所有しようとしている地は、あなたがたが出て来たエジプトの地のようではないからである。あそこでは、野菜畑のように、自分で種を蒔き、自分の力で水をやらなければならなかった。

11 しかし、あなたがたが、渡って行って、所有しようとしている地は、山と谷の地であり、天の雨で潤っている。

12 そこはあなたの神、主が求めれられる地で、年の初めから年の終わりまで、あなたの神、主が、絶えずその上に目を留めておられる地である。

13 もし、私が、きょう、あなたがたに命じる命令に、あなたがたがよく聞き従って、あなたがたの神、主を愛し、心を尽くし、精神を尽くして仕えるなら、

14 「わたしは季節に従って、あなたがたの地に雨、先の雨と後の雨を与えよう。あなたは、あなたの穀物と新しいぶどう酒と油を集めよう。

15 また、わたしは、あなたの家畜のため野に草を与えよう。あなたは食べて満ち足りよう。」

16 気をつけなさい。あなたがたの心が迷い、横道にそれて、ほかの神々に仕え、それを拝むことがないように。

17 主の怒りがあなたがたに向かって燃え上がり、主が天を閉ざされないように。そうなると、雨は降らず、地はその産物を出さず、あなたがたは、主が与えようとしておられるその良い地から、すぐに滅び去ってしまおう。

18 あなたがたは、私のことばを心とたましいに刻みつけ、それをしるしとして手に結びつけ、記章として額の上に置きなさい。

19 それをあなたがたの子どもたちに教えなさい。あなたが家に座っているときも、道を歩くときも、寝るときも、起きるときも、それを唱えるように。

20 これをあなたの家の門柱と門に書きしるしなさい。

21 それは、主があなたがたの先祖たちに、与えると誓われた地で、あなたがたの日数と、あなたがたの子孫の日数が、天が地をおおう日数のように長くなるためである。

22 もし、あなたがたが、私の命じるこのすべての命令を忠実に守り行い、あなたがたの神、主を愛して、主のすべての道に歩み、主にすがるなら、

23 主はこれらの国々をことごとくあなたがたがの前から追い払い、あなたがたは、自分たちよりも大きくて強い国々を占領することができる。

24 あなたがたが足の裏で踏む所は、ことごとくあなたがたのものとなる。あなたがたの領土は荒野からレバノンまで、あの川、ユーフラテス川から西の海までとなる。

25 だれひとりとして、あなたがたの前に立ちはだかる者はいない。あなたがたの神、主は、あなたがたに約束されたとおり、あなたがたが足を踏み入れる地の全面に、あなたがたに対するおびえと恐れを臨ませられる。

26 見よ。私は、きょう、あなたがたの前に、祝福とのろいを置く。

27 もし、私が、きょう、あなたがたに命じる、あなたがたの神、主の命令に聞き従うなら、祝福を、

28 もし、あなたがたの神、主の命令に聞き従わず、私が、きょう、あなたがたに命じる道から離れ、あなたがたの知らなかったほかの神々に従って行くなら、のろいを与える。

29 あなたが、入って行って、所有しようとしている地に、あなたの神、主があなたを導き入れたなら、あなたはゲリジム山には祝福を、エバル山にはのろいを置かなければならない。

30 それらの山は、ヨルダンの向こう、日の入るほうの、アラバに住むカナン人の地にあり、ギルガルの前方、モレの樫の木の付近にあるではないか。

31 あなたがたは、ヨルダンを渡り、あなたがたの神、主があなたがたに与えようとしておられる地に入って、それを所有しようとしている。あなたがたがそこを所有し、そこに住みつくとき、

32 私がきょう、あなたがたの前に与えるすべてのおきてと定めを守り行わなければならない。

2010年7月27日火曜日

申命記 10章

申命記 10章


1 そのとき、主は私に仰せられた。「前のような石の板を二枚切って作り、山のわたしのところに登れ。また木の箱を一つ作れ。

2 その板の上に、わたしは、あなたが砕いた、あの最初の板にあったことばを書きしるそう。あなたはそれを箱の中に納めよ。」

3 そこで私はアカシヤ材の箱を一つ作り、前のような石の板を二枚切り取り、その二枚の板を手にして山に登って行った。

4 主は、その板に、あの集まりの日に山で火の中からあなたがたに告げた十のことばを、前と同じ文で書きしるされた。主はそれを私に授けた。

5 私は向き直って、山を下り、その板を私が作った箱の中に納めたので、それはそこにある。主が命じられたとおりである。

6 —イスラエル人は、ベエロテ・ベネ・ヤアカンからモセラに旅立った。アロンはそこで死に、そこに葬られた。それで彼の子エルアザルが彼に代わって祭司の職に任じられた。

7 そこから彼らは旅立ってグデゴダに行き、またグデゴダから水の流れる地ヨテバタに進んだ。

8 そのとき、主はレビ部族をえり分けて、主の契約の箱を運び、主の前に立って仕え、また御名によって祝福するようにされた。今日までそうなっている。

9 それゆえ、レビには兄弟たちといっしょの相続地の割り当てはなかった。あなたの神、主が彼について言われたように、主が彼の相続地である—

10 私は最初のときのように、四十日四十夜、山にとどまった。主はそのときも、私の願いを聞き入れ、主はあなたを滅ぼすことを思いとどまられた。

11 そして主は私に、「民の先頭に立って進め。そうすれば、わたしが彼らに与えると彼らの先祖たちに誓った地に彼らは入り、その地を占領することができよう」と言われた。

12 イスラエルよ。今、あなたの神、主が、あなたに求めておられることは何か。それは、ただ、あなたの神、主を恐れ、主のすべての道に歩み、主を愛し、心を尽くし、精神を尽くしてあなたの神、主に仕え、

13 あなたのしあわせのために、私が、きょう、あなたに命じる主の命令と主のおきてとを守ることである。

14 見よ。天ともろもろの天の天、地とそこにあるすべてのものは、あなたの神、主のものである。

15 主は、ただあなたの先祖たちを恋い慕って、彼らを愛された。そのため彼らの後の子孫、あなたがたを、すべての国々の民のうちから選ばれた。今日あるとおりである。

16 あなたがたは、心の包皮を切り捨てなさい。もううなじのこわいものであってはならない。

17 あなたがたの神、主は、神の神、主の主で、偉大で、力あり、恐ろしい神、かたよって愛することなく、わいろを取らず、

18 みなしごや、やもめのためにさばきを行い、在留異国人を愛してこれに食物と着物を与えられる。

19 あなたがたは在留異国人を愛しなさい。あなたがたもエジプトの国で在留異国人であったからである。

20 あなたの神、主を恐れ、主に仕え、主にすがり、御名によって誓わなければならない。

21 主はあなたの賛美、主はあなたの神であって、あなたが自分の目で見たこれらの大きい、恐ろしいことを、あなたのために行われた。

22 あなたの先祖たちは七十人でエジプトに下ったが、今や、あなたの神、主は、あなたを空の星のように多くされた。

申命記 9章

申命記 9章


1 聞きなさい。イスラエル。あなたはきょう、ヨルダンを渡って、あなたよりも大きくて強い国々を占領しようとしている。その町々は大きく、城壁は天に高くそびえている。

2 その民は大きくて背が高く、あなたの知っているアナク人である。あなたは聞いた。「だれがアナク人に立ち向かうことができようか。」

3 きょう、知りなさい。あなたの神、主ご自身が、焼き尽くす火として、あなたの前に進まれ、主が彼らを根絶やしにされる。主があなたの前で彼らを征服される。あなたは、主が約束されたように、彼らをただちに追い払って、滅ぼすのだ。

4 あなたの神、主が、あなたの前から彼らを追い出されたとき、あなたは心の中で、「私が正しいから、主が私にこの地を得させてくださったのだ」と言ってはならない。これらの国々が悪いために、主はあなたの前から彼らを追い出そうとしておられるのだ。

5 あなたが彼らの地を所有することのできるのは、あなたが正しいからではなく、またあなたの心がまっすぐだからでもない。それは、これらの国々が悪いために、あなたの神、主が、あなたの前から彼らを追い出そうとしておられるのだ。また、主があなたの先祖、アブラハム、イサク、ヤコブになさった誓いを果たすためである。

6 知りなさい。あなたの神、主はあなたが正しいということで、この良い地をあなたに与えて所有させられるのではない。あなたはうなじのこわい民であるからだ。

7 あなたは荒野で、どんなにあなたの神、主を怒らせたかを覚えていなさい。忘れてはならない。エジプトの地を出た日から、この所に来るまで、あなたがたは主に逆らいどおしであった。

8 あなたがたはホレブで、主を怒らせたので、主は怒ってあなたがたを根絶やしにしようとされた。

9 私が石の板、主があなたがたと結ばれた契約の板を受けるために、山に登ったとき、私は四十日四十夜、山にとどまり、パンも食べず、水も飲まなかった。

10 その後、主は神の指で書きしるされた石の板二枚を私に授けられた。その上には、あの集まりの日に主が山で火の中から、あなたがたに告げられたことばが、ことごとく、そのまま書かれてあった。

11 こうして四十日四十夜の終わりに、主がその二枚の石の板、契約の板を私に授けられた。

12 そして主は私に仰せられた。「さあ、急いでここから下れ。あなたがエジプトから連れ出したあなたの民が、堕落してしまった。彼らはわたしが命じておいた道から早くもそれて、自分たちのために鋳物の像を造った。」

13 さらに主はこう言われた。「わたしがこの民を見るのに、この民は実にうなじのこわい民だ。

14 わたしのするがままにさせよ。わたしは彼らを根絶やしにし、その名を天の下から消し去ろう。しかし、わたしはあなたを、彼らよりも強い、人数の多い国民としよう。」

15 私は向き直って山から降りた。山は火で燃えていた。二枚の契約の板は、私の両手にあった。

16 私が見ると、見よ、あなたがたはあなたがたの神、主に罪を犯して、自分たちのために鋳物の子牛を造り、主があなたがたに命じられた道から早くもそれてしまっていた。

17 それで私はその二枚の板をつかみ、両手でそれを投げつけ、あなたがたの目の前でこれを打ち砕いた。

18 そして私は、前のように四十日四十夜、主の前にひれ伏して、パンも食べず、水も飲まなかった。あなたがたが主の目の前に悪を行い、御怒りを引き起こした、その犯したすべての罪のためであり、

19 主が怒ってあなたがたを根絶やしにしようとされた激しい憤りを私が恐れたからだった。そのときも、主はわたしの願いを聞き入れられた。

20 主は、激しくアロンを怒り、彼を滅ぼそうとされたが、そのとき、私はアロンのためにも、とりなしをした。

21 私はあなたがたが作った罪、その子牛を取って、火で焼き、打ち砕き、ちりになるまでよくすりつぶした。そして私は、そのちりを山から流れ下る川に投げ捨てた。

22 あなたがたはまた、タブエラでも、マサでも、キプロテ・ハタアワでも、主を怒らせた。

23 主があなたがたをカデシュ・バルネアから送り出されるとき、「上って行って、わたしがあなたがたに与えている地を占領せよ」と言われたが、あなたがたは、あなたがたの神、主の命令に逆らい、主を信ぜず、その御声にも聞き従わなかった。

24 私があなたがたを知った日から、あなたがたはいつも、主にそむき逆らってきた。

25 それで、私は、その四十日四十夜、主の前にひれ伏していた。それは主があなたがたを根絶やしにすると言われたからである。

26 私は主に祈って言った。「神、主よ。あなたの所有の民を滅ぼさないでください。彼らは、あなたが偉大な力をもって贖い出し、力強い御手をもってエジプトから連れ出された民です。

27 あなたのしもべ、アブラハム、イサク、ヤコブを覚えてください。そしてこの民の強情と、その悪と、その罪とに目を留めないでください。

28 そうでないと、あなたがそこから私たちを連れ出されたあの国では、『主は、約束した地に彼らを導き入れることができないので、また彼らを憎んだので、彼らを荒野で死なせるために連れ出したのだ』と言うでしょう。

29 しかし彼らは、あなたの所有の民です。あなたがその大いなる力と伸べられた腕とをもって連れ出された民です。」

申命記 8章

申命記 8章


1 私が、きょう、あなたに命じるすべての命令をあなたがたは守り行われならない。そうすれば、あなたがたは生き、その数はふえ、主があなたがたの先祖たちに誓われた地を所有することができる。

2 あなたの神、主が、この四十年の間、荒野であなたを歩ませられた全行程を覚えていなければならない。それは、あなたを苦しめて、あなたを試み、あなたがその命令を守るかどうか、あなたの心のうちにあるものを知るためであった。

3 それで主は、あなたを苦しめ、飢えさせて、あなたも知らず、あなたの先祖たちも知らなかったマナを食べさせられた。それは、人はパンだけで生きるのではない、人は主の口から出るすべてのもので生きる、ということを、あなたにわからせるためであった。

4 この四十年の間、あなたの着物はすり切れず、あなたの足は、はれなかった。

5 あなたは、人がその子を訓練するように、あなたの神、主があなたを訓練されることを、知らなければならない。

6 あなたの神、主の命令を守って、その道に歩み、主を恐れなさい。

7 あなたの神、主が、あなたを良い地に導き入れようとしておられるからである。そこは、水の流れと泉があり、谷間と山を流れ出た深い淵のある地、

8 小麦、大麦、ぶどう、いちじく、ざくろの地、オリーブ油と蜜の地。

9 そこは、あなたが十分に食物を食べ、何一つ足りないもののない地、その地は石の鉄であり、その山々からは青銅を掘り出すことのできる地である。

10 あなたがた食べて満ち足りたとき、主が賜った良い地について、あなたの神、主をほめたたえなければならない。

11 気をつけなさい。私が、きょう、あなたに命じる主の命令と、主の定めと、主のおきてとを守らず、あなたの神、主を忘れることがないように。

12 あなたが食べて満ち足り、りっぱな家を建てて住み、

13 あなたの牛や羊の群れがふえ、金銀が増し、あなたの所有物がみな増し加わり、

14 あなたの心が高ぶり、あなたの神、主を忘れる。そういうことがないように。—主は、あなたをエジプトの地、奴隷の家から連れ出し、

15 燃える蛇やさそりのいるあの大きな恐ろしい荒野、水のない、かわききった地を通らせ、堅い岩から、あなたのために水を流れ出させ、

16 あなたの先祖たちの知らなかったマナを、荒野であなたに食べさせられた。それは、あなたを苦しめ、あなたを試み、ついには、あなたをしあわせにするためであった—

17 あなたは心のうちで、「この私の力、私の手の力が、この富を築き上げたのだ」と言わないように気をつけなさい。

18 あなたの神、主を心に据えなさい。主があなたに富を築き上げる力を与えられるのは、あなたの先祖たちに誓った契約を今日のとおりに果たされるためである。

19 あなたが万一、あなたの神、主を忘れ、ほかの神々に従い、これらに仕え、これらを拝むようなことがあれば、きょう、私はあなたがたに警告する。あなたがたは必ず滅びる。

20 主があなたがたの前で滅ぼされる国々のように、あなたがたも滅びる。あなたがたがあなたがたの神、主の御声に聞き従わないからである。

2010年7月26日月曜日

申命記 7章

申命記 7章


1 あなたが、入って行って、所有しようとしている地に、あんたの神、主が、あなたを導き入れられるとき、主は、多くの異邦の民、すなわちヘテ人、ペリジ人、ヒビ人、およびエブス人の、これらあなたよりも数多く、また強い七つの異邦の民を、あなたの前から追い払われる。

2 あなたの神、主は、彼らをあなたに渡し、あなたがこれを打つとき、あなたは彼らを聖絶しなければならない。彼らと何の契約も結んではならない。容赦してはならない。

3 また、彼らと互いに縁を結んではならない。あなたの娘を彼の息子に与えてはならない。彼の娘をあなたの息子にめとってはならない。

4 彼はあなたの息子を私から引き離すであろう。彼らがほかの神々に仕えるなら、主の怒りがあなたがたに向かって燃え上がり、主はあなたをたちどころに根絶やしにしてしまわれる。

5 むしろ彼らに対して、このようにしなければならない。彼らの祭壇を打ちこわし、石の柱を打ち砕き、彼らのアシェラ像を切り倒し、彼らの彫像を火で焼かなければならない。

6 あなたは、あなたの神、主の聖なる民だからである。あなたの神、主は、地の面のすべての国々の民のうちから、あなたを選んでご自分の宝の民とされた。

7 主があなたがたを恋い慕って、あなたがたを選ばれたのは、あなたがたがどの民よりも数が多かったからではない。事実、あなたがたは、すべての国々の民のうちで最も数が少なかった。

8 しかし、主があなたがたを愛されたから、また、あなたがたの先祖たちに誓われた誓いを守られたから、主は、力強い御手をもってあなたがたを連れ出し、奴隷の家からエジプトの王パロの手からあなたを贖い出された。

9 あなたは知っているのだ。あなたの神、主だけが神であり、誠実な神である。主を愛し、主の命令を守る者には恵みの契約を千代までも守られるが、

10 主を憎む者には、これに報いて、主はたちどころに彼らを滅ぼされる。主を憎む者には猶予はされない。たちどころに報いられる。

11 私が、きょう、あなたに命じる命令—おきてと定め—を守り行わなければならない。

12 それゆえ、もしあなたがたが、これらの定めを聞いて、これを守り行うならば、あなたの神、主は、あなたの先祖たちに誓われた恵みの契約をあなたのために守り、

13 あなたを愛し、あなたを祝福し、あなたをふやし、主があなたに与えるとあなたの先祖たちに誓われた地で、主はあなたの身から生まれる者、地の産物、穀物、新しいぶどう酒、油、またあなたの群れのうちの子牛、群れのうちの雌羊をも祝福される。

14 あなたはすべての国々の民の中で、最も祝福された者となる。あなたのうちには、子のない男、子のない女はいないであろう。あなたの家畜も同様である。

15 主は、すべての病気をあなたから取り除き、あなたの知っているあのエジプトの悪疫は、これを一つもあなたにもたらさず、あなたを憎むすべての者にこれを下す。

16 あなたは、あなたの神、主があなたに与えるすべての国々の民を滅ぼし尽くす。彼らをあわれんではならない。また、彼らの神々に仕えてはならない。それがあなたへのわなとなるからだ。

17 あなたが心のうちで、「これらの異邦の民は私よりも多い。どうして彼らを追い払うことができよう」と言うことがあれば、

18 彼らを恐れてはならない。あなたの神、主がパロに、また全エジプトにされたことをよく覚えていなければならない。

19 あなたが自分の目で見たあの大きな試みと、しるしと、不思議と、力強い御手と、伸べられた腕、これをもって、あなたの神、主は、あなたを連れ出された。あなたの恐れているすべての国々の民に対しても、あなたの神、主が同じようにされる。

20 あなたの神、主はまた、くまばちを彼らのうちに送り、生き残っている者たちや隠れている者たちを、あなたの前から滅ぼされる。

21 彼らの前でおののいてはならない。あなたの神、主、大いなる恐るべき神が、あなたのうちにおられるから。

22 あなたの神、主は、これらの国々を徐々にあなたの前から追い払われる。あなたは彼らをすぐに絶ち滅ぼすことはできない。野の獣が増してあなたを襲うことがないためである。

23 あなたの神、主が、彼らをあなたに渡し、彼らを大いにかき乱し、ついに、彼らを根絶やしにされる。

24 また彼らの王たちをあなたの手に渡される。あなたは彼らの名を天の下から消し去ろう。だれひとりとして、あなたの前に立ちはだかる者はなく、ついに、あなたは彼らを根絶やしにする。

25 あなたがたは彼らの神々の彫像を火で焼かなければならない。それにかぶせた銀や金を欲しがってはならない。自分のものとしてはならない。あなたがわなにかけられないために。それは、あなたの神、主の忌みきらわれるものである。

26 忌みきらうべきものを、あなたの家に持ち込んで、あなたもそれと同じように聖絶のものとなってはならない。それをあくまで忌むべきものとし、あくまで忌みきらわなければならない。それは聖絶のものだからである。

申命記 6章

申命記 6章


1 これは、あなたがたの神、主が、あなたがたに教えよと命じられた命令—おきてと定め—である。あなたがたが、渡って行って、所有しようとしている地で、行うためである。

2 それは、あなたの一生の間、あなたも、そしてあなたの子も孫も、あなたの神、主を恐れて、私の命じるすべての主のおきてと命令を守るため、またあなたが長く生きることのできるためである。

3 イスラエルよ。聞いて、守り行いなさい。そうすれば、あなたはしあわせになり、あなたの父祖の神、主があなたに告げられたように、あなたは乳と蜜の流れる国で大いにふえよう。

4 聞きなさい。イスラエル。主は私たちの神、主はただひとりである。

5 心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい。

6 私がきょう、あなたに命じるこれらのことばを、あなたの心に刻みなさい。

7 これをあなたの子どもたちによく教え込みなさい。あなたが家に座っているときも、道を歩くときも、寝るときも、起きるときも、これを唱えなさい。

8 これをしるしとしてあなたの手に結びつけ、記章として額の上に置きなさい。

9 これをあなたの家の門柱と門に書きしるしなさい。

10 あなたの神、主が、あなたの先祖、アブラハム、イサク、ヤコブに誓われた地にあなたを導き入れ、あなたが建てなかった、大きくて、すばらしい町々、

11 あなたが満たさなかった、すべての良い物が満ちた家々、あなたが掘らなかった掘り井戸、あなたが植えなかったぶどう畑とオリーブ畑、これらをあなたに与え、あなたが食べて、満ち足りるとき、

12 あなたは気をつけて、あなたをエジプトの地、奴隷の家から連れ出された主を忘れないようにしなさい。

13 あなたの神、主を恐れなければならない。主に仕えなければならない。御名によって誓わなければならない。

14 ほかの神々、あなたがたの回りにいる国々の民の神に従ってはならない。

15 あなたのうちにおられるあなたの神、主は、ねたむ神であるから、あなたの神、主の怒りがあなたに向かって燃え上がり、主があなたを地の面から根絶やしにされないようにしなさい。

16 あなたがたがマサで試みたように、あなたがたの神、主を試みてはならない。

17 あなたがたの神、主の命令、主が命じられたさとしとおきてを忠実に守らなければならない。

18 主が正しい、また良いと見られることをしなさい。そうすれば、あなたはしあわせになり、主があなたの先祖たちに誓われたあの良い地を所有することができる。

19 そうして、主が告げられたように、あなたの敵は、ことごとくあなたの前から追い払われる。

20 後になって、あなたの息子があなたに尋ねて、「私たちの神、主が、あなたがたに命じられた、このさとしとおきてと定めとは、どういうことか」と言うなら、

21 あなたは自分の息子にこう言いなさい。「私たちはエジプトでパロの奴隷であったが、主が力強い御手をもって、私たちをエジプトから連れ出された。

22 主は私たちの目の前で、エジプトに対し、パロとその全家族に対して大きくてむごいしるしと不思議とを行い、

23 私たちをそこから連れ出された。それは私たちの先祖たちに誓われた地に、私たちを入らせて、その地を私たちに与えるためであった。

24 それで、主は、私たちがこのすべてのおきてを行い、私たちの神、主を恐れるように命じられた。それは、今日のように、いつまでも私たちがしあわせであり、生き残るためである。

25 私たちの神、主が命じられたように、御前でこのすべての命令を守り行うことは、私たちの義となるのである。」

申命記 5章

申命記 5章


1 さて、モーセはイスラエル人をみな呼び寄せて彼らに言った。聞きなさい。イスラエルよ。きょう、私があなたがたの耳に語るおきてと定めとを。これを学び、守り行いなさい。

2 私たちの神、主は、ホレブで私たちと契約を結ばれた。

3 主が、この契約を結ばれたのは、私たちの先祖たちとではなく、きょう、ここに生きている私たちひとりひとりと、結ばれたのである。

4 主はあの山で、火の中からあなたがたに顔と顔とを合わせて語られた。

5 そのとき、私は主とあなたがたとの間に立ち、主のことばをあなたがたに告げた。あなたがたが火を恐れて、山に登らなかったからである。主は仰せられた。

6 「わたしは、あなたをエジプトの国、奴隷の家から連れ出した、あなたの神、主である。

7 あなたには、わたしのほかに、ほかの神々があってはならない。

8 あなたは、自分のために、偶像を造ってはならない。上の天にあるものでも、下の地にあるものでも、地の下の水の中にあるものでも、どんな形をも造ってはならない。

9 それらを拝んではならない。それらに仕えてはならない。あなたの神、主であるわたしは、ねたむ神、わたしを憎む者には、父の咎を子に報い、三代、四代にまで及ぼし、

10 わたしを愛し、わたしの命令を守る者には、恵みを千代にまで施すからである。

11 あなたは、あなたの神、主の御名をみだりに唱えてはならない。主は、御名をみだりに唱える者を、罰せずにはおかない。

12 安息日を守って、これを聖なる日とせよ。あなたの神、主が命じられたとおりに。

13 六日間、働いて、あなたのすべての仕事をしなければならない。

14 しかし七日目は、あなたの神、主の安息である。あなたはどんな仕事もしてはならない。—あなたも、あなたの息子、娘も、あなたの男奴隷や女奴隷も、あなたの牛、ろばも、あなたのどんな家畜も、またあなたの町囲みのうちにいる在留異国人も—そうすれば、あなたの男奴隷も、女奴隷も、あなたと同じように休むことができる。

15 あなたは、自分がエジプトの地で奴隷であったこと、そして、あなたの神、主が力強い御手と伸べられた腕とをもって、あなたをそこから連れ出されたことを覚えていなければならない。それゆえ、あなたの神、主は、安息日を守るよう、あなたに命じられたのである。

16 あなたの父と母を敬え。あなたの神、主が命じられたとおりに。それはあなたの齢が長くなるため、また、あなたの神、主が与えようとしておられる地で、しあわせになるためである。

17 殺してはならない。

18 姦淫してはならない。

19 盗んではならない。

20 あなたの隣人に対し、偽証してはならない。

21 あなたの隣人の妻を欲しがってはならない。あなたの隣人の家、畑、男奴隷、女奴隷、牛、ろば、すべてあなたの隣人のものを、欲しがってはならない。」

22 これらのことばを、主はあの山で、火と雲と暗やみの中から、あなたがたの全会衆に、大きな声で告げられた。このほかのことは言われなかった。主はそれを二枚の石の板に書いて、私に授けられた。

23 あなたがたが、暗黒の中からその御声を聞き、またその山が火で燃えていたときに、あなたがた、すなわちあなたがたの部族のすべてのかしらたちと長老たちとは、私のもとに近寄って来た。

24 そして言った。「私たちの神、主は、今、ご自身の栄光と偉大さとを私たちに示されました。私たちは火の中から御声を聞きました。きょう、私たちは、神が人に語られても、人が生きることができるのを見ました。

25 今、私たちはなぜ死ななければならないのでしょうか。この大きい火が私たちをなめ尽くそうとしています。もし、この上なお私たちの神、主の声を聞くならば、私たちは死ななければなりません。

26 いったい肉を持つ者で、私たちのように、火の中から語られる生ける神の声を聞いて、なお生きている者がありましょうか。

27 あなたが近づいて行き、私たちの神、主が仰せになることをみな聞き、私たちの神、主があなたにお告げになることをみな、私たちに告げてくださいますように。私たちは聞いて、行います。」

28 主はあなたがたが私に話していたとき、あなたがたのことばの声を聞かれて、主は私に仰せられた。「わたしはこの民があなたに話していることばの声を聞いた。彼らの言ったことは、みな、もっともである。

29 どうか、彼らの心がこのようであって、いつまでも、わたしを恐れ、わたしのすべての命令を守るように。そうして、彼らも、その子孫も、永久にしあわせになるように。

30 さあ、彼らに、『あなたがたは、自分の天幕に帰りなさい』と言え。

31 しかし、あなたは、わたしとともにここにとどまれ。わたしは、あなたが彼らに教えるすべての命令—おきてと定め—を、あなたに告げよう。彼らは、わたしが与えて所有させようとしているその地で、それを行うのだ。」

32 あなたがたは、あなたがたの神、主が命じられたとおりに守り行いなさい。右にも左にもそれてはならない。

33 あなたがたの神、主が命じられたすべての道を歩まなければならない。あなたがたが生き、しあわせになり、あなたがたが所有する地で、長く生きるためである。

申命記 4章

申命記 4章


1 今、イスラエルよ。あなたがたが行うように私の教えるおきてと定めとを聞きなさい。そうすれば、あなたがたは生き、あなたあたの父祖の神、主が、あなたがたに与えようとしておられる地を所有することができる。

2 私があなたがたに命じることばに、つけ加えてはならない。また、減らしてはならない。私があなたがたに命じる、あなたがたの神、主の命令を、守らなければならない。

3 あなたがたは、主がバアル・ペオルのことでなさったことを、その目で見た。バアル・ペオルに従った者はみな、あなたの神、主があなたのうちから根絶やしにされた。

4 しかし、あなたがたの神、主にすがってきたあなたがたはみな、きょう、生きている。

5 見なさい。私は、私の神、主が私に命じられたとおりに、おきてと定めとをあなたがたに教えた。あなたがたが、入って行って、所有しようとしているその地の真ん中で、そのように行うためである。

6 これを守り行いなさい。そうすれば、それは国々の民に、あなたがたの知恵と悟りを示すことになり、これらすべてのおきてを聞く彼らは、「この偉大な国民は、確かに知恵のある、悟りのある民だ」と言うであろう。

7 まことに、私たちの神、主は、私たちが呼ばわるとき、いつも、近くにおられる。このような神を持つ偉大な国民が、どこにあるだろうか。

8 また、きょう、私があなたがたの前に与えようとしている、このみおしえのすべてのように、正しいおきてと定めとを持っている偉大な国民が、いったい、どこにあるだろう。

9 ただ、あなたは、ひたすら慎み、用心深くありなさい。あなたが自分の目で見たことを忘れず、一生の間、それらがあなたの心から離れることのないようにしなさい。あなたはそれらを、あなたの子どもや孫たちに知らせなさい。

10 あなたがホレブで、あなたの神、主の前に立った日に、主は私に仰せられた。「民をわたしのもとに集めよ。わたしは彼らにわたしのことばを聞かせよう。それによって彼らが地上に生きている日の間、わたしを恐れることを学び、また彼らがその子どもたちに教えることができるように。」

11 そこであなたがたがは近づいて来て、山のふもとに立った。山は激しく燃え立ち、火は中天に達し、雲と暗やみの暗黒とがあった。

12 主は火の中から、あなたがたがに語られた。あなたがたはことばの声を聞いたが、御姿は見なかった。御声だけであった。

13 主はご自分の契約をあなたがたに告げて、それを行うように命じられた。十のことばである。主はそれを二枚の石の板に書きしるされた。

14 主は、そのとき、あなたがたにおきてと定めとを教えるように、私に命じられた。あなたがたが、渡って行って、所有しようとしている地で、それらを行うためであった。

15 あなたがたは十分に気をつけなさい。主がホレブで火の中からあなたがたに話しかけられた日に、あなたがたは何の姿も見なかったからである。

16 堕落して、自分たちのために、どんな形の彫像をも造らないようにしなさい。男の形も女の形も。

17 地上のどんな家畜の形も、空を飛ぶどんな鳥の形も、

18 地をはうどんなものの形も、地の下の水の中にいるどんな魚の形も。

19 また、天に目を上げて、日、月、星の天の万象を見るとき、魅せられてそれを拝み、それらに仕えないようにしなさい。それらのものは、あなたの神、主が全天下の国々の民に分け与えられたものである。

20 主はあなたがたを取って、鉄の炉エジプトから連れ出し、今日のように、ご自分の所有の民とされた。

21 しかし、主は、あなたがたのことで私を怒り、私はヨルダンを渡れず、またあなたの神、主が相続地としてあなたに与えようとしておられる良い地に入ることができないと誓われた。

22 私は、この地で死ななければならない。私はヨルダンを渡ることができない。しかしあなたがたは渡って、あの良い地を所有しようとしている。

23 気をつけて、あなたがたの神、主があなたがたと結ばれた契約を忘れることのないようにしなさい。あなたの神、主の命令にそむいて、どんな形の彫像をも造ることのないようにしなさい。

24 あなたの神、主は焼き尽くす火、ねたむ神だからである。

25 あなたが子を生み、孫を得、あなたがたがその地に永住し、堕落して、何かの形に刻んだ像を造り、あなたの神、主の前に悪を行い、御怒りを買うようなことがあれば、

26 私は、きょう、あなたがたに対して、天と地とを証人に立てる。あなたがたは、ヨルダンを渡って、所有しようとしているその土地から、たちまちにして滅びうせる。そこで長く生きるどころか、すっかり根絶やしにされるだろう。

27 主はあなたがたを国々の民の中に散らされる。しかし、ごくわずかな者たちが、主の追いやる国々の中に残される。

28 あなたがたはそこで、人間の手で造った、見ることも、聞くこともせず、食べることも、かぐこともしない木や石の神々に仕える。

29 そこから、あなたがたは、あなたの神、主を慕い求め、主に会う。あなたが、心を尽くし、精神を尽くして切に求めるようになるからである。

30 あなたの苦しみのうちにあって、これらすべてのことが後の日に、あなたに臨むなら、あなたは、あなたの神、主に立ち返り、御声に聞き従うのである。

31 あなたの神、主は、あわれみ深い神であるから、あなたを捨てず、あなたを滅ぼさず、あなたの先祖たちに誓った契約を忘れない。

32 さあ、あなたより前の過ぎ去った時代に尋ねてみるがよい。神が地上に人を造られた日からこのかた、天のこの果てからかの果てまでに、これほど偉大なことが起こったであろうか。このようなことが聞かれたであろうか。

33 あなたのように、火の中から語られる神の声を聞いて、なお生きていた民があっただろうか。

34 あるいは、あなたがたの神、主が、エジプトにおいてあなたの目の前で、あなたがたのためになさったように、試みと、しるしと、不思議と、戦いと、力強い御手と、伸べられた腕と、恐ろしい力とをもって、一つの国民を他の国民の中から取って、あえてご自身のものとされた神があったであろうか。

35 あなたにこのことが示されたのは、主だけが神であって、ほかには神はないことを、あなたが知るためであった。

36 主はあなたを訓練するため、天から御声を聞かせ、地の上では、大きい火を見させた。その火の中からあなたは、みことばを聞いた。

37 主は、あなたの先祖たちを愛して、その後の子孫を選んでおられたので、主ご自身が大いなる力をもって、あなたをエジプトから連れ出した。

38 それはあなたよりも大きく、強い国々を、あなたの前から追い払い、あなたを彼らの地に入らせ、これを相続地としてあなたに与えるためであった。今日のとおりである。

39 きょう、あなたは、上は天、下は地において、主だけが神であり、ほかに神はないことを知り、心を留めなさい。

40 きょう、私が命じておいた主のおきてと命令とを守りなさい。あなたも、あなたの後の子孫も、しあわせになり、あなたの神、主が永久にあなたに与えようとしておられる地で、あなたが長く生き続けるためである。

41 それからモーセは、ヨルダンの向こうの地に三つの町を取り分けた、東のほうである。

42 以前から憎んでいなかった隣人を知らずに殺した殺人者が、そこへ、のがれることのできるためである。その者はこれらの町の一つにのがれて、生きのびることができる。

43 ルベン人に属する高地の荒野にあるベツェル、ガド人に属するギルアデのラモテ、マナセ人に属するバシャンのゴランである。

44 これはモーセがイスラエル人の前に置いたみおしえである。

45 これはさとしとおきてと定めであって、イスラエル人がエジプトを出たとき、モーセが彼らに告げたのである。

46 そこは、ヨルダンの向こうの地、エモリ人の王シホンの国のベテ・ペオルの前の谷であった。シホンはヘシュボンに住んでいたが、モーセとイスラエル人が、エジプトから出て来たとき、彼を打ち殺した。

47 彼らは、シホンの国とバシャンの王オグの国とを占領した。このふたりのエモリ人の王はヨルダンの向こうの地、東のほうにいた。

48 それはアルノン川の縁にあるアロエルからシーオン山、すなわちヘルモンまで、

49 また、ヨルダンの向こうの地、東の、アラバの全部、ピスガの傾斜地のふもとのアラバの海までである。

申命記 3章

申命記 3章


1 私たちはバシャンへの道を上って行った。するとバシャンの王オグとそのすべての民は、エデレイで私たちを迎えて戦うために出て来た。

2 そのとき、主は私たちに仰せられた。「彼を恐れてはならない。わたしは、彼と、そのすべての民と、その地とを、あなたの手に渡している。あなたはエシュボンに住んでいたエモリ人の王シホンにしたように、彼にしなければならない。」

3 こうして私たちの神、主は、バシャンの王オグとそのすべての民をも、私たちの手に渡されたので、私たちはこれを打ち殺して、ひとりの生存者をも残さなかった。

4 そのとき、私たちは彼の町々をことごとく攻め取った。私たちが取らなかった町は一つもなかった。取った町は六十、アルゴブの全地域であって、バシャンのオグの王国であった。

5 これらはみな、高い城壁と門とかんぬきのある要害の町々であった。このほかに、城壁のない町々が非常に多くあった。

6 私たちはヘシュボンの王シホンにしたように、これらを聖絶した。そのすべての町々—男、女および子ども—を聖絶した。

7 ただし、すべての家畜と、私たちが取った町々で略奪した物とは私たちのものとした。

8 このようにして、そのとき、私たちは、ふたりのエモリ人の王の手から、ヨルダンの向こうの地をアルノン川からヘルモン山まで取った。

9 —シドン人はヘルモンをシルヨンと呼び、エモリ人はこれをセニルと呼んでいる—

10 すなわち、高原のすべての町、ギルアデの全土、バシャンの全土、サルカおよびエデレイまでのバシャンのオグの王国の町々である。

11 —バシャンの王オグだけが、レファイムの生存者として残っていた。見よ。彼の寝台は鉄の寝台、それはアモン人のラバにあるではないか。その長さは、基準のキュビトで九キュビト、その幅は四キュビトである—

12 この地を、私たちは、そのとき、占領した。アルノン川のほとりのアロエルの一部と、ギルアデの山地の半分と、その町々とを私はルベン人とガド人とに与えた。

13 ギルアデの残りと、オグの王国であったバシャンの全土とは、マナセの半部族に与えた。それはアルゴブの全地域で、そのバシャンの全土はレファイムの国と呼ばれている。

14 マナセの子ヤイルは、ゲシュル人とマアカ人との境界までのアルゴブの全地域を取り、自分の名にちなんで、バシャンをハボテ・ヤイルと名づけて、今日に至っている。

15 マキルには私はギルアデを与えた。

16 ルベン人とガド人には、ギルアデからアルノン川の、国境にあたる川の真ん中まで、またアモン人の国境ヤボク川まで与えた。

17 またアラバをも与えた。それはヨルダンを境界として、キネレテからアラバの海、すなわち、東のほうのピスガの傾斜地のふもとにある塩の海までであった。

18 私はそのとき、あなたがたに命じて言った。「あなたがたの神、主は、あなたがたがこの地を所有するように、あなたがたに与えられた。しかし、勇士たちはみな武装して、同族、イスラエル人の先に立って渡って行かなければならない。

19 ただし、あなたがたの妻と子どもと家畜は、私が与えた町々にとどまっていてもよい。私はあなたがたが家畜を多く持っているのも知っている。

20 主があなたがたと同じように、あなたがたの同族に安住の地を与え、彼らもまた、ヨルダンの向こうで、あなたがたの神、主が与えようとしておられる地を所有するようになったなら、そのとき、あなたがたは、おのおの私が与えた自分の所有地に帰ることができる。」

21 私は、そのとき、ヨシュアに命じて言った。「あなたは、あなたがたの神、主が、これらふたりの王になさったすべてのことをその目で見た。主はあなたがたがこれから渡って行くすべての国々にも、同じようにされる。

22 彼らを恐れてはならない。あなたがたのために戦われるのはあなたがたの神、主であるからだ。」

23 私は、そのとき、主に懇願して言った。

24 「神、主よ。あなたの偉大さと、あなたの力強い御手とを、あなたはこのしもべに示し始められました。あなたのわざ、あなたの力あるわざのようなことのできる神が、天、あるいは地にあるでしょうか。

25 どうか、私に、渡って行って、ヨルダンの向こうにある良い地、あの良い山地、およびレバノンを見させてください。」

26 しかし主は、あなたがたのために私を怒り、私の願いを聞き入れてくださらなかった。そして主は私に言われた。「もう十分だ。このことについては、もう二度とわたしに言ってはならない。

27 ピスガの頂に登って、目を上げて西、北、南、東を見よ。あなたのその目でよく見よ。あなたはこのヨルダンを渡ることができないからだ。

28 ヨシュアに命じ、彼を力づけ、彼を励ませ、彼はこの民の先に立って渡って行き、あなたの見るあの地を彼らに受け継がせるであろう。」

29 こうして私たちはベテ・ペオルの近くの谷にとどまっていた。

申命記 2章

申命記 2章


1 それから、私たちは向きを変え、主が私に告げられたように、葦の海への道を荒野に向かって旅立って、その後、長らくセイル山のまわりを回っていた。

2 主は私にこう仰せられた。

3 「あなたがたは長らくこの山のまわりを回っていたが、北のほうに向かって行け。

4 民に命じてこう言え。あなたがたは、セイルに住んでいるエサウの子孫、あなたがたの同族の領土内を通ろうとしている。彼らはあなたがたを恐れるであろう。あなたがたは、十分に注意せよ。

5 彼らに争いをしかけてはならない。わたしは彼らの地を、足の裏で踏むほどにも、あなたがたには与えない。わたしはエサウにセイル山を彼の所有地として与えたからである。

6 食物は、彼らから金で買って食べ、水もまた、彼らから金で買って飲まなければならない。

7 事実、あなたの神、主は、あなたのしたすべてのことを祝福し、あなたの、この広大な荒野の旅を見守ってくださったのだ。あなたの神、主は、この四十年の間あなたとともにおられ、あなたは、何一つ欠けたものはなかった。」

8 それで私たちは、セイルに住むエサウの子孫である私たちの同族から離れ、アラバへの道から離れ、エラテからも、またエツヨン・ゲベルからも離れて進んでいった。そして、私たちはモアブの荒野への道を進んで行った。

9 主は私に仰せられた。「モアブに敵対してはならない。彼らに戦いをしかけてはならない。あなたには、その土地を所有地としては与えない。わたしはロトの子孫にアルを所有地として与えたからである。

10 —そこには以前、エミム人が住んでいた。強大な民で、数も多く、アナク人のように背が高かった。

11 アナク人と同じく、彼らもレファイムであるとみなされていたが、モアブ人は彼らをエミム人と呼んでいた。

12 ホリ人は、以前セイルに住んでいたが、エサウの子孫がこれを追い払い、これを根絶やしにして、彼らに代わって住んでいた。ちょうど、イスラエルが主の下さった所有の地に対してしたようにである。—

13 今、立ってゼレデ川を渡れ。」そこで私たちはゼレデ川を渡った。

14 カデシュ・バルネアを出てからゼレデ川を渡るまでの期間は三十八年であった。それまでに、その世代の戦士たちはみな、宿営のうちから絶えてしまった。主が彼らについて誓われたとおりであった。

15 まことに主の御手が彼らに下り、彼らをかき乱し、宿営のうちから絶やされた。

16 戦士たちがみな、民のうちから絶えたとき、

17 主は私に告げて仰せられた。

18 「あなたは、きょう、モアブの領土、アルを通ろうとしている。

19 それで、アモン人に近づくが、彼らに敵対してはならない。彼らに争いをしかけてはならない。あなたには、アモン人の地を所有地として与えない。ロトの子孫に、それを所有地として与えているからである。

20 —そこもまたレファイムの国とみなされている。以前はレファイムがそこに住んでいた。アモン人は、彼らをザムズミム人と呼んでいた。

21 これは強大な民であって数も多く、アナク人のように背も高かった。主がこれを根絶やしにされたので、アモン人がこれを追い払い、彼らに代わって住んでいた。

22 それは、セイルに住んでいるエサウの子孫のために、主が彼らの前からホリ人を根絶やしにされたのと同じである。それで彼らはホリ人を追い払い、彼らに代わって住みつき、今日に至っている。

23 また、ガザ近郊の村々に住んでいたアビム人をカフトルから出て来たカフトル人が根絶やしにして、これに代わって住みついた—

24 立ち上がれ。出発せよ。アルノン川を渡れ。見よ。わたしはヘシュボンの王エモリ人シホンとその国とを、あなたの手に渡す。占領し始めよ。彼と戦いを交えよ。

25 きょうから、わたしは全天下の国々の民に、あなたのことでおびえと恐れを臨ませる。彼らは、あなたのうわさを聞いて震え、あなたのことでわななこう。」

26 そこで私は、ケデモテの荒野から、ヘシュボンの王シホンに使者を送り、和平を申し込んで言った。

27 「あなたの国を通らせてください。私は大路だけを通って、右にも左にも曲がりません。

28 食物は金で私に売ってください。それを食べます。水も、金を取って私に与えてください。それを飲みます。徒歩で通らせてくださるだけでよいのです。

29 セイルに住んでいるエサウの子孫や、アルに住んでいるモアブ人が、私にしたようにしてください。そうすれば、私はヨルダンを渡って、私たちの神、主が私たちに与えようとしておられる地に行けるのです。」

30 しかし、ヘシュボンの王シホンは、私たちをどうしても通らせようとはしなかった。それは今日見るとおり、彼をあなたの手に渡すために、あなたの神、主が、彼を強気にし、その心をかたくなにされたからである。

31 主は私に言われた。「見よ。わたしはシホンとその地とをあなたの手に渡し始めた。占領し始めよ。その地を所有せよ。」

32 シホンとそのすべての民が、私たちを迎えて戦うため、ヤハツに出て来たとき、

33 私たちの神、主は、彼を私たちの手に渡された。私たちは彼とその子らと、そのすべての民とを打ち殺した。

34 そのとき、私たちは、彼のすべての町々を攻め取り、すべての町々—男、女および子ども—を聖絶して、ひとりの生存者も残さなかった。

35 ただし、私たちが分捕った家畜と私たちが攻め取った町々で略奪した物とは別である。

36 アルノン川の縁にあるアロエルおよび谷の中の町から、ギルアデに至るまで、私たちよりも強い町は一つもなかった。私たちの神、主が、それらをみな、私たちの手に渡されたのである。

37 ただアモン人の地、ヤボク川の全岸と山地の町々には、私たちの神、主が命じられたとおりに、近寄らなかった。

申命記 1章

申命記 1章


1 これは、モーセがヨルダンの向こうの地、パランと、トフェル、ラバン、ハツセロテ、ディ・ザハブとの間の、スフの前にあるアラバの荒野で、イスラエルのすべての民に告げたことばである。

2 ホレブから、セイル山を経てカデシュ・バルネアに至るのには十一日かかる。

3 第四十年の第十一月の一日にモーセは、主がイスラエル人のために彼に命じられたことを、ことごとく彼らに告げた。

4 モーセが、ヘシュボンに住んでいたエモリ人の王シホン、およびアシュタロテに住んでいたバシャンの王オグをエデレイで打ち破って後のことである。

5 ヨルダンの向こうの地、モアブの地で、モーセは、このみおしえを説明し始めて言った。

6 私たちの神、主は、ホレブで私たちに告げて仰せられた。「あなたがたはこの山に長くとどまっていた。

7 向きを変えて、出発せよ。そしてエモリ人の山地に行き、その近隣のすべての地、アラバ、山地、低地、ネゲブ、海辺、カナン人の地、レバノン、さらにあの大河ユーフラテス川にまで行け。

8 見よ。わたしはその地をあなたがたの手に渡している。行け。その地を所有せよ。これは、主があなたがたの先祖アブラハム、イサク、ヤコブに誓って、彼らとその後の子孫に与えると言われた地である。」

9 私はあの時、あなたがたにこう言った。「私だけではあなたがたの重荷を負うことはできない。

10 あなたがたの神、主が、あなたがたをふやされたので、見よ、あなたがたは、きょう、空の星のように多い。

11 —どうかあなたがたの父祖の神、主が、あなたがたを今の千倍にふやしてくださるように。そしてあなたがたに約束されたとおり、あなたがたを祝福してくださるように—

12 私ひとりで、どうして、あなたがたのもめごとと重荷と争いを背負いきれよう。

13 あなたがたは、部族ごとに、知恵があり、悟りがあり、経験のある人々を出しなさい。彼らを、あなたがたのかしらとして立てよう。」

14 すると、あなたがたは私に答えて、「あなたが、しようと言われることは良い」と言った。

15 そこで私は、あなたがたの部族のかしらで、知恵があり、経験のある者たちを取り、彼らをあなたがたの上に置き、かしらとした。千人の長、百人の長、五十人の長、十人の長、また、あなたがたの部族のつかさである。

16 またそのとき、わたしはあなたがたのさばきつかさたちに命じて言った。「あなたがたの身内の者たちとの間、また在留異国人との間を正しくさばきなさい。

17 さばきをするとき、人をかたよって見てはならない。身分の低い人にも高い人にもみな、同じように聞かなければならない。人を恐れてはならない。さばきは神のものである。あなたがたにとってむずかしすぎる事は、私のところに持って来なさい。私がそれを聞こう。」

18 私はまた、そのとき、あなたがたのなすべきすべてのことを命じた。

19 私たちの神、主が、私たちに命じられたとおりに、私たちはホレブを旅立ち、あなたがたが見た、あの大きな恐ろしい荒野を、エモリ人の山地への道をとって進み、カデシュ・バルネアまで来た。

20 そのとき、私はあなたがたに言った。「あなたがたは、私たちの神、主が私たちに与えようとされるエモリ人の山地に来た。

21 見よ。あなたの神、主は、この地をあなたの手に渡されている。上れ。占領せよ。あなたの父祖の神、主があなたに告げられたとおりに。恐れてはならない。おののいてはならない。

22 すると、あなたがた全部が、私に近寄って来て、「私たちより先に人を遣わし、私たちのために、その地を探らせよう。私たちの上って行く道や、入って行く町々について、報告を持ち帰らせよう」と言った。

23 私にとってこのことは良いと思われたので、私は各部族からひとりずつ、十二人をあなたがたの中から取った。

24 彼らは山地に向かって登って行き、エシュコルの谷まで行き、そこを探り、

25 また、その地のくだものを手に入れ、私たちのもとに持って下って来た。そして報告をもたらし、「私たちの神、主が、私たちに与えようとしておられる地は良い地です」と言った。

26 しかし、あなたがたは登って行こうとせず、あなたがたの神、主の命令に逆らった。

27 そしてあなたがたの天幕の中でつぶやいて言った。「主は私たちを憎んでおられるので、私たちをエジプトの地から連れ出してエモリ人の手に渡し、私たちを根絶やしにしようとしておられる。

28 私たちはどこへ上って行くのか。私たちの身内の者たちは、『その民は私たちよりも大きくて背が高い。町々は大きく城壁は高く天にそびえている。しかも、そこでアナク人を見た』と言って、私たちの心をくじいた。」

29 それで、私はあなたがたに言った。「おののいてはならない。彼らを恐れてはならない。

30 あなたがたに先立って行かれるあなたがたの神、主が、エジプトにおいて、あなたがたの目の前で、あなたがたのためにしてくださったそのとおりに、あなたがたのために戦われるのだ。

31 また、荒野では、あなたがたがこの所に来るまでの、全道中、人がその子を抱くように、あなたの神、主が、あなたを抱かれたのを見ているのだ。

32 このようなことによってもまだ、あなたがたはあなたがたの神、主を信じていない。

33 主は、あなたがたが宿営する場所を捜すために、道中あなたがたの先に立って行かれ、夜は火のうち、昼は雲のうちにあって、あなたがたの進んで行く道を示されるのだ。」

34 主は、あなたがたの不平を言う声を聞いて怒り、誓って言われた。

35 「この悪い世代のこれらの者のうちには、わたしが、あなたがたの先祖に与えると誓ったあの良い地を見る者は、ひとりもいない。

36 ただエフネの子カレブだけがそれを見ることができる。彼が踏んだ地を、わたしは彼とその子孫に与えよう。彼は主に従い通したからだ。」

37 主はあなたがたのために、この私に対しても怒って言われた。「あなたも、そこに、入れない。

38 あなたに仕えているヌンの子ヨシュアが、そこに、入るのだ。彼を力づけよ。彼がそこをイスラエルに受け継がせるからだ。

39 あなたがたが、略奪されるだろうと言ったあなたがたの幼子たち、今はまだ善悪のわきまえのないあなたがたの子どもたちが、そこに、入る。わたしは彼らにそこを与えよう。彼らはそれを所有するようになる。

40 あなたがたは向きを変え、葦の海への道を荒野に向かって旅立て。」

41 すると、あなたがたは私に答えて言った。「私たちは主に向かって罪を犯した。私たちの神、主が命じられたとおりに、私たちは上って行って、戦おう。」そして、おのおの武具を身に帯びて、向こう見ずに山地に登って行こうとした。

42 それで主は私に言われた。「彼らに言え。『上ってはならない。戦ってはならない。わたしがあなたがたのうちにはいないからだ。あなたがたは敵に打ち負かされてはならない。』」

43 私が、あなたがたにこう告げたのに、あなたがたは聞き従わず、主の命令に逆らい、不遜にも山地に登って行った。

44 すると、その山地に住んでいたエモリ人が出て来て、あなたがたを迎え撃ち、蜂が追うようにあなたがたを追いかけ、あなたがたをセイルのホルマにまで追い散らした。

45 あなたがたは帰って来て、主の前で泣いたが、主はあなたがたの声を聞き入れず、あなたがたに耳を傾けられなかった。

46 こうしてあなたがたは、あなたがたがとどまった期間だけの長い間カデシュにとどまった。

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